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2009/1/21

皆さんご存知の事と思いますが、昨日はアメリカ合衆国にとって歴史的な一日だった訳です。
ついに初の黒人大統領が誕生したんですね。
僕も車のラジオで就任式の様子を聞いておりましたが、肝心の大統領スピーチの途中でトンネルに差し掛かり聞こえなくなってしまいました。
なんじゃそりゃ...。
いや~、それにしても感心したと言うか、驚かされたのは、中学校へ通う息子も小学校へ通う娘も学校で大統領の就任式を見たんですね。
う~ん、この国では政治と言うものが別世界のことではなく、日常のものとしてちゃんと教育されているのだな~と改めて思い知らされました。うちの娘など、学校から帰宅して自発的にオバマ大統領の絵を描いておりましたし...。
とても大切な事です。

と言う事で、本日はスライ&ファミリー・ストーンの1969年のこの名盤を聴いておりました。

1. Stand! – 3:08
2. Don't Call Me Nigger, Whitey – 5:58
3. I Want to Take You Higher – 5:22
4. Somebody's Watching You – 3:20
5. Sing a Simple Song – 3:56
6. Everyday People – 2:21
7. Sex Machine – 13:45
8. You Can Make It If You Try – 3:37

いや~、これを聴いていてつくづく思ったんですが、オバマ大統領の誕生は今突然起こったのではなく、長い歴史を経てやっと到着し、そして始まった事なんだな~と...。
そして当時「立ち上がれ!」と叫んだスライのメッセージもその歴史の中で人々に勇気を与えていたのではないかと...。
実際昔僕が時々ジャムっていた黒人の友達は、このスライの「Stand!」は「自分の人生のテーマ曲なんだ。」なんて語っていましたしね。
いや~、それにしても名曲のオンパレードです、このアルバムは...。
「Stand!」、「I Want to Take You Higher 」、「Everyday People 」...素晴らしいっすね!
基本はファンクと言うかR&Bと言うかソウルと言うか、なんですけど、あんまりドロドロしていなくて洗練されていますよね。
つまりあんまり黒人的な部分を押し売りしていないと言うか...。
モータウンが白人の層に受けるように音楽を作っていったのとは違い、とても自然な感覚で白人的なメロディを取り入れていると思います。(メンバーに白人がいるというのとはまた意味は違うと思いますが...。)
モータウンの時から進歩したんですね。
意識として白人と同等或いはそれ以上の立場に立つ事によって、自然と受け入れられるようになるんだと思います。

2曲目の「Don't Call Me Nigger, Whitey」と言う過激なタイトルの曲でも、それに反して中立的なスライの意識を感じる事が出来ます。

Don't Call Me Nigger, Whitey
Don't Call Me Whitey, Nigger

と黒人からの一方的な不満をぶつけているのではなく、冷静になって白人と黒人両者の立場を彼は見つめているんですね。
突き詰めると、憎むべきは相手ではなく、人間が持つ憎悪だとか偏見だとかに矛先が向けられてさえいるようにも感じます。

それは1曲目の「Stand!」でも感じられます。

There's a midget standing tall
And the giant beside him about to fall
Stand. stand, stand

They will try to make you crawl
And they know what you're saying makes sense and all
Stand

ここで歌われている「the giant」とか「They」と言うのは、僕には権力だとか、さっきも言ったように人間ひとりひとりが持つ憎悪だとか偏見だとかの事で、それに対して「立ち上がれ!」とスライは言ってるのではないかと思えるのです。
そしてそれを解決に導くのは「Love & Peace」と言う、当時のヒッピー文化に象徴される若者のの思想だと信じていたのではないでしょうか。

スライ&ファミリー・ストーンがその後の音楽に大きな影響を与えたのは僕が言うまでもないんですが、今回聴いていて意外な発見と言うか、僕がただ知らなかっただけと言うか、5曲目の「Sing a Simple Song」がもろトーキングヘッズじゃないかと思ったんですね。
リズムの構成の仕方とか、デヴィッド・バーンはこのアルバム聴き込んだんじゃないかな~って思いました。

このアルバムを締めくくるのが「You Can Make It If You Try」と言う、ジミー・クリフの「You Can Get It If You Rally Want」を思い出す曲ですが、この思いはある意味昨日の大統領就任式で実を結んだ事になるんではないでしょうか。

そしてスライの発したメッセージは嘘でなかったと...。
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無題
スライの歌詞を考えたことはあまりよく見たことがなかったのですが、とてもかっこいいんですよね。
ウッドストックでの「I Want to Take You Higher 」のシーンは、本当になにかをなしとげたそんな一体感というか・・・。
一瞬の幻影だったとは思えない輝きがありました。
黒人の大統領が誕生するそんな時代にようやくなったんですよね。
ryoutaro 2009/01/22(Thu)19:55:44 編集
Re:無題
時代が時代だっただけに、強いメッセージが歌詞の中に織り込まれているように僕は感じます。
ウッドストックでの彼等の演奏は凄まじかったですね。

スライ最高!!
【2009/01/23 02:08】
激反応!
スライ、好きです!
(といっても家にはCD一枚しかないのですが、テヘヘ)

日本で大学生だった頃によく聞いていました。
eugeさんの記事に刺激されて、昨日はお洗濯トリップのとき、iPodでスライをずっと聞いていました。
洗濯たたみながら
ずずずっちゃ、ずずずっちゃ
となかなか楽しいひと時でありました。

今聞くと歌詞の意味が訳さなくてもわかる!というのが新鮮でした。笑
しゅうこ 2009/01/23(Fri)05:49:54 編集
Re:激反応!
どうも有り難うございます。
嬉しいですね、記事を読んで聴いていただいて。

いや~、スライ、カッチョ良いですよね~...。
しゅうこさんはプリンスのファンだと言っていましたが、プリンスはもろにスライの影響を受けたアーティストですもんね。
後の影響力の大きさを思い知らされます。
【2009/01/24 02:31】
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