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2008/5/14

随分と前になりますが、家内が携帯用のDVDプレイヤーを買ってきてくれたので仕事の待機時間にDVDを見ることが出来るようになりました。
で、ついこの間レッド・ツェッペリンの1973年のMSGでのライブの模様を収めた映画「The Song Remains the Same」を借りて久しぶりに観ました。
映画自体はライブから3年後の1976年に公開のようですね。
この映画は中学生の頃友達数人でリヴァイバル上映を観に行ったのが最初でしたが、あれは自分にとってツェッペリン信者になる決定打となりました。
その後この映画は再び映画館で観ましたし、ビデオでも何度も観ましたが、今回改めて観直して改めて感じたのは、これは単にレッド・ツェッペリンのコンサート・フィルムをまとめたものではなくれっきとした映画になっているということでした。
今で言うMTVのようにツェッペリンのメンバーがけなげにも演技?などをして数曲でイメージ映像を作り上げライブ演奏に合わせて挿入してるのは勿論映画的ですが(ロバート・プラント=“The Song Remains the Same”, “The Rain Song”, ジョン・ポール・ジョーンズ=“No Quarter”ジミー・ペイジ=“Dazed and Confused”、ジョン・ボーナム=“Moby Dick”) 、ドキュメントの中にも映画的狙いが見れる箇所がいくつか感じられたんですね。
映画はメンバーがそれぞれの自宅で家族等と静かに過ごしている姿を見せるんですね。都会の喧騒から離れた自然の美しい土地で彼らは暮らしています。
そこへツアーの予定を知らせる手紙がそれぞれに届きます。(ロバート・プラントなどはあまりハッピーな態度でない印象を受けましたが、ジョン・ポール・ジョーンズは冗談交じりっぽく嬉しそうにしています。両者ともこれは演技であるのは間違いないと思います。)
そして次の瞬間画面はNYに着いたジェット機から降りてくるメンバーの姿を映すのですが、飛行機を降りたとたんにジミー・ペイジが咳をするんですね。
このシーンを見たとき、あれっ、これって演技かな~?と思ったんです。
自然の中で綺麗な空気を吸って生活していたメンバーがツアーのために空気が汚い都会に連れて来られて、「堪りませんよ、僕等は~。」みたいな....。
或いは単に空気の汚い「都会に着いた」と言う事の表現か...。
兎に角このシーンに映画的作為を感じて、これは単なるライブ・ドキュメンタリー・フィルムではなく、レッド・ツェッペリン主演の映画なんだな~と言うのを改めて思った次第だったんです。
(ただ実際映画制作者側にそういう意図があったかどうかは知りません。)
あと、ホテルでディポージットしていたツェッペリンのライブの売上金が盗まれると言うニュースを演奏にかぶせてくるんですが、その演奏曲が「Heartbreaker」と言うのがまた映画的な編集だな~とも思いました。
ツェッペリンの圧倒的なライブ演奏の映像もさることながら、この映画的な編集があってこそ何年も見続けて飽きが来ない作品になってるのかな~と感心しました。

このDVDは2枚組になっていて、1枚目はオリジナル映画、そして2枚目にニュース・フィルムやインタヴューそしてこのコンサートからのアウト・テイクの映像が納められているのが堪りません。
祭典の日」はサントラの方には入っていましたが、「Over the Hills and Far Away」、「Misty Mountain Hop」と「The Ocean」の映像は嬉しいです。
特に「The Ocean」は何故にアウト・テイクになってしまったのか不思議に思うくらい素晴らしい演奏をツェッペリンは見せてくれます。

中学生の頃は、ただただジミー・ペイジのメチャクチャカッコいいノリノリのギター・プレイに見とれていたものですが、こんな風な映画の見方もしていませんでしたし数々のアウト・テイクの存在も知らずにいたんですね。

う~ん、長生きはするもんです。
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2008/5/10

先日10年位前に一緒にバンドをやっていた友人から突然電話がありとても驚いたんですが、それが彼の新しいバンドへのお誘いだったので更に驚かされました。
う~ん、彼はあのバンドを辞めてからひたすらにバンド活動を続けていたのか~...。
しかしながら僕の今の生活環境では定期的なバンド活動をするのは困難なので、自分の今の事情を伝えて今度時間があるときに彼らのリハーサルを観に行く事にしました。
実際のところ僕のベース・ギターも数年の間ケースに入りっぱなしという状況ですし...。

う~ん、バンドか~....。

そんなこんなで、先日久しぶりにブロックバスターへ行って、いつか観ようと思っていて観ていなかった2003年のこのアメリカ映画を借りてきました。

「School Of Rock」

本当の所はスティーブ・マックイーンの「栄光のル・マン」か、ウッディ・アレンの「スリーパー」という古い映画を借りようと思っていたんですが、懐古主義的な自分の映画の趣味を今回は変えてみようかな~と思った時にこの映画が目に入ったので即決しました。
この作品は典型的なハリウッド映画で映画の途中でだいたい展開が見えてしまっていたんですが、それでも楽しめると言う何となく「水戸黄門」を観ている様な安心感なのでしょうか?そんなものを感じました。
ただ僕のようなロック親爺を作品に引き込んでいくようなシーンはあちらこちらに散りばめられています。
偽非常勤講師として学校に潜入した主人公が生徒達に宿題としてロックのCDを渡すシーンなどまさにそれで、僕など「お~っ、そのCDを渡しますか~?僕だったらそれじゃなくあれを渡すかな~。」など思いながらも思わず顔がほころんでしまいました。
主人公のジャックはぱっとしないローカル・バンドをやりながらまともに収入のない堕落した生活送っていて、家賃も元バンド・メンバーで非常勤講師として生活しているルーム・メートにおんぶに抱っこ。
ルーム・メートはジャックに「夢を見るのも良いけど、現実に目を向けないと...。」と言いジャックは「俺はロックが好きなんだ。これを辞めることは出来ないんだ。」と言います。
僕は両者の言う事にそれぞれ一理あると思えるのですが、結局の所人生と言うのは当然のことながら人それぞれで、色々な生き方があって何が正しい何が正しくないとは決して言えないという事なんだと思います。

この映画を観終わって僕は久々にベース・ギターを手にとってみました。
うん、うん、この重み。
これだったな~。
なんて思いながらも、まずは錆びきった弦を交換しないことには...。

あ~、でも弦を買いに行くの面倒くさいな~。





2008/5/3

以前の仕事でニューヨーク州はロチェスターとうい街へ月に1回出張へ行っておりました。
NYCとは違い何も無いところでしたが、時間の流れが物凄くゆっくりしていて自分的には好きでした。
何となくロチェスター辺りでは家はいくら位するものか当時調べていましたら、おやま~、こんなにも安いものかと、驚き、桃の木、山椒の木。
その時ネットでレジスターした不動産屋からちょくちょくダイレクト・メールが届きますが、上の写真の物件は今日来たもの。

4ベットルームで2バスルーム。





リヴィングはこんな↓



キッチン↓ 



でパティオ...



金額は驚きの$93、900。
日本円で約1千万。

って、私は何でこんな紹介してるのでしょう?不動産屋の回し者?


う~ん、確かに不動産は安いんですけどね~。
もう既に述べたように、何も無いんですよね、ロチェスターは...。
手に職のない私には仕事もないって言う事なんです...。


2008/4/25

今週は公立の学校が休みだったので、月、火、とコネチカット州のミスティックという街へ家族で旅行へ行ってきました。
ニューヨークから車で2時間半の所にあるこの街は、ハンフリー・ボガートとローレン・バコールが1945年に新婚旅行で訪れた事で有名らしいです。(...って、僕は知らなかったですけれど...。)
平日だったので多少の渋滞に巻き込まれましたが、大体予定通りに街に到着。
ホテルにチェック・インするまで、近くにあるショッピング・ヴィレッジへ...。



特に何があるわけでもなかったですが、天気も良かったのでぶらぶらと店を見て歩くのはそれなりに楽しめました。

宿泊はは川沿いにあるThe Steamboat Inn というホテルでした。
メイン・ストリートにあるので歩いていろいろ行けるのはとても便利です。


(部屋からの眺め)

部屋にはジャグジーがついていたので、のんびりとお湯に浸かれてリラックス出来ました。



翌日は近くにあるネイチャー・センターのトレイルへ。
折角都会から離れたのだから自然に接する機会は欲しいものです。



いや~、やっぱり知らない土地へ旅行するのは良いものですね。


2008/4/24

今週の頭に誕生日を迎えて、「時の流れ」を感じずにはいられない今日この頃です。
そして先日から「時の流れに」と邦題がつけられたポール・サイモンの1975年のこの名盤を聴いていました。

1. Still Crazy After All These Years
2. My Little Town
3. I Do It For Your Love
4. 50 Ways to Leave Your Lover
5. Night Game
6. Gone at Last
7. Some Folks' Lives Roll Easy
8. Have a Good Time
9. You're Kind
10. Silent Eyes

このアルバムは僕が前回ブログにアップしたアート・ガーファンクルのアルバムと対になっている作品ですね。
ここでは2曲目にアートとの共演を果たした「My Little Town」が収録されています。

僕は1曲目の名曲「Still Crazy After All These Years」と2曲目の「My Little Town」に連なる流れを聴いていると...

I met my old lover
On the street last night
She seemed so glad to see me
I just smiled
And we talked about some old times
And we drank ourselves some beers
Still crazy after all these years
Oh, still crazy after all these years

と歌われている「my old lover」って、アートの事だったのかな~、なんて思えてしまうんですね。
ニューヨークのどこかでアートと久しぶりに会ってビールを飲みながら昔話に花を咲かせているうちに、「また一緒にレコーディングでもしようか?」と言う話になって「My Little Town」が実現したんではないかと...。
ポール・サイモンは天才的なシンガー・ソング・ラーターでアート・ガーファンクルはそれにハーモニーを加えるだけのシンガーと思いがちですが、実はそう言った音楽的な部分以上に「人」としてのお互いに触発する部分がこの2人の間には存在したのではないかと思います。
ですからポール・サイモンにとってはどんな音楽家よりもアート・ガーファンクルは気になる存在だったのでしょう。
いや~、それにしてもこの表題曲は素晴らしい。
ジャズ・フュージョンのテイストを散りばめている曲ですが、色々な過去の想いが走馬灯のようにめまぐるしく駆け巡る様子が中間の伴奏で見事に表現されています。
ちょっとしたきっかけで自分の辿ってきた道を振り返ってみて、今自分の立っている場所を見てみる...
そして思うのは

Still crazy after all these years

なんですね。
自虐的な皮肉なのか、諦めなのか、或いは自分自身の確信なのか...。
様々な思いが絡み合う不思議な感情が歌われていると思います。

そして名曲「My Little Town」。
ポールとアートの少年時代を懐かしんだ朗らかな曲と思いきや、その全く逆と言っても良い様な諦めに似た思いがあります。

Coming home after school
Flying my bike past the gates
Of the factories
My mom doing the laundry
Hanging our shirts
In the dirty breeze

And after it rains
Theres a rainbow
And all of the colors are black
Its not that the colors arent there
Its just imagin-ation they lack
Everythings the same
Back in my little town
Nothing but the dead and dying
Back in my little town

アメリカと言うのは日本で思う以上に貧富の差っていうのが存在するんです。中にはアメリカン・ドリームを掴み取り成功する人もいるんですが、大多数の人はこの dirty breeze の吹く my little town で死人のようになって生きているのが(変な表現かな?)現実なんですね。
ただここでポールは「虹の色がその街で黒く見えるのは、そこにある現実の色ではなく、想像力の欠如なんだ。」と言っている訳です。
ジョン・レノンも「イマジン」で歌った「想像力の力」。
人類はこの「想像力」をもって進歩してきた訳で、この欠如が人の生活を困難にしてるんだと思います。逆に言えば「想像力」をもってすれば my little town も虹の都になり得るというヒントがこの歌の中には隠されているようにも思えるんです。

このアルバムでは超一流のスタジオ・ミュージシャンがサポートしているんですが、その中でもスティーブ・ガットの「50 Ways to Leave Your Lover」のドラムは名演のひとつでしょうね。
下手すると曲自体よりこのドラムの方が記憶に残りそうです。

「Have a Good Time」で

Yesterday it was my birthday
I hung one more year on the line
I should be depressed
My lifes a mess
But Im having a good time

と歌われているのは、この間誕生日だった僕自身とダブって妙な気持ちになりました。
"I should be depressed"なんですが、”Im having a good time”なんですね。

このアルバムはアート・ガーファンクルのアルバムが「朝」の爽やかさを感じさせたのとは逆に、「夜」の静けさがアルバム全体を漂っています。
「朝」と「夜」。
逆のものと言うのは実は「1対」であることの証明なんですね。



2008/4/20

この間ひょんな事から陸上競技で使われる「フライング」と言う言葉を調べましたら、どうもあれは和製英語っぽいんですね。
実際には premature start とか breakaway が使われるようなんですね。

「breakaway」か~...。

で、ふっとアート・ガーファンクルのこの1975年のセカンド・アルバムを思い出しまして聴いていたら可也はまってしまいました。

1. I Believe (When I Fall In Love It Will Be Forever
2. Rag Doll
3. Break Away
4. Disney Girls
5. Waters Of March
6. My Little Town
7. I Only Have Eyes For You
8. Looking For The Right One
9. 99 Miles From L.A.
10. The Same Old Tears On A New Background

実際「breakaway」と言う言葉は、分離, 離脱, 逸脱といった意味がメインで、このアルバムのタイトルもこの意味で使われていると思います。
ポール・サイモンと共にサイモン&ガーファンクルとしてポップ・シーンに大きな足跡を残したわけですが、その成功は曲を書いていたポール・サイモンによるものが大きかったのは事実。
解散してポールはソロを出し成果を上げている中、アート・ガーファンクルは映画「愛の狩人」などに出演したり自分の道を模索していたんですね。
そしてサイモン&ガーファンクルの成功から「分離, 離脱, 逸脱」して自身の道を切り開いていったガーファンクルの意志が、このセカンド・ソロ・アルバムにはこめられているような気がします。
全体には所謂AORっぽいテイストの作品で、ファースト・アルバムのアコースティックな感覚から離れて、深いエコー・サウンドとエレクトリック・ピアノ(フェンダー・ローズ?)で都会に生きる人々を表現しているようです。
そしてアートの美しい声がそれら全ての音に覆いかぶり支配しています。
前作で名曲を提供していたジミー・ウエッブの作品が全くないのが残念ですが、どうしてどうして、素晴らしい曲の数々が収録されています。
1曲目はご存知スティーヴィー・ワンダーの名曲ですね。
ここでは「ゴスペル」から「賛美歌」への移行がなされているように感じます。
へヴィーな部分が取り除かれて、あくまでも「聴き易さ」が優先されているように思えますが、それが失敗になっていないのが素晴らしい。
そしてこのアルバムで一番光を放っているのが、ポール・サイモンとの共演「My Little Town」。
アルバム・タイトルで「breakaway」と言っておきながら、ポール・サイモンとは結局切れてないのね~と突っ込みたくなりますが、逆に言うとS&Gの幻影が吹っ切れたのかもしれませんね。
だから単に友人としてまた一緒にやれたのでしょう。
この曲はポール・サイモンの名作「Still Crazy After All These Years」 にも収録されているんですね。
超名曲です。

退廃的なジャケットとは裏腹に休日の朝に聴くとピッタリくるアルバムです。


4/11/2008

もうすっかり春ですね~。
昨日なんかは夏の気温だったのではないでしょうか。
ニューヨークの長い冬もやっと終わるかと思うと、やれやれと何かが一段楽したような安心した気持ちになります。

今日はそんな穏やかな気持ちをあざ笑うかのような「No Dice」というアルバム・タイトルのバドフィンガー1970年の作品を聴いていました。

 01 . I Can't Take It
 02 . I Don't Mind
 03 . Love Me Do
 04 . Midnight Caller
 05 . No Matter What
 06 . Without You   
 07 . Blodwyn
 08 . Better Days
 09 . It Had to Be
 10 . Watford John
 11 . Believe Me
 12 . We're for the Dark
 
 bonus track
 13 . Get Down
 14 . Friends Are Hard to Find
 15 . Mean Mean Jemima
 16 . Loving You
 17 . I'll Be the One

 サンプル

このアルバムは頻繁に聴いています。
怪しげなお姉さんの挑発的なポーズのジャケットを見てると「無駄な抵抗はやめてロックンロールに屈しなさい」と言われているようで、いつも気持ちをはだけて更にファスナーを開けて音に向かい合っています。(半分嘘)
前作のファースト・アルバム「Magic Christian Music」も可也良いんですが、何処かバンドが役を演じてるような作られた不自然さを感じるんですね。
しかしながらこのセカンド・アルバムからバリバリのバドフィンガー節が炸裂して、生のバンドの姿を見せているように思うんです。
1曲目の「I Can't Take It」などは、音もモコモコして抜けが悪いんですが、「細け~事言ってんなよ、これがロックンロールだぜベイベー!」
と頭をガツンとやられた気分になります。
う~ん、気持ち良いです。
「Love Me Do」のドラムのフィル・インは最高ですね~。
テクニック的には大した事はないのかもしれませんが、この曲のこの瞬間に絶大な効果をもって存在しうる名演中の名演だと思います。
こう言うカタルシスを感じさせるドラムのフィル・インと言うのは意外にシンプルなものが多いと思います。
例えば直ぐに思いつくのがツェッペリンの「天国への階段」のボンゾのフィル・インですね。
そして4曲目の「Midnight Caller」から「No Matter What」、「Without You」の3曲の連なりは可也ヤバイです。
手に汗握り、涙チョチョ切れ、いや~もう昇天です。

「Midnight Caller」は良いですね~。

nobody's gonna help you now.

と見捨てたような言葉で締めくくられるんですが、哀愁漂うメロディの中何故か優しい目がず~っと見ているようで...。
ピート・ハムのソング・ライティング、彼のヴォーカル、ピアノ、とピート・ハム尽くしの1品です。

そしてバドフィンガーの代表曲と言って良い「No Matter What」のイントロが鳴ると、
うがッ~!鳥肌ゾ~ッ!で、脳みその回路がショート!
いや~凄い。
ギターの音、曲の構成、ヴォーカル、曲のメロディ、肯定的で寛大な歌詞...。
もう難癖のつけようがないです。

そしてこの3曲を締めくくる「Without You」はバドフィンガーの曲と言うより、ニルソンやマライヤ・キャリーのカヴァーの方がお馴染みになりつつありますね。
しか~し、僕はこのオリジナル・ヴァージョンは捨てがたいのです。
あまりドラマティックになり過ぎず、実にストレートに感情を表現しているようで心臓をブスりと衝かれます。

でも、なんでこんなにも強力な3曲を繋げてしまったんですかね~?
この強烈3連曲がこのアルバムを決定付けているんですが、逆に言うとこの3曲が強すぎてアルバムのバランスを崩しているようにも思えるんです。
この3曲を通り過ぎると、残りの曲がどうしても色あせて聴こえるんですね。それがちょっと残念です。

アルバム「Magic Christian Music」では随分と気を吐いて頑張っていたトム・エヴァンスですがこのアルバムではペース・ダウンしてるようで「Believe Me」が唯一彼のみの曲なんですね。(共作はありますが。)
この曲はビートルズの「オー・ダーリン」に良く似てるんですが、これってもしかしたらポールがパクッたなんて事はないですよね?
え?似てない?

それにしても、こんなにも素晴らしい作品を残した最高のバンドにも関わらず、評価のあまりパッとしないバドフィンガー。

世間の言う事なんて当てになりませんね。

No Dice!


2008/4/4

此処のところ平均的に気温も暖かくなり春の予感を感じています。
ワシントンDCでは今週末に桜が満開になるそうですね。
一度DCの桜は観に行ってみたいんですが、中々機会に恵まれません。

ここ数日ディランの1973年のこのアルバムを聴いていました。
これはサム・ペキンパー監督による同名映画のサントラ盤です。

1. Main Title Theme (Billy)
2. Cantina Theme (Workin' for the Law)
3. Billy 1
4. Bunkhouse Theme
5. River Theme
6. Turkey Chase
7. Knockin' on Heaven's Door
8. Final Theme
9. Billy 4
10. Billy 7

サンプル♪

ご存知かもしれませんが、この映画にはディランも出演しております。
僕は小学生か中学生の頃テレビでこの映画を観たのですが、脇役で出演していたディランがカッコ良くとても印象に残っていました。(恥ずかしながら、つい今まで主演がジェームス・コバーンだったのを忘れていました...。クリス・クリストファーソンは覚えてましたけど。)

さてサントラですが。
当時は批評家から結構な辛口の評価を得ていたようですが、「いやいや皆さん何をおっしゃるの?」と僕はつっこみたくなるくらいこのアルバムは好作品だと思います。
ボブ・ディランと言えばフォーク時代、ロックンロール時代、カントリー時代と変遷を重ねていった訳ですが、どの時代にも言えるのは、彼は常に偉大なシンガー・ソング・ライターであった事です。
そして今でもディランは、唯一ジョン・レノンと肩を並べる事の出来るソング・ライターであると思います。
しかしながらこのサントラのアルバムではディランはソングラーターと言うより「音楽家」としての側面を見せており、そしてそれは恐らく彼の歴史の中でも殆ど見ることのない部分だと思います。
まあ、つまり簡単に言ってしまえば、ディランの中で最も大きな比重を占める言葉(歌詞)が圧倒的に少なく、アルバム全10曲のうち4曲しか歌がないのはこのアルバム以外にないと言う事ですね。
映画に出演し、また音楽家としての可能性も試した、ディランにとっては自身の探求時代であり、結果的に最も異彩を放った作品として残った訳です。
基本的にディランがアコースティック・ギターをプレイして他の楽器とジャムってる感じですが、いやいや、これが良いんです。
1曲目のギター・サウンドの美しいこと!(タンバリンがまた良いんですね~これが。)
荒野の赤茶けた砂埃のなかにキラキラと落ちてくる太陽の光のような、そんな印象を受けます。
アコースティックでリードを取ってるのはBruce Langhorneさんのようですね。
素晴らしい!
そしてブッカーTがベースを担当してるようです。

3曲目にして、初めてディランの声を聞くことが出来ます。

There's guns across the river aimin' at ya
Lawman on your trail, he'd like to catch ya
Bounty hunters, too, they'd like to get ya
Billy, they don't like you to be so free.

う~ん、映画を基に作られたとは言え、この皮肉っぽい歌詞はやはりディランならではでしょう。
そう、「自由」とは何ぞや?と...。
人々は何かと言うと「自由」と言う言葉を口にするけど、実際に「自由」な人間が出てくるとそれを潰しにかかる。
映画「イージー・ライダー」も似たテーマを持っていましたね。
それをビリー・ザ・キッドに投影させて歌ってるんですね。

う~ん、しびれます。

そしてこのアルバムの価値を、ググ~ん、と上げてるのが皆さんご存知の「Knockin' on Heaven's Door」ですね。
今更この曲に言及する必要は無いでしょう。
ジム・ケルトナーがドラムを叩いているんですが、彼はあまりの感動に涙を流しながらドラムを叩いていたらしいです。(多少の誇張はあるかもしれないですが、本人談です。)

いや~、久しぶりにこの映画見たくなってきました。


2008/3/29

ここ数日早朝の仕事が続いて寝不足気味です。
こういう時は眠気を吹き飛ばすロッケンロー!で気分を爽快にさせると車の運転もOKです。

と言う事で、昨日の早朝グレッグ・レイクの1981年のライブを聴きながら車の中で一人で盛り上がっていました。

1. Fanfare For The Common Man / Karn Evil 9
2. Nuclear Attack
3. The Lie
4. Retribution Drive
5. Lucky Man
6. Parisienne Walkways
7. You Really Got A Hold On Me
8. Love You Too Much
9. 21st Century Schizoid Man
10. In The Court Of The Crimson King

サンプル♪

ELPの解散後レイクが公衆に初めて姿を見せたライブと言う事で当時話題になりました。
僕の実家では東○新聞を取っていたのですが、何しろこの新聞(多分夕刊)に写真入で報道されたくらいですからね~。
当時高校生になったばかりの僕はプログレの虜だったので、この記事を見つけたときは可也興奮したものでした。
今考えると、これは東○新聞に熱狂的なレイク・ファンがいて無理やりに写真入の記事にしてしまったのではないかと思います。(笑)しかしながら、この記事が掲載された何十年も後まで、この記事の事を覚えている人間がいるという事をこの記者さんは誇りに思って良いと思います。
このライブではゲーリー・ムーアがギターで参加しているのも話題のひとつでしたね。
レイクとゲーリー・ムーアの接点が何処にあったのか謎なのですが、一見相反する個性のように思えますけど、どうしてどうして、これが中々のマッチング。
味噌汁には白いご飯が付き物ですが、味噌汁にトーストも意外に合うみたいな....。(本当に合いますよ、これ。)
レイクと言うとどうしてもキース・エマーソンのキーボードの音が欲しくなりますが、そう言った既成概念をガーリー・ムーア(レイクはMCでこう発音していますね。)のギターは払拭してくれてます。

ライブは「Fanfare For The Common Man 」で幕を上げます。会場が大盛り上がりな様子がそのまま収録されていてCDで聴いている僕も会場にいるような錯覚に陥り知らぬ間に興奮しています。
「ベースの音がレイクらしいな~。」なんて感慨に耽っていたんですが、この時レイクはギターを弾いてるんですね。
この音作りはベース・プレヤーのTistrian Margettsさんの粋な計らいなのでしょうか?それともレイクの要望だったのでしょうか?
どちらにしても聴衆には嬉しい計らいですね。
ガーリー・ムーアのペンによる「Nuclear Attack 」はこのライブのハイライトの1曲だと思います。
タイトルの通り当時冷戦状態だったアメリカとソ連の「核」の恐怖を歌ったものですが、あまり暗くならずに、しかしながらあくまでもへヴィに、ライブのノリを加速させています。
昔流行ったヨーロッパというバンドの「The Final Countdown」と言うヒット曲に少し似ていますが(この曲も核の事を歌ってましたね。)ガーリーのこの曲の方が先ですね。
ここら辺を聴いていると、ライブと言うのは「ノリ」が何より大切なんだな~と実感させられます。
実際ハモリの音程が怪しかったり細かい所では問題がないことないんですが、ライブ全体の流れがこの「ノリ」によって勢いづいているので全く関係ありません。
レイクもMCであまりタラタラと話さず、簡潔にしかも「ノリ」よくやってるので流れを停めず、それどころか潤滑油のようにスムースに事が運ぶのに一役買っています。
そういう意味ではこのライブ盤は名盤と呼んでも遜色ないと思います。
ただこのライブで唯一の疑問は「You Really Got A Hold On Me 」のカヴァーですね。
あまりに唐突でちょっと戸惑ってしまいました。
おそらくゲーリー・ムーアとのセッション時にやったのでしょうが、それをライブにそのまま持ってこなくても良かったのではないかな~とは感じました。
ただ「ELPでやっていた事とは違う事をやりたかった。」と言うレイクのインタヴューを読むと、この曲はその意識を象徴していたのかな~とも思えてきて何となく許せてしまうのでした。

意志薄弱。

お決まりの曲「Lucky Man 」ではキーボードのTommy Eyreさん(知らない人には敬称をつけてます。)がキース・エマーソンのキーボード・ソロをそのままそっくりに演奏していて何だか嬉しくなります。
ミュージシャンなんて我の強い人間が多いんですが、ここでは一歩退いて自分を出さずに聴衆の欲求に答えている形を取っているんですね。
まあ、或いは彼がキースの大ファンで、単にこのソロをそのままやりたかっただけなのかも知れませんが...。

終盤の2曲がキング・クリムゾンの曲。
う~ん、「21st Century Schizoid Man 」はバンドの人達頑張っていますね~。
中間部分のインプロヴィゼイションはクリムゾンのそれとは大分異なりますが、この小難しい曲(テクニック的にも、曲の持つイデオロギーの部分でも)を明快なロックン・ロールの「ノリ」で仕上げているのがこの時代にもマッチしていて成功していると思います。
「In The Court Of The Crimson King 」では、レイクが演歌の道を歩み始めてしまったのを直感させられちょっと悲しくなりましたが、それはそれで良いのかな~と、ここでも安直に許してしまいました。

意志薄弱。

それにしても、このライブ盤からは兎に角「ノリ」の大切さを学びました。
ライブは「ノリ」。
「ノリ」です。


2008/3/22

昨日近所の知り合いにこの映画のDVDを借りたので見てみました。
借りた時その知り合いにどうだったか感想を求めたんですが、口を濁していたので「あ~、あんまり好きじゃなかったんだな。」と分かりました。
まあ、人によって好き嫌いはあるから..と思ったんですが...。

地球に1人生き残ってしまった男...という題材に、僕も興味があったので期待していました。
これって究極の「自由」ですからね。
「自由」とは何ぞや?と、徹底的に突き詰めて行ける題材だと思ったんです...。
でもこの映画ではそれを主に取り上げていませんでした。

マンハッタンが荒廃している映像やそこを鹿が逃げ惑うシーンなどはCGで撮ったであろう事は容易に想像できましたが、そうとは分かっていながらも「どうやって撮ったのかな~。」なんて思ってしまうんです。(アホ!だからCGだっチューの!。)
しかしながらストーリーが少しずつ展開していき、何となく先が見えてくると、「う~ん...。」と言う感じに...。
萩本欽一さんじゃないですけど「何でそうなるの?」と言いたくなる。(古っ!...。)
ニューヨークで起こった同時多発テロとこの映画の内容をオーヴァーラップさせようとしている作者の意図は見えるんですが、逆に何だか押し付けがましく説教されているようであまり歓迎できませんでした。
う~ん、何だか映画の作り方が荒れてきているように感じてしまいます。

ただボブ・マーレーの音楽が使われていて、劇中主演のウィル・スミスによってボブ・マーレーがどんな思いを音楽につぎ込んでいたかが語られるシーンは感動的でした。
(これは映画に感動したんではなくて、ボブ・マーレーに感動した訳ですが...。)
プロフィール
HN:
Euge
性別:
男性
趣味:
夢想、妄想、ナチュラル・ハイ
自己紹介:
ジョン・レノンから影響を受けた、
自称、シンガー・ソングライター...。
今日もニューヨークのアストリアで白昼夢。
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