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2008/4/4

此処のところ平均的に気温も暖かくなり春の予感を感じています。
ワシントンDCでは今週末に桜が満開になるそうですね。
一度DCの桜は観に行ってみたいんですが、中々機会に恵まれません。

ここ数日ディランの1973年のこのアルバムを聴いていました。
これはサム・ペキンパー監督による同名映画のサントラ盤です。

1. Main Title Theme (Billy)
2. Cantina Theme (Workin' for the Law)
3. Billy 1
4. Bunkhouse Theme
5. River Theme
6. Turkey Chase
7. Knockin' on Heaven's Door
8. Final Theme
9. Billy 4
10. Billy 7

サンプル♪

ご存知かもしれませんが、この映画にはディランも出演しております。
僕は小学生か中学生の頃テレビでこの映画を観たのですが、脇役で出演していたディランがカッコ良くとても印象に残っていました。(恥ずかしながら、つい今まで主演がジェームス・コバーンだったのを忘れていました...。クリス・クリストファーソンは覚えてましたけど。)

さてサントラですが。
当時は批評家から結構な辛口の評価を得ていたようですが、「いやいや皆さん何をおっしゃるの?」と僕はつっこみたくなるくらいこのアルバムは好作品だと思います。
ボブ・ディランと言えばフォーク時代、ロックンロール時代、カントリー時代と変遷を重ねていった訳ですが、どの時代にも言えるのは、彼は常に偉大なシンガー・ソング・ライターであった事です。
そして今でもディランは、唯一ジョン・レノンと肩を並べる事の出来るソング・ライターであると思います。
しかしながらこのサントラのアルバムではディランはソングラーターと言うより「音楽家」としての側面を見せており、そしてそれは恐らく彼の歴史の中でも殆ど見ることのない部分だと思います。
まあ、つまり簡単に言ってしまえば、ディランの中で最も大きな比重を占める言葉(歌詞)が圧倒的に少なく、アルバム全10曲のうち4曲しか歌がないのはこのアルバム以外にないと言う事ですね。
映画に出演し、また音楽家としての可能性も試した、ディランにとっては自身の探求時代であり、結果的に最も異彩を放った作品として残った訳です。
基本的にディランがアコースティック・ギターをプレイして他の楽器とジャムってる感じですが、いやいや、これが良いんです。
1曲目のギター・サウンドの美しいこと!(タンバリンがまた良いんですね~これが。)
荒野の赤茶けた砂埃のなかにキラキラと落ちてくる太陽の光のような、そんな印象を受けます。
アコースティックでリードを取ってるのはBruce Langhorneさんのようですね。
素晴らしい!
そしてブッカーTがベースを担当してるようです。

3曲目にして、初めてディランの声を聞くことが出来ます。

There's guns across the river aimin' at ya
Lawman on your trail, he'd like to catch ya
Bounty hunters, too, they'd like to get ya
Billy, they don't like you to be so free.

う~ん、映画を基に作られたとは言え、この皮肉っぽい歌詞はやはりディランならではでしょう。
そう、「自由」とは何ぞや?と...。
人々は何かと言うと「自由」と言う言葉を口にするけど、実際に「自由」な人間が出てくるとそれを潰しにかかる。
映画「イージー・ライダー」も似たテーマを持っていましたね。
それをビリー・ザ・キッドに投影させて歌ってるんですね。

う~ん、しびれます。

そしてこのアルバムの価値を、ググ~ん、と上げてるのが皆さんご存知の「Knockin' on Heaven's Door」ですね。
今更この曲に言及する必要は無いでしょう。
ジム・ケルトナーがドラムを叩いているんですが、彼はあまりの感動に涙を流しながらドラムを叩いていたらしいです。(多少の誇張はあるかもしれないですが、本人談です。)

いや~、久しぶりにこの映画見たくなってきました。
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転身、変身、大成功
ジムケルトナーの談話はおそらく真実でしょう。そのくらいの感受性がなければ、あの説得力あるドラミングは生まれないでしょうから。この人はもともとジャズドラマーだったそうです。(70年代頃まで)それで本人によるとトニーウイリアムスの演奏するSeven Steps to Heavenを聴いてジャズミュージシャンになるのをあきらめたとの事。この決断は当たりと出たようで、その後ジョーコッカーのMad Dogs And EnglishmenやジョージハリソンのConsert for Bangura Deshに出演。ロックの世界で大活躍することに。スタジオミュージシャンなのにファンクラブまで出来てしまった。ジョンレノンの作品にも参加してますね。ジャックブルースのOut of The Stormも彼だった。今度買おう!
ミスターT 2008/04/07(Mon)10:56:26 編集
Re:転身、変身、大成功
ミュージシャンズ・ミュージシャンと言った感じでしょうか、ジム・ケルトナーは...。
そうですね、このジムケルトナーの談話は事実だったと思います。
と言うのは、もうひとつこの手の話があるんですね。

監督のサム・ペキンパーはこの映画を撮るまでディランの事を知らなかったらしいんですが、あるミーティングか何かの時にディランに映画用の曲を聴かせてみろと言ったんですね。
で、ディランはこのアルバムの3曲目「Billy」を歌ったらしいんですが、それにペキンパーはいたく感動して涙を拭きながらディランに対して「このガキは一体何処のどいつなんだ!ちきしょうメ!」と言ったとか。

これだけスタッフを感動させた作品なのに一般の評価が低いのは僕にとって???なんですね。
これは素晴らしい作品だと僕は思っています。
【2008/04/08 11:36】
歌の力
そうですか、サム ペキンパーも泣きましたか。デイランはオートバイ事故の後、変わったと思います。歌に深みと表情が出てきましたね。それ以前が浅かったとは決して言いませんが、ただ攻撃的なだけでなく、懐の深さみたいなものを感じます。歌声の力と言葉がいい具合にかみ合ってきてスケールが大きくなりました。このアルバムはサントラということでかなりワリを食ってるんじゃないでしょうか。それともKnockin'の印象が強烈過ぎてアルバムの他の部分が霞んでしまったのかも。あらためて聴いてみたくなりました。
ミスターT 2008/04/10(Thu)10:19:00 編集
Re:歌の力
つい昨日映画「ラスト・ワルツ」を見てたばかりなんですが...、オートバイ事故の後のディランの変化についてはザ・バンドの連中も関わってるんじゃないかと思います。
ロビー・ロバートソンにいたっては「歌詞が長すぎる。」とディランに面と向って言っていたらしいですからね~。
確かに中期?ディランは歌詞がそんなに長くないです。
しかし「血の轍」から再び歌詞が長くなりました...ここでまた何かあったんでしょうね...。
【2008/04/11 10:58】
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Euge
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ジョン・レノンから影響を受けた、
自称、シンガー・ソングライター...。
今日もニューヨークのアストリアで白昼夢。
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