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2008/12/4

いよいよ12月に突入ですね~。
今年もあとわずかですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
今週のはじめは結構忙しかったんですが、今日ひと段落着いたのでブログのアップが出来ております。

先日日本から来たお客さんがマンハッタンの状況を見て、「アメリカ、景気悪いって言ってるけど、全然悪くないじゃないの。」って言っておりましたが、確かに5番街辺りはクリスマス・ショッピングで人の山が出来ております。
その為に5番街の中心では右折が殆ど禁止されてしまっていて、そこに入り込んだら二進も三進も行かない状態になってしまいます。
この時期、マンハッタンへの車の乗り入れは出来るだけ避けたいものですが、仕事なのでしかたないっすね~、...。

先週のウイークエンドは感謝祭の連休だった訳ですが、木曜が感謝祭当日で休み、金曜を空けて土日と休みなので一般の人たちは、「だったら金曜を休んでしまえっ!」って具合に連休を作っていたんですね。
でも公には金曜日は平日だったんです。
で、この金曜日は感謝祭セールの翌日で、何て言ったら良いかな...、売れ残り品処分セールみたいな感じかな...で大きなセールが彼方此方であるんですね。
この日は"Black Friday"と呼ばれ(黒字になる金曜という意味なのかな?...。)販売者側も消費者側もウハウハの日で、我が家もラップトップ・コンピューターを購入したと言う次第です。
この時期は"Black Friday"に始まって、クリスマスまで買い物フィーバー(古っ!)が続くんですね。それでマンハッタンが人の山になっていた訳です。
ただ、良い事ばかりではなく、このセールを目当てに行く買い物客の軍団が大手ストアーで開店時にセキュリティーの人を踏み潰して死亡させてしまったという事件もありました。またこの日は彼方此方から車でマンハッタンに来る人が多く、違法駐車が多いので、一年で一番多くパーキング・チケットが発行される日らしいです。そのためか異常にトラフック・オフィサーが街中に配置されていて、僕なんかはチケットを切られはしないかと戦々恐々として仕事をしてました。
堪らんぜ!"Black Friday"!

で、ふっと、"Black Friday"と言えば、スティーリー・ダンにそういう曲があったじゃないっすか~と思い出して、彼等の1975年のこのアルバムを引っ張り出してきて、聴いていました。

All songs written by Becker and Fagen.

1. Black Friday 3:33 — Guitar solo by Walter Becker
2. Bad Sneakers 3:16 — Guitar solo by Walter Becker
3. Rose Darling 2:59 — Guitar solo by Dean Parks
4. Daddy Don't Live in That New York City No More 3:12 — Guitar by Larry Carlton
5. Doctor Wu 3:59 — Alto saxophone solo by Phil Woods
6. Everyone's Gone to the Movies 3:41
7. Your Gold Teeth II 4:12 — Guitar solo by Denny Dias
8. Chain Lightning 2:57 — Guitar solo by Rick Derringer
9. Any World (That I'm Welcome To) 3:56
10.Throw Back the Little Ones 3:11 — Guitar solo by Elliot Randall

でも、ここで歌われている"Black Friday"って、所謂この年末セールが始まる金曜日の事ではないな~と...。
大体において、"Black "っていう色は両極端な印象があって、その中でも比較的にネガティブな印象が強い色なんですけど、如何でしょう。
「黒字」と言う印象より、「暗黒」とか「黒魔術」だとかって言う印象の方が強くないっすか?
まあ、それはさて置き、ここでは恐らく1869年に起こった株式市場の惨劇を歌ってるように思います。

When Black Friday comes
I'll stand down by the door
And catch the grey men when they
Dive from the fourteenth floor

飛び降り自殺しちゃってる訳ですね。14階から。
良い買い物して、嬉しさ余って身を投げる人はいないですもんね。
いや~、ただこの曲は1869年の状況を想像して聴くと言うより、今現在起こってるウォール・ストリートの危機をヴィヴィッドに映しているようで、何だか怖いです。

スティーリー・ダンと言うバンド(と言うかユニット?)はジャージーなサウンド故か少し音的にはお洒落な印象があるかもしれないですが、実はこんな風に、結構皮肉っぽかったり、変態的だったり、暗かったり、と一筋縄ではいかない人たちだったんですね。
まあ、この2人の顔見れば何となく納得してもらえると思いますけど...。



4曲目の「Daddy Don't Live in That New York City No More」なんかでも、転落していく人間を描いているように感じるんですけど、今現在ニューコークで起こっていることがそのままじゃないか...と。
何だか、この2人のおっさん、預言者だったんじゃない?なんて勘ぐってしまいそうになります。

そしてアルバム・タイトルの「Katy Lied」と言う言葉が登場する、5曲目の「 Doctor Wu」。
凄いですね~...。
麻薬中毒患者の妄想か?はたまた、単に狂人のうわ言か?
状況があっち行ったりこっち行ったりしてフラッシュバックする様はとっても変態的で、聴いてる僕が、実は自分は頭がおかしいんじゃないかと錯覚してしまいます。
曲後半のリフレインにおけるドラムのフィルイン(ちょっとしたソロ?)は、名作「エイジャ」でのスティーブ・ガットのソロの前哨戦といった趣があります。
これ叩いてるのは、ジェフ・ポーカロなんでしょうか?
流石です。

いや~、それにしても自分の事しか考えていないアメリカ3大会社の社長達みたいな人間に牛耳られている現代社会。
何が正しくて正しくないのか、何を信じられるのか信じられないのか、右往左往してしまう人も多いでしょう。(僕もその一人です。)
そうななると、狂人の妄想って実は現実で、正常だと思ってる自分たちのほうが狂ってるんじゃないかとスティーリー・ダンのこのアルバムを聴いていると思えてしまいます。

ふ~っ...。
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美しさと怖さ
Black Fridayからステイーリーダンに行くなんてさすがです。ところで、このアルバムの楽曲はとてもメロデイーがきれいですね。(特にA面)この美しいメロデイーに包まれて怖い歌詞が歌われるのってランデイーニューマンの系譜ですかね。あの人の歌も本当にコワイ。もう文学。皮肉って英国人の”おハコ”かと思っていたら、ロック界では断然、米国勢。カーズのリックさん。REMのマイケルくんもヘンで怖い歌書いてます。ウオールストリートの大暴落の時、"It's the end of the world as we know it."のフレーズが頭で鳴っていて、その締めくくりが”And I feel fine."
のキラーフレーズだったなと思いだしてました。聴き手が泣くことも笑うことも出来ず宙吊りにされる歌なんて、たしかグレイルマーカスがランデイニューマンを評してましたっけ。
ミスターT 2008/12/05(Fri)12:16:50 編集
Re:美しさと怖さ
なるほど~、米国勢に皮肉屋で怖い歌詞を書く人が多かったんですね。
まあアメリカではその先頭切ってディランがいたわけですからね~。確かに凄い系譜ですよね。
英国ではレノンやデイヴィスがその系譜でしょうか...。

ところで、スティーリー・ダンのこのアルバムのメロデイーの美しいさは、スティーヴィー・ワンダーの「トーキング・ブック」を思い起こさせてくれます。
が、しかし、歌詞がスティーヴィーのとは正反対。
ご指摘のように怖かったり、ちょっとグロテスクな印象があったりして、エグイですよね。
これぞスティーリー・ダンというきがします。
【2008/12/05 13:55】
ファンもヘン?
先月The Whoが単独公演で来日したそうですね。そういえばあの古参バンドも二人になってしまったんだな。してみるとステイーリーダンは70年代からすでにコアメンバー二人のみ。しかも新作を書いてスタジオミュージシャン集めて独自のサウンド、バンド(?)カラーを作っていたんだから凄いことですね。派遣社員制じゃないけど、当時の新進ミュージシャンで腕におぼえのある連中はザッパかステイーリーダンと演りたがったそうです。ジャズ界からフィルウッズが参加しているのに驚きました。これあとでストーンズがソニーロリンズにソロ取らせた下絵みたいですね。そういえばフェイガンが歌詞についてインタビューで自分の書く歌詞はクロッキーみたいなものだって言ってましたっけ。短いからとても丁寧には書き込めない。だからささっと輪郭だけを描く。それでファンが色んな憶測で歌詞を解説してくるケースが多々あったらしい。傑作なのはRiki don't lose the numberのRikiとは絶対クラプトンのことでnumberはマリワナだと言ってきかない男がいたとか。”僕らのファンてヘンな奴多いんだ。”でもあの曲聴くと本当かもと思って笑えて来るのも事実です。
ミスターT 2008/12/14(Sun)12:46:46 編集
Re:ファンもヘン?
ハハハッ、面白い人がいるもんですね~。
何でまたクラプトンなのかな~?それに、どこからマリワナという発想が来るのかな~?

フーも2人が残ってやっていますが、スティーリー・ダンのようにはいかないでしょうね。
バンドと言うものに対する考え方、つまりパーマネントとしてのユニットかセッション的に考えるのかの違い、がありますから。
元々ジャズ系統でセッション的なバンドにスティーリー・ダンの2人は慣れていたのではないですかね。
【2008/12/16 02:08】
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ジョン・レノンから影響を受けた、
自称、シンガー・ソングライター...。
今日もニューヨークのアストリアで白昼夢。
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