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2008/4/24

今週の頭に誕生日を迎えて、「時の流れ」を感じずにはいられない今日この頃です。
そして先日から「時の流れに」と邦題がつけられたポール・サイモンの1975年のこの名盤を聴いていました。

1. Still Crazy After All These Years
2. My Little Town
3. I Do It For Your Love
4. 50 Ways to Leave Your Lover
5. Night Game
6. Gone at Last
7. Some Folks' Lives Roll Easy
8. Have a Good Time
9. You're Kind
10. Silent Eyes

このアルバムは僕が前回ブログにアップしたアート・ガーファンクルのアルバムと対になっている作品ですね。
ここでは2曲目にアートとの共演を果たした「My Little Town」が収録されています。

僕は1曲目の名曲「Still Crazy After All These Years」と2曲目の「My Little Town」に連なる流れを聴いていると...

I met my old lover
On the street last night
She seemed so glad to see me
I just smiled
And we talked about some old times
And we drank ourselves some beers
Still crazy after all these years
Oh, still crazy after all these years

と歌われている「my old lover」って、アートの事だったのかな~、なんて思えてしまうんですね。
ニューヨークのどこかでアートと久しぶりに会ってビールを飲みながら昔話に花を咲かせているうちに、「また一緒にレコーディングでもしようか?」と言う話になって「My Little Town」が実現したんではないかと...。
ポール・サイモンは天才的なシンガー・ソング・ラーターでアート・ガーファンクルはそれにハーモニーを加えるだけのシンガーと思いがちですが、実はそう言った音楽的な部分以上に「人」としてのお互いに触発する部分がこの2人の間には存在したのではないかと思います。
ですからポール・サイモンにとってはどんな音楽家よりもアート・ガーファンクルは気になる存在だったのでしょう。
いや~、それにしてもこの表題曲は素晴らしい。
ジャズ・フュージョンのテイストを散りばめている曲ですが、色々な過去の想いが走馬灯のようにめまぐるしく駆け巡る様子が中間の伴奏で見事に表現されています。
ちょっとしたきっかけで自分の辿ってきた道を振り返ってみて、今自分の立っている場所を見てみる...
そして思うのは

Still crazy after all these years

なんですね。
自虐的な皮肉なのか、諦めなのか、或いは自分自身の確信なのか...。
様々な思いが絡み合う不思議な感情が歌われていると思います。

そして名曲「My Little Town」。
ポールとアートの少年時代を懐かしんだ朗らかな曲と思いきや、その全く逆と言っても良い様な諦めに似た思いがあります。

Coming home after school
Flying my bike past the gates
Of the factories
My mom doing the laundry
Hanging our shirts
In the dirty breeze

And after it rains
Theres a rainbow
And all of the colors are black
Its not that the colors arent there
Its just imagin-ation they lack
Everythings the same
Back in my little town
Nothing but the dead and dying
Back in my little town

アメリカと言うのは日本で思う以上に貧富の差っていうのが存在するんです。中にはアメリカン・ドリームを掴み取り成功する人もいるんですが、大多数の人はこの dirty breeze の吹く my little town で死人のようになって生きているのが(変な表現かな?)現実なんですね。
ただここでポールは「虹の色がその街で黒く見えるのは、そこにある現実の色ではなく、想像力の欠如なんだ。」と言っている訳です。
ジョン・レノンも「イマジン」で歌った「想像力の力」。
人類はこの「想像力」をもって進歩してきた訳で、この欠如が人の生活を困難にしてるんだと思います。逆に言えば「想像力」をもってすれば my little town も虹の都になり得るというヒントがこの歌の中には隠されているようにも思えるんです。

このアルバムでは超一流のスタジオ・ミュージシャンがサポートしているんですが、その中でもスティーブ・ガットの「50 Ways to Leave Your Lover」のドラムは名演のひとつでしょうね。
下手すると曲自体よりこのドラムの方が記憶に残りそうです。

「Have a Good Time」で

Yesterday it was my birthday
I hung one more year on the line
I should be depressed
My lifes a mess
But Im having a good time

と歌われているのは、この間誕生日だった僕自身とダブって妙な気持ちになりました。
"I should be depressed"なんですが、”Im having a good time”なんですね。

このアルバムはアート・ガーファンクルのアルバムが「朝」の爽やかさを感じさせたのとは逆に、「夜」の静けさがアルバム全体を漂っています。
「朝」と「夜」。
逆のものと言うのは実は「1対」であることの証明なんですね。

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ジョン・レノンから影響を受けた、
自称、シンガー・ソングライター...。
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