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4/11/2008

もうすっかり春ですね~。
昨日なんかは夏の気温だったのではないでしょうか。
ニューヨークの長い冬もやっと終わるかと思うと、やれやれと何かが一段楽したような安心した気持ちになります。

今日はそんな穏やかな気持ちをあざ笑うかのような「No Dice」というアルバム・タイトルのバドフィンガー1970年の作品を聴いていました。

 01 . I Can't Take It
 02 . I Don't Mind
 03 . Love Me Do
 04 . Midnight Caller
 05 . No Matter What
 06 . Without You   
 07 . Blodwyn
 08 . Better Days
 09 . It Had to Be
 10 . Watford John
 11 . Believe Me
 12 . We're for the Dark
 
 bonus track
 13 . Get Down
 14 . Friends Are Hard to Find
 15 . Mean Mean Jemima
 16 . Loving You
 17 . I'll Be the One

 サンプル

このアルバムは頻繁に聴いています。
怪しげなお姉さんの挑発的なポーズのジャケットを見てると「無駄な抵抗はやめてロックンロールに屈しなさい」と言われているようで、いつも気持ちをはだけて更にファスナーを開けて音に向かい合っています。(半分嘘)
前作のファースト・アルバム「Magic Christian Music」も可也良いんですが、何処かバンドが役を演じてるような作られた不自然さを感じるんですね。
しかしながらこのセカンド・アルバムからバリバリのバドフィンガー節が炸裂して、生のバンドの姿を見せているように思うんです。
1曲目の「I Can't Take It」などは、音もモコモコして抜けが悪いんですが、「細け~事言ってんなよ、これがロックンロールだぜベイベー!」
と頭をガツンとやられた気分になります。
う~ん、気持ち良いです。
「Love Me Do」のドラムのフィル・インは最高ですね~。
テクニック的には大した事はないのかもしれませんが、この曲のこの瞬間に絶大な効果をもって存在しうる名演中の名演だと思います。
こう言うカタルシスを感じさせるドラムのフィル・インと言うのは意外にシンプルなものが多いと思います。
例えば直ぐに思いつくのがツェッペリンの「天国への階段」のボンゾのフィル・インですね。
そして4曲目の「Midnight Caller」から「No Matter What」、「Without You」の3曲の連なりは可也ヤバイです。
手に汗握り、涙チョチョ切れ、いや~もう昇天です。

「Midnight Caller」は良いですね~。

nobody's gonna help you now.

と見捨てたような言葉で締めくくられるんですが、哀愁漂うメロディの中何故か優しい目がず~っと見ているようで...。
ピート・ハムのソング・ライティング、彼のヴォーカル、ピアノ、とピート・ハム尽くしの1品です。

そしてバドフィンガーの代表曲と言って良い「No Matter What」のイントロが鳴ると、
うがッ~!鳥肌ゾ~ッ!で、脳みその回路がショート!
いや~凄い。
ギターの音、曲の構成、ヴォーカル、曲のメロディ、肯定的で寛大な歌詞...。
もう難癖のつけようがないです。

そしてこの3曲を締めくくる「Without You」はバドフィンガーの曲と言うより、ニルソンやマライヤ・キャリーのカヴァーの方がお馴染みになりつつありますね。
しか~し、僕はこのオリジナル・ヴァージョンは捨てがたいのです。
あまりドラマティックになり過ぎず、実にストレートに感情を表現しているようで心臓をブスりと衝かれます。

でも、なんでこんなにも強力な3曲を繋げてしまったんですかね~?
この強烈3連曲がこのアルバムを決定付けているんですが、逆に言うとこの3曲が強すぎてアルバムのバランスを崩しているようにも思えるんです。
この3曲を通り過ぎると、残りの曲がどうしても色あせて聴こえるんですね。それがちょっと残念です。

アルバム「Magic Christian Music」では随分と気を吐いて頑張っていたトム・エヴァンスですがこのアルバムではペース・ダウンしてるようで「Believe Me」が唯一彼のみの曲なんですね。(共作はありますが。)
この曲はビートルズの「オー・ダーリン」に良く似てるんですが、これってもしかしたらポールがパクッたなんて事はないですよね?
え?似てない?

それにしても、こんなにも素晴らしい作品を残した最高のバンドにも関わらず、評価のあまりパッとしないバドフィンガー。

世間の言う事なんて当てになりませんね。

No Dice!
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無題
おお!僕もこのアルバムは良く聞くな~。
「No Matter What」、「Without You」はご存知の通りですが「Midnight Caller」がお好きとは!一緒ですな(笑)
しかも「Believe Me」が「オー・ダーリン」にそっくりだとこのアルバムを買ったときから思ってましたよ。
フロイド 2008/04/13(Sun)10:22:58 編集
Re:無題
>「No Matter What」、「Without You」はご存知の通りですが「Midnight Caller」がお好きとは!一緒ですな(笑)

いや~、これはピート・ハムらしい作品です。
ピアノとアコースティック・ギターを基調にしたロックの見本みたいな曲で、「No Matter What」や「Without You」にも引けを取らない名曲ですね。

>しかも「Believe Me」が「オー・ダーリン」にそっくりだとこのアルバムを買ったときから思ってましたよ。

おお、やっぱりそう思いますか、似てますよね~。
で、どっちが先か?と言う問題ですが、発表はビートルズが先ですがね。
ただその後あえてこの似た曲を発表したと言うのが僕にはひっかかるんですね~。
僕の推測は、この曲は「オー・ダーリン」より前に作られていて、トム・エヴァンスがポールとジャムったんじゃないかと...。
そしてポールが「おお、良いなこのコードの感じ!」なんて思って、そのまま一気に「オー・ダーリン」を作ってバドフィンガーより先に発表。
トムも「え~、まじ~?俺の曲のパクり~?」と思いながらもポールには何も言えず、渋々このセカンド・アルバムに収録に至った...。
ただ、僕にはそれが「ポール」だったと言うのも逆にひっかかるんですね。
これがもし「ジョン」の作品だったら、この筋書きは大いに有り得そうなんですが(笑)、ポールが「ちょっとアイデア頂き」をしたとは思い辛いんです。
やっぱ、トム・エヴァンスが「オー・ダーリン」を下敷きに作ったのでしょうかね~。
謎です。
【2008/04/14 23:30】
同感。
>世間の言う事なんて当てになりませんね。

本当にそうであります。
自分の嗅覚、視覚,聴覚って世間よりもずっと,ずっとたしかなものだと思います。
しゅうこ 2008/04/13(Sun)12:26:09 編集
Re:同感。
結局物事を感じえるのは本人(自分自身)しかいないわけですから.。

世間の言う事は「参考」にしても良いかも知れませんが、全面的に受け入れるべきではないと思います。
もちろんその場合場合で受け入れの比重も違ってくるでしょうが、最後まで自分が感じた事は残しておくべきだと...。
【2008/04/14 23:38】
バンド名
BadfingerとBad Companyをなんとなく比べていました。音楽的にではなく、そのあまりにも違う運命について。両方とも有名アーチストのレーベルに入ったのですが、マネージャーの良し悪しがこんなにバンドの運命を変えてしまったケースも珍しいと思います。ほかにも食い物にされたアーチストはいっぱいいると思いますが、これらのバンドはスケールから言って最大でしょう。変な話かも知れませんが、やはりバンド名は自分達で決めるべきだったでしょうね。会社からアイビーズはアイビーリーグと間違えられる(本当?)と言われてバドフィンガー。片やフリーは良くない。コンサートにくる連中がみんな入場をタダだと勘違いするじゃないかと言われても、頑張って固守した経歴を持つポールロジャース、会社に呼び出されて変名を要求されても断固バドカンパニーを貫いた。それを認めたピーターグラントも偉い!
それに同じくアルバム二枚目でNo Dice!とは何事か?バドカンは二枚目で大きなサイコロをジャケで転がしている(ストーンズ?)。幸運と悪運が雪ダルマみたいに転がった二大グループ。おしい才能を潰しましたね。でも世間の評価はそんなに悪くないみたいですよ。グーグルで見る限り、熱心なファン層があるようです。”虎は死んで皮残す”と言います。いい作品は忘れ去られることはない。そう信じたいです。
ミスターT 2008/04/27(Sun)13:06:03 編集
Re:バンド名
なるほど、同じBadでも辿った運命はここまで違っていたんですね。
それにしても、不思議な共通点がこの2バンドの間に存在していたのには気が付きませんでした。(有名アーチストのレーベル、2作目がDice,等)

>”虎は死んで皮残す”と言います。いい作品は忘れ去られることはない。そう信じたいです。

そうですね。
実際、マライヤ・キャリーによって「Without You」がカヴァーされて、ちょっと違ったニュアンスですが、この歌は忘れ去られるどころか新しいオーディエンスを獲得した訳ですから。
【2008/04/29 11:33】
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Euge
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夢想、妄想、ナチュラル・ハイ
自己紹介:
ジョン・レノンから影響を受けた、
自称、シンガー・ソングライター...。
今日もニューヨークのアストリアで白昼夢。
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