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2006/9/30

随分と寒くなってきたな~。
でも天気は良いから朝が気持ちいいんだよね。

長男を日本語学校へ送りその帰りに車の中で、フォーカスのこのファースト・アルバムを聴いていた。
フォーカスはオランダのプログレ・バンドとして有名なので、このアルバムには購入時ゴツゴツのユーロ・プログレ・サウンドを期待していた。しかしながらこのファースト・アルバムは所謂プログレとは一線を画しているので、その当時僕は可也ガッカリしたのを覚えている。
1曲目の「Focus [Vocal Version] 」はヨーロッパの薫り高く、透明感があり可也叙情的で、プログレ・ファンである僕の心をくすぐってくれた名曲だったが、それ以外の曲は所謂プログレとはニュアンスが随分と違っていた。
これはまだバンド自体が自分達の方向を模索していて、作品の焦点がはっきりと定まっていない状態であった為だったのかも知れない。
だからアルバム・タイトルが、焦点が合ったりぼやけたりと言う意味の「In and Out of Focus」になったのかも...(笑)。
でも、もしそうだとすると自分達で自分たち自身の事を自覚していたと言う事なのだろうか?
いや~、まあ、アルバム・タイトルは実際は他の意味を勿論持っていたんだろうけどね...。
つまり...。
In Focus...焦点のハッキリしたサウンド→ハード・エッジのロック。
Out Focus...焦点のぼやけたサウンド→淡い叙情的なバラード。
って言う事をタイトルに表現したかったんじゃないかと思う。
ただ逆にこういう発展途上のバンドの作品と言うのは、半熟卵の旨さに似た生々しさがあり妙に味わいがあったりするよね~。
最初はこの生なましさの残るこの作品に抵抗のあった僕も、ちゃんと火の通った卵の味ようなプログレ作品より知らないうちに好きになっていたようで、今ではこの半熟フォーカスをよく聴くようになった。
ここには「プログレ」という一言で片付けられてしまう音は存在せず、60年代後半から70年代へと入り始めた頃のロックのヨーロッパのバンドへ与えた影響が「混沌」と言う形で息づいているように思われる。
「Sugar Island」ではキューバとカストロの事を歌っているようだけど、こういう政治的な曲と言うのはプログレの世界ではあまり無いことで、60年代後半のヒッピー・バンドの影響を感じざるを得ない。
時代的にはキューバ危機のちょい後ぐらいになるのかな?
ヤン・アッカーマンのギターもさることながらThijs Van Leerのフルートがイアン・アンダーソンのそれを彷彿とさせ可也アグレッシブな音をこの時点で既に聴かせてくれている。
このフルートの音はイアン・マクドナルドのような繊細さのあるものとは明らかに違っていた。

70年オランダね~。
この頃のヨーロッパの音楽シーン、まだまだ探せば掘り出し物があるような気がする。
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こんにちは
なるほど、私が持っている当時の音盤は、この肝心のシュガー・アイランドが入っていなくて、収録の順番が違うんです。
いやいや、その後の展開を考えると全く肩透かし、おっしゃるとおりですが・・・
嵐の前の静寂と、不安定な将来、そしてドラッグカルチャーの名残り。。。オランダと言う没落貴族的頽廃・・・そんな物をこの1枚に感じ取れたらおもしろいかな^と思いました。
こんな頃のヨーロッパたしかにおもしろいですね。
evergreen URL 2007/08/01(Wed)07:32:46 編集
Re:こんにちは
>なるほど、私が持っている当時の音盤は、この肝心のシュガー・アイランドが入っていなくて、収録の順番が違うんです。

あっ、そうなんですか?
僕のはNYに来てから買ったCDなんですが、曲順や収録曲が違うとアルバムに対する印象が変ってしまいますよね。
ビーチ・ボーイズのブライアン・ウイルソンがビートルズの「ラヴァー・ソウル」にショックを受けて「ペット・サウンズ」を作ったとされていますが、アメリカ盤の「ラヴァー・ソウル」は「夢の人」から始まりオリジナルとは可也印象が違います。
ブライアン・ウイルソンがどちらを聴いたのかは定かではないですが、このようなアルバム内容の違いはロックの歴史を大きく変えてしまうくらい重要な事なんだと思うんです。

>嵐の前の静寂と、不安定な将来、そしてドラッグカルチャーの名残り。。。オランダと言う没落貴族的頽廃・・・そんな物をこの1枚に感じ取れたらおもしろいかな^と思いました。

そうですね。ファースト・アルバムと言う事で、バンドが自分達の方向を模索しもがいているのをありありと感じられるんですが、型にはまっていないのがこのアルバムの魅力だと思います。
【2007/08/01 09:36】
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ジョン・レノンから影響を受けた、
自称、シンガー・ソングライター...。
今日もニューヨークのアストリアで白昼夢。
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