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2009/1/26

今朝は何を血迷ったか、バングルスなど聴いて居りました...。
いや~、でも実は結構好きなんですよ、こう言うポップなのも。
これは1986年リリースのセカンド・アルバムなんですかね。

1. Manic Monday "Christopher" (Prince) 3:06
2. In A Different Light   Hoffs, Peterson 2:52
3. Walking Down Your Street  Gutierrez, Hoffs, David Kahne 3:04
4. Walk Like an Egyptian  Liam Sternberg 3:24
5. Standing in the Hallway Hoffs, Kahne, Peterson,. Peterson 2:56
6. Return Post Hoffs, V. Peterson 4:22
7. If She Knew What She Wants Jules Shear 3:49
8. Let It Go Hoffs, D. Peterson, V. Peterson, Steele 2:32
9. September Gurls Alex Chilton 2:45
10.Angels Don't Fall In Love Hoffs, V. Peterson 3:23
11.Following Steele 3:21
12.Not Like You Hoffs, Kahne, D. Peterson 3:06


何はともあれ、1曲目の「マニック・マンデー」なんですね~。
やっぱり基本的に月曜日を好きな人はあまりいないですから...。(月曜日が休みの人は当然別の話ですけど。)
でも僕は日曜日も仕事をしているので、さほど月曜病みたいなものはないです。でも当然月曜日は週末に比べると格段に交通量が増えるのでやはり嬉しくはないですね。それだけで、気が重くなりますから。

う~ん、しかしながら、この「マニック・マンデー」に登場する人物のなんと我侭なこと...。

Have to catch an early train
Got to be to work by nine
And if I had an aeroplane
I still couldn't make it on time

'Cause it takes me so long
Just to figure out what I'm gonna wear
Blame it on the train
When the bus is already there

朝からどの服を着ていくか悩んでいて遅刻したって~っ?

何を言ってやんでぃ!

って、感じですが(笑)、

バブルだったんですかね~、こんな贅沢な事を言ってられたのは...。
それとも、アメリカ人の気質なんですかね、こう言うのって。
何だかお坊ちゃんお坊ちゃんしていて、僕にはちょっと理解しかねる感覚なんですが、作者のプリンスはどんな意図でこの曲を書いていたんでしょうか...。
う~ん、でも、このポップで軽い感覚だからこそ、気が滅入ってし沈み込んでしまいそうな月曜日の憂鬱を、切り抜けることが出来るのかも知れないですね。

It's just another manic Monday

ただの嫌な月曜日じゃん、軽く乗り越えて行こうねぇ~!

そんな風にスザンヌ・ホフスのキュートな声で歌われると、何だか救われます。
これがポップ・ロックの効用かも知れないですね。

しかし、まあ、このアルバムには沢山のヒット曲が入っていて、当時のバングルスの人気の様が伺えます。
そんな中でも、ビッグ・スターのアレックス・チルトン作のカヴァー「September Gurls」はバングルスらしくって良いですね。(ジス・モータル・コイルの「涙の終結」でも彼の曲は2曲カヴァーされておりましたね。)
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2009/1/24

お~っ、今週は頑張って更新してますね~。
って言うか、いつもこれくらいのペースでアップ出来れば良いんですけど、頭の中がまとまらない事が多くて文章を作成するのに凄く時間がかかるんです。
ですから、頻繁に記事を書くのは中々出来ないんですね~。

まあ、言い訳はこの辺にして...。
昨日は「死刑台のメロディ」と言う1971年のイタリア映画のサウンド・トラックを聴きながら涙してました...。

1. Hope for Freedom
2. The Ballad of Sacco and Vanzetti: Introduction
3. The Ballad of Sacco Vanzetti, Pt. 1
4. In Prison
5. The Ballaf of Sacco and Vanzetti, Pt. 2
6. Sacco and His Son
7. The Ballad of Sacco and Vanzetti, Pt. 3
8. Freedom from Hope
9. Sentenced to Death
10.The Electric Chair
11.Here's to You (Introduction)
12.Here's to You



1920年代のアメリカ。強盗殺人事件の容疑者として、逮捕されたイタリア移民の製靴工ニコラ・サッコ (Nicola Sacco) と魚行商人バルトロメオ・バンゼッティ (Bartolomeo Vanzetti) が偏見による冤罪ではないかという疑惑がありながら、死刑に処された事件があったのです。
その事実をもとに1971年にイタリアで映画化されたのが(イタリアで映画化されたというのが、味噌ですよね..。)、この映画なんですが、その音楽を担当したのがあの超巨匠、映画音楽家のエンニオ・モリコーネだったんですね~。
何を隠そう(って別に何も隠していませんが...。)彼は僕のフェイヴァリット映画音楽家のひとりなんです。(それにしても、最近は昔のように映画音楽家というのがあまりいないような気がするんですが、気のせいでしょうか...。)
彼の仕事では「夕陽のガンマン」などのマカロニ・ウエスタンのテーマ曲が有名ですが、やはり今では「ニュー・シネマ・パラダイス」のサントラが圧倒的に彼の知名度を上げたのではないかと思います。
日本のテレビでも、視聴者を泣かそうとする場面には必ずと言ってこのサントラの曲が使われますもんね。
そうです、この人のメロディは涙腺を可也激しく刺激するんですね~。
そして、この涙腺刺激王とガッツリとタッグを組んだのが、60年代のフォークの女王、そして当時人権擁護を声高らかに歌っていた、ジョーン・バエズだったんですね。
う~ん、映画の題材からして、彼女の起用はもう自然の流れだったのでしょう。
エンニオ・モリコーネとジョーン・バエズ。
このチームが映画のために作り上げた音楽は、ドラム缶3個分の涙(何じゃそれ...。)をそそる、悲しくも美しい、時間を越えた素晴らしい作品でした。
基本的にジョーン・バエズはアレンジ違いの「The Ballad of Sacco Vanzetti」と言う曲と「Here's to You 」の2曲で参加と考えて良いと思います。
両曲におけるジョーン・バエズの名唱は永遠に語り継がれる事でしょう。
特に僕が小学校の頃に聴いてショックを受けた「Here's to You 」は、アバのリード・シンガーのアグネタもカヴァーしていた位の名曲です。(う~ん、そんなに説得力ないかな...。)
短い節の繰り返しでしかない曲なのですが、ここまで人を惹きつけるのはアレンジの力とジョーン・バエズの声の賜物だと思います。
素晴らしい。
そして、モリコーネ氏は相変わらず涙腺を攻撃してくるメロディとオーケストラの演奏だけにとどまらない数々の実験?(ジミヘンっぽいギターも少し効果的に入れていたり...。してます。)で聴いている人にサッコとバンゼッティの悲劇を訴えかけてきます。

偏見、差別、権力、...。
これらがもたらすものは「涙の終結」でしかないのに、この事件から70年以上も経った現在でも、人間は気が着く事がなく繰り返しているんですね...。(自分自身を含め...。)


2009/1/22

う~ん、久々の連日投稿です。
えっ?ヒマだな~って?
そうですね~...ここの所日中に時間が空くことが結構増えましたね。
やはり世界的不景気の影響でしょうか....。

記事が前後してしまうんですが、今週のアタマ、月曜日はマーティン・ルーサー・キングの日で休日(一応)だったんですね。
僕はその日仕事が夕方からだったので、朝はゆっくりとして寝床で音楽でも聴こうと思って、何となくこのディス・モータル・コイルの1984年のアルバムを聴きました。
久々と言う事もあって、結構グッと来るものがありました。

1. Kangaroo (Alex Chilton) – 3:30
2. Song to the Siren (Larry Beckett, Tim Buckley) – 3:30
3. Holocaust (Chilton) – 3:38
4. Fyt (Ivo Watts-Russell, John Fryer) – 4:23
5. Fond Affections (Rema-Rema) – 3:50
6. The Last Ray (Watts-Russell, Guthrie, Raymonde) – 4:08
7. Another Day (Roy Harper) – 2:54
8. Waves Become Wings (Lisa Gerrard) – 4:25
9. Barramundi (Raymonde) – 3:56
10.Dreams Made Flesh (Gerrard) – 3:48
11.Not Me (Colin Newman) – 3:44
12.A Single Wish (Gordon Sharp, Steven Young, Raymonde) – 2:26

コクトー・ツインズやデッド・カン・ダンスで有名な4ADと言うレーヴェルの企画ものなんですね、これは。
社長のアイヴォが好きな曲を自分のレーヴェルのミュージシャンにカヴァーさせると言う基本的なアイデアにオリジナル作品も取り混ぜてアルバムとして完成させたんですね。
いや~、しかしどの曲をとっても独特の透明感とメランコリックな雰囲気が4ADらしさをかもし出しています。
特筆すべきは2曲目の「Song to the Siren」です。
ティム・バックリー(と言うよりジェフ・バックリーのお父さんと言った方が分かりやすいでしょうか、今は...。)の曲で、コクトー・ツインズのエリザベスが見事な仕事をしています。
彼女のキャリアの中でも屈指の名演でしょう。
素晴らしい。
比較的にオリジナルのイメージに沿ってアレンジがされているようですね。
そしてビッグ・スターのアレックス・チルトンの2曲「Kangaroo」「Holocaust」はオリジナルの重さを少しなくして、ノスタルジックな部分をもっと強調したような印象を受けます。
その分聴きやすくなっているんではないかと思います。
いや~、オリジナルの「Holocaust」は聴いてると思いっきり気が滅入るますけど、こっちのヴァージョンは涙チョチョ切れって感じです。

そうなんです、このアルバムのタイトルが「涙の終結」なんですね。
マーティン・ルーサー・キング牧師の日にこれを聴いていて、あ~、そう言えば牧師も結局、End in Tears、だったんだな~と、ふっと思いました。
彼だけでなく、JFKも、リンカーンも、ガンジーも、イエス・キリストも、そしてジョン・レノンも、そうだったんですね。
オバマ・大統領がそうならない事を願います。

ただこのアルバムを通して最後まで聴いた時は、「涙の終結」ではありましたけど、悲しみの涙ではなく感動の涙だったかな~と思い、人生そうありたいもんだと改めて感じました。

ジャンジャン。


2009/1/21

皆さんご存知の事と思いますが、昨日はアメリカ合衆国にとって歴史的な一日だった訳です。
ついに初の黒人大統領が誕生したんですね。
僕も車のラジオで就任式の様子を聞いておりましたが、肝心の大統領スピーチの途中でトンネルに差し掛かり聞こえなくなってしまいました。
なんじゃそりゃ...。
いや~、それにしても感心したと言うか、驚かされたのは、中学校へ通う息子も小学校へ通う娘も学校で大統領の就任式を見たんですね。
う~ん、この国では政治と言うものが別世界のことではなく、日常のものとしてちゃんと教育されているのだな~と改めて思い知らされました。うちの娘など、学校から帰宅して自発的にオバマ大統領の絵を描いておりましたし...。
とても大切な事です。

と言う事で、本日はスライ&ファミリー・ストーンの1969年のこの名盤を聴いておりました。

1. Stand! – 3:08
2. Don't Call Me Nigger, Whitey – 5:58
3. I Want to Take You Higher – 5:22
4. Somebody's Watching You – 3:20
5. Sing a Simple Song – 3:56
6. Everyday People – 2:21
7. Sex Machine – 13:45
8. You Can Make It If You Try – 3:37

いや~、これを聴いていてつくづく思ったんですが、オバマ大統領の誕生は今突然起こったのではなく、長い歴史を経てやっと到着し、そして始まった事なんだな~と...。
そして当時「立ち上がれ!」と叫んだスライのメッセージもその歴史の中で人々に勇気を与えていたのではないかと...。
実際昔僕が時々ジャムっていた黒人の友達は、このスライの「Stand!」は「自分の人生のテーマ曲なんだ。」なんて語っていましたしね。
いや~、それにしても名曲のオンパレードです、このアルバムは...。
「Stand!」、「I Want to Take You Higher 」、「Everyday People 」...素晴らしいっすね!
基本はファンクと言うかR&Bと言うかソウルと言うか、なんですけど、あんまりドロドロしていなくて洗練されていますよね。
つまりあんまり黒人的な部分を押し売りしていないと言うか...。
モータウンが白人の層に受けるように音楽を作っていったのとは違い、とても自然な感覚で白人的なメロディを取り入れていると思います。(メンバーに白人がいるというのとはまた意味は違うと思いますが...。)
モータウンの時から進歩したんですね。
意識として白人と同等或いはそれ以上の立場に立つ事によって、自然と受け入れられるようになるんだと思います。

2曲目の「Don't Call Me Nigger, Whitey」と言う過激なタイトルの曲でも、それに反して中立的なスライの意識を感じる事が出来ます。

Don't Call Me Nigger, Whitey
Don't Call Me Whitey, Nigger

と黒人からの一方的な不満をぶつけているのではなく、冷静になって白人と黒人両者の立場を彼は見つめているんですね。
突き詰めると、憎むべきは相手ではなく、人間が持つ憎悪だとか偏見だとかに矛先が向けられてさえいるようにも感じます。

それは1曲目の「Stand!」でも感じられます。

There's a midget standing tall
And the giant beside him about to fall
Stand. stand, stand

They will try to make you crawl
And they know what you're saying makes sense and all
Stand

ここで歌われている「the giant」とか「They」と言うのは、僕には権力だとか、さっきも言ったように人間ひとりひとりが持つ憎悪だとか偏見だとかの事で、それに対して「立ち上がれ!」とスライは言ってるのではないかと思えるのです。
そしてそれを解決に導くのは「Love & Peace」と言う、当時のヒッピー文化に象徴される若者のの思想だと信じていたのではないでしょうか。

スライ&ファミリー・ストーンがその後の音楽に大きな影響を与えたのは僕が言うまでもないんですが、今回聴いていて意外な発見と言うか、僕がただ知らなかっただけと言うか、5曲目の「Sing a Simple Song」がもろトーキングヘッズじゃないかと思ったんですね。
リズムの構成の仕方とか、デヴィッド・バーンはこのアルバム聴き込んだんじゃないかな~って思いました。

このアルバムを締めくくるのが「You Can Make It If You Try」と言う、ジミー・クリフの「You Can Get It If You Rally Want」を思い出す曲ですが、この思いはある意味昨日の大統領就任式で実を結んだ事になるんではないでしょうか。

そしてスライの発したメッセージは嘘でなかったと...。


2009/1/17

この間ラジオのニュースを聞いていたら、何ともコメントしようのない事件を報道していました。
自分の子供にアドルフ・ヒトラーと名前をつけた親がいて(確かニュージャージーだと思います...。)その子の誕生日のケーキに名前を入れるのを、ケーキ屋さんから拒否されたと言う事件でした。
う~ん、子供にヒトラーと名付けた事自体、よくまあ受理されたな~という気がするんですけどね。(日本では子供に「悪魔」と名付けようとして受理されなかったんじゃないですっけ...。)
未だにネオ・ナチは存在するんでしょうね。
でなければ冗談でも付けない名前でしょう、これは...。

このニュースは僕にはあまりにもタイムリーだったんです。
というのは偶然にもついこの間まで読んでいた本がフレデリック・フォーサイスの「オデッサ・ファイル」と言う小説で(ジョン・ヴォイト主演で1970年代に映画化もされましたね。)、ナチス親衛隊(SS)の残党を救済する組織「オデッサ」を描いたフィクションとノン・フィクションの入り混じったようなサスペンスだったからなんです。
この小説ではナチが如何に卑劣で臆病者の集団であったかを描いてもいるんですが、同時にその後始末をドイツ国民がその責めを負わされた事も描かれていました。
ある一部の気狂い集団によって行われた史上最悪の残虐行為。
ドイツと言う国が負わされた過去はこの後も消える事はないでしょう。

そんな重く暗い過去を背負ったドイツから出てきたグループ、タンジェリン・ドリームの1975年の作品を引っ張り出してきました。

1. Rubycon, Part One – 17:18

Composed & played by -
Edgar Froese: Mellotron/Guitar & VCS 3 Synthesizer;
Christopher Franke: Double Moog Synthesizer/Synthi A/Organ/Modified Elka Organ & Prepared Piano;
Peter Baumann: Organ/Synthi A/E-Piano & Prepared Piano

2. Rubycon, Part Two – 17:35

Composed & played by -
Christopher Franke: Double Moog Synthesizer, Gong/Synthi A/Organ;
Edgar Froese: Organ/Mellotron/Guitar/Gong/VCS 3 Synthi;
Peter Baumann: E-Piano/Organ/Synthi A Voice/ARP 2600

この人たちはプログレッシヴ・ロックの文脈で語られる事が度々ありますけど、電子音楽と言った方がニュアンスが近いでしょうか。
メロディとリズムで音楽を作っているのではなく、音のコラージュによる「音楽」と言うより「音世界」を構築しています。
大分音作りの面でピンク・フロイドの影響を感じますけど、根本的にロックを鳴らそうとしているフロイドとロックを拒否しているような性格のタンジェリン・ドリームでは土台が全く違っているように思えます。
人の持つ暗澹たる狂気に入り込んでトリップをしているような、暗く、重く、ある意味、悲しく、美しい、...そんな部分での共通項はあるようにも思えますが、またちょっと違った特異で非常に謎な世界です。
恐らくこのグループのメンバーは所謂「戦争を知らない子供達」なんだと思いますが、自分の国で起こった悲劇が彼等の精神に深く影を落としていたんではないかと思います。
実際小説「オデッサファイル」題材にされているロシュマンという残虐なナチ収容所長が南米パラグアイで心臓発作で死亡したのは1977年で、このタンジェリン・ドリームのアルバムより後な訳です。
この頃までドイツではSSと言う過去が引きずられていたのでしょう。

このアルバムのタイトル「ルビコン」は、イタリアにあるルビコン川《 Rubicon 》(古代ローマ共和政時代に、属州ガリアとイタリアとの境をなした川。ラベンナ付近でアドリア海に注ぐフィウミチーノ川に比定される。前49年、ポンペイウスとの対決を決意したシザーが「賽(さい)は投げられた」と叫び、元老院令を無視して渡河したという故事で知られ、重大な行動に出るたとえとして「ルビコンを渡る」と用いられる。「Yahoo辞典より引用」)の事かと思っていたんですが、スペルがちょっと違うんですね。
では、何のことなんでしょう????

やはり「謎」な世界です。


2009/1/12

うげぇ~っ、今年初の駐車禁止のチケットを切られてしまいました。
いや~、またこれが凄い嫌なオマワリだったので思いっきりムカついてしまいました。まだまだ自分は悟りの境地には達していないな~と反省しながら、このフラワー・トラヴェリン・バンド、1971年このアルバムを聴きながら今帰ってきました。

1.  Satori, Pt. 1 5:25
2.  Satori, Pt. 2 7:06
3.  Satori, Pt. 3 10:44
4.  Satori, Pt. 4 11:01
5.  Satori, Pt. 5 7:58


Joe Yamanaka – vocals, harmonica
Hideki Ishima – guitar
Jun Kowzuki – bass guitar, guitar
Joji "George" Wada – drums

日本のロック・ヒストリーに燦然と輝く超名盤ですね。
メロディやリズムに日本人にしか出せない「和」の香りのブレンドを試みて、欧米にはない全くオリジナルな作品になっています。
僕は学生の頃先輩に聴かせて貰ったのが最初でした。
アメリカに来る時、このアルバムは絶対に手に入らないだろうと思い、カセット・テープにレコードを録音して持って来ましたが、今になって、ここアメリカでもあちらこちらでこのアルバムを見かけることがあります(イースト・ヴィレッジのCD屋に大々的にディスプレイしてありましたし、アマゾンでも買えます...。)
しかしながら彼らをジャパニーズ・ブラックサバスと紹介しているのは、僕はちょっと違うんではないかな~と思うんですね。(影響は勿論あったんでしょうけど...。)。
う~ん、まあ、言いたい事分かるんですけど~、

この当時、ロックを英語でやるべきか日本語でやるべきかと言う論争が日本であったようですね。
英語でやるバンドの代表格がこの「フラワー・トラヴェリン・バンド」で、日本語でやるバンドの代表格が「はっぴいえんど」だったのでしょうか?
僕はその昔、ロックは英語でやるべき派に属していたと思います。
ロックはアメリカで生まれた(そしてイギリスで育った)音楽なので、その国の言語で(つまり英語)でやるのが当たり前だと単純に考えていたんですね。
またその方がカッコいいような気もしていました。
今日本でも演歌を歌うアメリカ人歌手がもてはやされているようですが、彼は当然日本語で歌っている訳です。
演歌は日本のものですからね。
もし彼が英語で歌っていたら、あんまりレコードも売れないでしょう。
ただもし彼が祖国アメリカへ帰ってこの歌を売り込もうと思ったら、当然英語に変えて歌わないと相手にしてもらえないので録音しなおす事になるでしょう。
つまりこれって言うのは、単にどっちの国の聴衆を対象にして歌うかで変るだけの話で、ロックは英語で歌わなければロックじゃないと言うようなロック哲学の話とは違っているんじゃないかと思うわけです。
今現在の僕の考えは...日本語でも英語でもどっちでも良いんじゃない...というのが正直な感想です。

自分のやりたいようにやる。
これがロックの基本姿勢ですから...。

結果的にフラワー・トラヴェリン・バンドもはっぴぃえんども自分たちのやりたいようにやって、素晴らしい作品を世に送り出し、こうやって日本のロックの歴史を築いていったわけです。

「Satori, Pt. 2」でジョーが

There is no up or down
Your truth is the only master

とまさしく歌っているように
上とか下とか、良いとか悪いとか、売れるとか売れない、じゃなくて、自分の中の真実に従ってやって行きましょうよ、と言う事なんだと思います。

ただ僕個人的には、英語と日本語のミックスでやっている歌謡曲的ロックなノリは好きになれませんので、是非やめてもらいたいと思っています。

ところで、全然知らなかったんですが、先月再結成したフラワー・トラヴェリン・バンドがニューヨークのニッティング・ファクトリーでライブを敢行していたんですね~..。

知らなかった~...見逃した~...。

あ~あ、残念。


2009/1/5

今年はアメリカの大統領も代わり、彼の掲げる「変化」の年でありますね。
また世界的景気の悪化に伴い、自分を含め多くの人たちが「変化」を余儀なくされる状態にもなりつつもあります。
ですので、僕自身は自分の中で色々な変化に対応できる柔軟な姿勢を持ちたいですし、また能動的に色々な面での変化を希求して行こうと思っています。

そう言う想いも込めて 、今年の聴き初めはちょっと趣向を変えてジャズにしました。
ジャズについては全然詳しくないんですが、僕はたまにロック以外のものを聴きたくなるときがあるんですね。そういう場合に備えてジャズとかブルースのアルバムは多少揃えております。(クラッシクはあまりないんです...。)

で、何にしようかと...思った自分の目の前のCD棚にあったのが、このオーネット・コールマンの1968年の作品でした。

1. Airborne 10:27
2. Check Out Time 8:20
3. Check Out Time (Alternate) 7:55
4. Open To The Public 8:03
5. Love Call 8:43
6. Love Call (Alternate) 5:30
7. Just for You 4:12

Ornette Coleman (as, vln) Dewey Redman (ts) Jimmy Garrison (b) Elvin Jones (d)
A&R Studios, NYC, April 29, 1968
and
A&R Studios, NYC, May 7, 1968

フリー・ジャズの範疇に入るんでしょうか?
多少音を壊そうとしているようにも感じますが、同時に何か構築しようとしてるようにも感じる作品ですね。

ジャズにしてもロックにしても、或いは世の中に存在する色んな事にも共通して言えると思うんですが、何か新しいものが生まれると人はそれを構築していき、ある様式を確立させてその鋳型にはめながら量産するようになっていくんだと思うんです。
しかしある程度の時間に伴い、人は新しいものを作り出す欲求、つまり「変化」を求めるようになるんですね。
そしてそこに起こるのは、ある種の破壊行為。
既存のものを壊す事によって、新たな価値観を生む可能性を模索するんですね。
僕にとってフリー・ジャズと言うのは、そんな位置にあるムーヴメントだと解釈しています。
ロックで言えば、パンクに近いかもしれないですね。
芸術家にとって一番危険な事の一つに、固定観念と言うのがあると思うんです。
芸術って言うのは、こう言うもんだ!って言う固定観念が、作品の発育を止めてしまう可能性があるんですね。
ジャズにおいては、こう演っても良いし、ああ演っても良いじゃない...って言う考え方でないと、形式ばかりが重要視されてしまって、自由な発想と言うものがどんどん退化していってしまうと思うんです。
やはり、1回壊してみないと...。
しかし世の常なんですが、今度は壊した側が様式化されていってしまうんですね。
そしてその鋳型が作り出され量産されていく...。
フリー・ジャズが出来た後に音楽をまともに演奏できないド素人が適当に演奏して、「これがフリー・ジャズだ!」って主張したって話を聞いた事がありますが、それはフリー・ジャズが様式化されたために起きるべくして起こった弊害だと思います。
壊した後に構築しながらも常に変化をし続ける(冒険をし続ける...。)と言う態度が求められていたんじゃないでしょうか...。

アルバム「フリー・ジャズ」で、ダブル・クァルテッド(...でしたっけ?)と言う自由な発想を元にフリー・ジャズをスタートさせたオーネット・コールマンの情熱と言うのは、厳しい気配の漂う今年1年の我々の生活に、ある可能性を見出ださせてくれそうな気がします。
2009/1/1

明けましておめでとう御座います。
今年も当ブログを宜しくお願いいたします。

2008/12/31

ニューヨークは雪が少しづつ積もり始めています...。
ホワイト・ニュー・イヤーズ・イヴ&ニュー・イヤーになるのでしょうか。

お蔭様で今年一年間無事に生きてこれました。
来年も地道にブログを更新しながら楽しく生きて生きたいと思いますので、皆さんよろしくお願いいたします。
大した抱負などはないのですが、今年は音楽活動が殆ど静止状態だったので、来年はもっと活発に活動できたらな~っと思っています。

では、良いお年をお迎え下さい。   


2008/12/28

クリスマスも過ぎ、後数日で今年も終わりますね。
あ~、何とも月日が経つのは早いこと!(毎年、と言うか毎度嘆いておりますが...。)
何にも考えずに生活しているので、今年はクリスマスカード(と言うか僕の場合、クリスマス・メール)を出すのを忘れてしまいました。
そして子供たちへのクリスマス・ギフトは家内に任せっぱなし...。(毎度のことなんですが...。)
いや~、でも子供たちって、彼らの認識として、クリスマスって言うのは単にギフト・デイでしかないんじゃないかな?って感じるんですよね。
まあ、クリスチャンの人達はそこらへんの教育はちゃんと受けているんでしょうけど、それ以外の人達はね~...。
しかしながら、年に一度のギフト・デイ(いや、日本ではお正月のお年玉がありますし、誕生日なんていうのもあるか...。)で幸せな気分を味わえることが出来るなら、あまりごちゃごちゃとクリスマスの教義を理解する必要もないんではないかとも思います。
ギフトをもらうほうも、ギフトを送るほうも、何だか幸せな気分になれるじゃないですか。
こういう気持ちって、大切だと思うんですよね。
ただ世界中では、こんな単純明快なことすら叶わない人達が多くいるのも事実なんですけど...。

で、今日はザ・ジャムの1982年彼らの残した最後のスタジオ・アルバムで、僕は彼らの最高傑作だと思ってる、この名盤です。

All songs by Paul Weller except where otherwise noted:

1. Happy Together – 2:51
2. Ghosts – 2:11
3. Precious – 4:13
4. Just Who Is the 5 O'Clock Hero? – 2:15
5. Trans-Global Express – 3:59
6. Running on the Spot – 3:06
7. Circus ( Foxton) – 2:11
8. The Planner's Dream Goes Wrong – 2:19
9. Carnation – 3:28
10.Town Called Malice – 2:55
11.The Gift – 3:08

このアルバムが発売された当時は僕はまだ高校生だったんですけど、中学時代の友達にジャムの大ファンがいた影響で、このバンドには少し興味を感じていたんですね。
そしてある晩、ロック評論家の渋谷陽一氏のラジオ番組で、当時僕が期待していたバンド、「エイジア」(その時は未聴だったのでプログレな音を期待していた。)のオンエアがると言うので、ラジオにかじり付きになって聴いていました。
ところが、この番組で最初にかかったのは実は当時ジャムの新作だったこのアルバムの方だったんですね。(最初は「Circus」だったかな?)
聴いていた僕は、「なぬっ?何じゃこりゃ?これがエイジア?全然プログレじゃないじゃん。」とかなり悲劇的な落胆をしたのを覚えています。(そりゃそうだ...。)
しかしながら、番組を聴き進めるうちにこれがエイジアではなくジャムだったことを知り、ほっとしたんですね。(この落胆が大きかったせいか、実際のエイジアの曲がかかって、そのプログレとはかけ離れた彼らのポップな方向性への落胆がなかったのは幸いでした。笑、)
でも、この「何じゃこりゃ?」と言うジャムの新作に感じたインパクトが大きかったんですね。
その時にエアチャックしたテープを僕は何度も繰り返し聴いていて、その後なけなしのお金をはたいてこのアルバムを購入したんです。
その後は聴きましたね~このアルバム。
メロディが明快になった上、ブラスなどの大胆な導入など、一応ロンドン・パンクの代表的バンドのひとつとして活躍していたジャムにしては、疾走感の減退という負の印象もファンの間ではあったかも知れませんね。
これは実際、ポール・ウエラー自身も「Running on the Spot 」の歌いだしで

I was hoping we'd make real progress -
But it seems we have lost the power

言わば認めているんですね。
しかし、以前にエルヴィスの記事で言及しましたけど、ビートルズにしてもゼップにしても、疾走し続けたバンドがある地点から音楽的成熟が始まると、それをバンドのパワーの減退或いは軟弱化ととる人がいると思うんですけど、僕は少し違うと思うんです。
これは単にパワーの質の変化なんだと思うんですね。
ジャムもこのアルバムではそんな自体が起こっていて、バンドとして本当の意味でプログレスしていたんだと思うんですが、それが結果的にバンドの存続を絶ってしまったのはパンク・バンドとして活躍していた(僕はパンクだと思っていないんですけど...。)彼らの宿命だったのでしょうか。
ポール・ウエラー自身、そんな自分の置かれた状況に苛立ちや悩み、疑問、を抱えていたのかも知れないですね。

Why are you frightened - can't you see that it's you
That ain't no ghost - it's a reflection of you
Why do you turn away - an' keep it out of sight
Oh - don't live up to your given roles
There's more inside you that you won't show

2曲目の「Ghosts」の歌いだしもそんな自分自身を歌ってるみたいに聴こえるんですね。
人に与えられた役割(彼らにしてみれば、パンク・バンドとしてのジャム。)を幽霊みたいに生きるんじゃなく、もっと何か自分自身の中にあるものがあるんじゃないか?と問いかけているようです。

このアルバムは10曲目「Town Called Malice 」というシングル・ヒットを含む、今聴いても色あせることのない名曲のオンパレード。
本当に凄い作品だと思います。

いや~、素晴らしい。

Move - move - I've got the gift of life
Can't you see it in the twinkle of my eye
I can't stand up and I can't sit down
I gotta keep movin' - I gotta keep movin'

生きていること自体が、ギフト(贈り物)なんだ。
止まってる暇はない、動き続けろ!
と歌っていたポール・ウエラーのこのメッセージは、この一年の終了を間じかに控え、新しい年へのぞむ自分自身への反省を促しながらも希望へと導いてくれる、素晴らしいギフトだと感じました。
プロフィール
HN:
Euge
性別:
男性
趣味:
夢想、妄想、ナチュラル・ハイ
自己紹介:
ジョン・レノンから影響を受けた、
自称、シンガー・ソングライター...。
今日もニューヨークのアストリアで白昼夢。
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