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2007/12/22
クリスマスも間近。そして今年ももう数日で終わり、相変わらず月日の経つのが早いと感じる今日この頃です。
僕自身現在の仕事に変ってからもう早1年半。
精神的にも時間的にも以前に比べ余裕が出来てきたので、今年はいろんな本を読む機会に恵まれたのが何より嬉かことです。
先日読み終わった本の中に村上春樹氏の「海辺のカフカ」と言う小説がありました。
何気なく手にとって読み始めたら、どんどんと本の中に吸い込まれていき一気に読み終わってしまったほど面白い本でした。
村上春樹氏の作品には音楽が多々登場し、あたかも作品のBGMとして機能する事がありますが、この小説にもご多分に漏れずいくつかの音楽が効果的に使われています。
主人公の少年が聴いていたMDウォークマンにはプリンスの「グレイテスト・ヒッツ」やレイディオヘッドの「キッドA」そしてジョン・コルトレーンのこの1961年のアルバム「My Favorite Things」が入っていました。
特に小説のクライマックス近くで少年の頭の中で鳴り続ける「My Favorite Things」はとても印象に残るものでしたので、僕自身も久々にこのアルバムを引っ張り出して聴いてみました。
そしてレッド・ツェッペリンと平行して車の中で何度も聴いているうちに、どんどんと深みへ導かれてしまい今や麻薬のように中毒化して、これを聴かないと禁断症状が出て危ない行動に走ってしまうほどになってしまいました。(嘘)
このアルバムのパーソネルは
John Coltrane — soprano saxophone , tenor saxophone
McCoy Tyner — piano
Steve Davis — bass
Elvin Jones — drums
う~ん、皆さん素晴らしい演奏を聴かせてくれますが、僕は特にMcCoy Tyner のピアノにしびれています。(と言うか、ジャズ・ピアノって好きなんですね....。)
1曲目はアルバムのタイトル・トラック、「My Favorite Things」。
Rodgers and Hammerstein による、スタンダード・ナンバーです。
もともとブロードウェイのミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」での曲だったようですが、僕はジュリー・アンドリュース主演の映画で聴いたのが初めてでした。「ドレミの歌」や「エーデルワイス」に並ぶくらい印象に残った曲ですが、このコルトレーンの演奏は同じ曲とは思えないほど、暗く、悲しく、重い、印象を得ます。
「何でかな~?」って考えていたんですが、良く聴くとこの曲のメロディ自体マイナー系で決して明るいものじゃないんですね。
そしてよくよくこの曲の歌詞を見てみると、
When I'm feeling sad,
I simply remember my favorite things,
And then I don't feel so bad.
とあるように、「悲しい時に自分の好きな事を思い出し自分を慰める」歌だったんですね。
自分を慰めざるを得ない状況と言うのはつまり決してハッピーな状況にないと言う事なんですね。そしてそういう時に歌われるメロディは自然とマイナー系になって当然なんでしょう。
映画では雷を怖がる子供達にジュリー・アンドリュースが慰めるように歌ってあげてるので、何だか可愛い陽気な歌のようになっていますが、ジョン・コルトレーンはこれをもっと自分の深い部分に持って行ったんじゃないかと思います。
後半の演奏で彼のサックスはもがき苦しむ人の悲痛な叫びのようにも聴こえます。
この曲の McCoy Tyner のピアノは和音を執拗に繰り返し、その後に渓流の流れのような軽やかに美しい早弾きを見せてくれます。
う~ん、素晴らしい。
こう言うの好きなんです。
2曲目「Every Time We Say Goodbye 」はスローでメロディアスな美しいナンバー。
心和みます。
3曲目はガーシュインの「Summertime」。
ここでは一般的なスローのアレンジとは裏腹にアップ・テンポで比較的激しいアレンジになっています。
後半の Steve Davis のベース・ソロと Elvin Jones のドラム・ソロが聴き所なのでしょうか。
しかしながら僕としてはElvinさんのドラム・ソロはもっとフリーにやらしてあげれば、より一層良かったんじゃないかと思うんですが、如何でしょう?
4曲目「But Not for Me」もガーシュインの曲。
最後にこの曲で明るさを取り返した感じです。
人間、苦労の末には光が射してくるもんじゃ、見たいな感じでアルバムを締めくくってくれるのは助かるものです。
以上、久々にジャズを聴いています Euge でした。
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Re:春樹スト!
それはどうも有難うございます。
小説も良いんですが、エッセイが結構面白いですよね。
特にお勧めはありますか~?
小説も良いんですが、エッセイが結構面白いですよね。
特にお勧めはありますか~?
His Favorite Tune
このレコードは表題曲が圧倒的で他の曲には耳が行きませんでした。コルトレーンが生涯演奏し続ける曲に出会った歴史的瞬間ですね。このメロデイーには演奏者をひきつけて次から次へと気分を煽り、止むことを知らないような力がありますね。高揚しますね。
Zepと関連ずけるとしたら、ジャズ、ロック界の二大パワードラマーでしょうか。僕は二人ともほぼ最前列で聴いたことがありますが、大波をモロに被るような経験で、もう圧倒的。それでいて味わい深い音楽性。視覚的にもカッコいい。(いいパフォーマーはみんなそうですが。)
私信。クリスマスメセッージ拝受。ありがとうございました。笑いましたが、あれ、僕が好きな唯一のラップです。ウロウロするギンズバーグもイキ!
Zepと関連ずけるとしたら、ジャズ、ロック界の二大パワードラマーでしょうか。僕は二人ともほぼ最前列で聴いたことがありますが、大波をモロに被るような経験で、もう圧倒的。それでいて味わい深い音楽性。視覚的にもカッコいい。(いいパフォーマーはみんなそうですが。)
私信。クリスマスメセッージ拝受。ありがとうございました。笑いましたが、あれ、僕が好きな唯一のラップです。ウロウロするギンズバーグもイキ!
Re:His Favorite Tune
>このメロデイーには演奏者をひきつけて次から次へと気分を煽り、止むことを知らないような力がありますね。高揚しますね。
ライブのフィルムを観るとそれが良く分かりますね。
コルトレーンの情念が溢れ出てきているように感じました。
またそれに触発されたようにエルヴィン・ジョーンズが激しくインプロヴァイズして再びメンバーを煽り返しているような...。
凄かったです。
>僕は二人ともほぼ最前列で聴いたことがありますが、大波をモロに被るような経験で、もう圧倒的。
う~ん、羨ましい限りです。
確かに凄いドラムって、大波か地響きって言う感じなんですよね。
>視覚的にもカッコいい。(いいパフォーマーはみんなそうですが。)
いや、実はそうなんですよね。
カッコに拘ってるとカッコ良くなくなっちゃったりするんですが、真摯な態度とか物事に対して必死に向っている人間の姿って視覚的にカッコいいハズなんです。
>あれ、僕が好きな唯一のラップです。ウロウロするギンズバーグもイキ!
いや、まさにラップですね。
ギンズバーグはいい味出してますよね。
もう1人は誰なんでしょ?
ライブのフィルムを観るとそれが良く分かりますね。
コルトレーンの情念が溢れ出てきているように感じました。
またそれに触発されたようにエルヴィン・ジョーンズが激しくインプロヴァイズして再びメンバーを煽り返しているような...。
凄かったです。
>僕は二人ともほぼ最前列で聴いたことがありますが、大波をモロに被るような経験で、もう圧倒的。
う~ん、羨ましい限りです。
確かに凄いドラムって、大波か地響きって言う感じなんですよね。
>視覚的にもカッコいい。(いいパフォーマーはみんなそうですが。)
いや、実はそうなんですよね。
カッコに拘ってるとカッコ良くなくなっちゃったりするんですが、真摯な態度とか物事に対して必死に向っている人間の姿って視覚的にカッコいいハズなんです。
>あれ、僕が好きな唯一のラップです。ウロウロするギンズバーグもイキ!
いや、まさにラップですね。
ギンズバーグはいい味出してますよね。
もう1人は誰なんでしょ?
春樹再び
家は今出てるハルキ本、ほほ90%くらいはありますよー!私も春樹エッセイファンです。ぼろぼろの文庫本でよかったらほぼ全て揃ってます。日出づる国の工場とか辺境、近況などもちょっとかわった感じのエッセイで面白いです。もし読んだ事なかったらコンドのバレエの時でも奥様に渡しておきますね。
Re:春樹再び
あっ、それ読んだことありません。
では、次回宜しくお願いします。
では、次回宜しくお願いします。
プロフィール
HN:
Euge
性別:
男性
趣味:
夢想、妄想、ナチュラル・ハイ
自己紹介:
ジョン・レノンから影響を受けた、
自称、シンガー・ソングライター...。
今日もニューヨークのアストリアで白昼夢。
自称、シンガー・ソングライター...。
今日もニューヨークのアストリアで白昼夢。
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