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2008/11/10

大統領選も無事終わり、新大統領の言う「Change」を期待したい今日この頃ですが、皆さん如何お過ごしでしょうか。
そんなこんなでニューヨークでは現市長のブルームバーグ氏が任期を過ぎたにも拘らず再び来期出馬する為に法律を改正した事で賛否両論を呼んでおります。
この市長さんはお金儲けが上手いと言うか、なんと言うか...。
今日もラジオでニュースを聞いていて驚いたのはイーストリバーに架かる橋全てが有料になるかも知れないということ。
ご存知のようにマンハッタンは島なので、橋ないしトンネルを通らないと車で入っていく事は出来ない。
現在イーストリバー側からマンハッタンへ入っていくのには有料のトンネルが2つと有料の橋が1つそして無料の橋が4つある。
今回その無料で利用できる4つの橋すべてにトールをつけて有料化を図ると言うのだから、クイーンズやブルックリンに住んでいたり働いていたりする人たちには大きな打撃になる。
う~ん、「5つの橋」が全部有料ですか~!
我々のような小市民には、堪りませんよそんなの!
畜生!それならこっちにも考えがある。
腹いせにナイスの「Five Bridges」を聴きまくってやるぜぃ!

...っと、毎度の事ながら無理やりの展開。
いや~しかしながら実際の話、私このニュースを聴く1週間くらい前からナイスの1970年のこのアルバムを聴き続けておりました。

1. The Five Bridges Suite (Emerson/Jackson) - 18:06
a ) Fantasia 1st Bridge
b ) 2nd Bridge
c ) Chorale 3rd Bridge
d ) High Level Fugue 4th Bridge
e ) Finale 5th Bridge
2. Intermezzo 'Karelia Suite' (Sibelius) (9:01)
3. Pathetique (Symphony No. 6, 3rd Movement) (Tchaikovsky, Arr. Emerson/Joseph Eger) (9:23)
4. Country Pie/Brandenburg Concerto No. 6 (Bob Dylan/Johann Sebastian Bach) (5:40)
5. One Of Those People (Emerson/Jackson) (3:08)

勿論、このアルバムの指す「5つの橋」と言うのはニューヨークのイーストリバーに架かる5つの橋を意味しておりまへん。
イギリスのニューキャッスルにある5つの橋の事だとか...。
そしてそれは音楽におけるクロスオーヴァーの意味あいをかけたタイトルらしいっす。

今はロック音楽産業の発展に伴いロックと言う音楽の地位が可也向上しておりますが、この当時はまだ、ロック=反逆精神=不良=低い音楽性、見たいな偏見があって、世間一般ではロックは市民権を十分に得ていなかったんだろうと想像してます。(なにせ僕は当時はまだ幼稚園に通っていたもんで...。)
その為か、或いは単に音楽的嗜好からか、当時色んなバンドがオーケストラとの共演を果たしロックの地位向上に貢献しておりました。
このアルバムもそんなロックの時代を記録した1枚であります。

ナイスの中心人物でもあり、後のエマーソン・レイク&パーマーで一世風靡したキーボードのキース・エマーソン。
先月になるのかな?来日して、日本のテレビに生出演。
僕も観ましたが、簡素な演奏にも拘らず相変わらずアグレッシブでした。
番組の司会者もファンだったらしく、伝説のエマーソン・レイク&パーマー後楽園球場ライブを観にいったと語っていました。
しかしながらこの方、エマーソンに「エマーソン・レイク&パーマーのアルバムもその後のソロのアルバムも全部持っています。」と一生懸命ファンである事を主張しておりましたが、ひねくれものの僕などは「えっ、じゃあ、ナイスは...?」などと思ってしまうのでした。
かく言う僕自身もナイスはエマーソン・レイク&パーマーを聴いてから遡った人間ではありますが...。(なにしろ、当時は普通のレコード屋さんにはナイスのレコードは廃盤なので「ないっす」って言われていましたからね...。)
そう、キース・エマーソンの出発は紛れなくこのナイスであり、このアルバムを聴けば彼のキーボードのテクニックや音楽性は確立されていたのが分かります。
フレーズひとつ取っても、「う~ん、どっかで聴いた事があるぞ~、あれこれってエマーソン・レイク&パーマーでやってるじゃん。」みたいなことが数多くあるし(笑)、オルガン壊し?鍵盤へのナイフ刺し?のパーフォーマンスもやってるようだし、ただエマーソン自身の変化と言うのは、エマーソン・レイク&パーマーになってからムーグ・シンセサイザーと言う強力な武器を得たことくらいじゃないだろうか?
じゃあナイスとエマーソン・レイク&パーマーの違いって、ムーグの在る無し?って考えちゃうけど、そうじゃなくて、明らかに残りのメンバーの力量の違いなんだと思っちゃうわけです。
残念ながらナイスのメンバー、ベースとヴォーカルのリー・ジャクソン、ドラムのブライアン・デイヴィスンと比べグレッグ・レイクとカール・パーマーはテクニック的にも音楽的にも洗練されていてキース・エマーソンのアグレッシブなキーボード・ワークを受け止めるに十分な器を持っていたように感じます。

ただ今回このアルバムを聴き続けていて、リー・ジャクソンの下手糞なヴォーカルやモコモコした音色の変なベース、そしてジャズっぽい演奏になると何だかぎこちないオカズを叩くブライアン・デイヴィスンのドラムにも妙に愛着を感じてしまい、ナイスは良くも悪くもこの2人がやってる事で味を出していたのかな~と、決してキース・エマーソンの足を引っ張っていただけじゃないんだろうと、感じました。

ナイスは決してエマーソン・レイク&パーマーじゃ、ないっす。

追記
このアルバムはライブ録音(最後の曲「One Of Those People」はスタジオ録音)で、後半のフィルモアー・イーストでの録音のエンジニアがキッスのプロデュースでも知られている エディ・クレイマーのようでした。
う~ん、キッスとプログレ。
繋がらないようで、繋がってるんだな~。
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ザナイス イズ ナイス
ザナイスは愛着のあるバンドです。このアルバムのライブの前座がキングクリムゾンだったそうです。凄い!ザナイスは本国やヨーロッパでは大人気だったようです。でもボーカルの弱さは彼ら自身も自覚していて、キースはリーの代役の候補を上げていたのですが、当時イギリスで歌えるベーシストは限られていて、ジャックブルース、クリススクワイア!それにグレッグレイク。キースはクリスを真剣に誘ったのですが、”ハーモニーならともかく、リードボーカルは自信がない”と断ったそうです。ELPで演ってることはザナイスですでにみんなやっていました。ムーグも使っていたそうです。カールとグレッグにはザナイスのようなことはもうやらない、などとキースは言っていたようですが、どうも本心はザナイスのグレードアップにあったのではないかと僕は思っています。ただ、リズムセクションにおける変化は大きなもので、カール、グレッグは直進性がありますが、前の二人のような横揺れ(スイング感)は無いですね。これは言葉を変えればジャズのフィールが希薄になり、ロックよりになったと言えるでしょう。バンドの音はもとより、受ける印象がまるで違いますね。ELPも勿論よいですが、僕は謎めいたザナイスが忘れられません。プログレの基調とも言うべき「曇り感」がありますね。
ミスターT 2008/11/13(Thu)10:08:22 編集
Re:ザナイス イズ ナイス
クリムゾンが前座だったとは驚きですね~。
この時にエマーソンがレイクと出会ってニュー・グループの話を持ちかけたんですね。

しかしリーの代役の候補にジャックブルースがいたとは!
でも80年代後半にエマーソンはジャックブルースとバンドを組もうとしていたらしいです。
彼曰くジャック・ブルースはキーボディストとしても優れているので、ダブル・キーボードの可能性もあるなどと語っていました。
でも実現しなかったですけど...。

クリス・スクワイアでも面白かったですね。
でも確かにリード・ヴォーカリストとしては若干不安があったかな~。

ナイスでムーグ使ってました?
レイクはエマーソンに「君がムーグを買うなら一緒にバンドやるし、そうじゃなければジミヘンの所に行ってみるよ。」って言っていたらしいですけど...。

ナイスとELPのリズムセクションの違いもさることながら、僕が思うのはやはりレイクとリー・ジャクソンのメロディ・センスの違いがこの2グループの差を大きくしたと思うんですね。
ヴォーカルのメロディつまり歌メロは曲の顔ですから、リズム隊の違い以上に明白な差が出てきます。

プログレの基調とも言うべき「曇り感」は確かにナイスの方があると思います。
ELPは僕の友人も言っていましたが、プログレと言うよりハード・ロックに近いかもしれないですよね。
【2008/11/16 07:26】
無題
The Five Bridges かー。
十三はねー、ジュウソウと読むんだよ。
淀川の13番目の橋の辺の地名。
大阪の橋、ロックにならずともエロエロ艶歌あまたあれ。
グランシャトーがおまっせ、は京橋。これは寝屋川。
かのショパンも浪花に生まれ育てばこの有様。

ナイス、高校生だったころ友人の兄貴のコレクションから、
もみじ饅頭のジャケのを借りパクして何回か聴いたけど、印象は何もなし。
その後3年以上連続で年賀状のどこかに、レコードはよ返せ。
とのメッセージが発信されてたのが儚き思い出となり残るのみ。

エマちゃん。その後、力量バランスのとれた良き仲間とバンドが組めてよかったね。
イーエルピーの1枚目は、たまに聴いてます。
ガッツリとしたベースも好きなもんでよー。
syd peeko 2008/11/13(Thu)21:38:24 編集
Re:無題
大阪の橋っすか~、ナンパ橋なんつうのもありまんな~、って変な関西弁使ってすみません。

ところで、もみじ饅頭のジャケって....。
そんなのあります?
サード・アルバムっすか?何となくもみじ色って感じですけど...。

レコードね~...。
僕も友達に貸したまま返ってきてないのがあります...。
でも自分自身、小学校の頃友達から「怪人四十面相」と言う本を借りて未だに返していません...。
いや~、今でもその事は良く覚えてるんですが、彼は「返すのはいつでもいいよ!高校生になってからでも、大学生になってからでも、」って言っていましたから、未だ良いんじゃないかと...。(でも、とっくの昔に大学なんて卒業してしまってますけど...。)
【2008/11/16 07:48】
She belongs to me.
The Niceのバイオによると、1970年2月7日のコンサートで初めてムーグが使われたとあります。その最初の曲がデイランの"She belongs to me"だったそうで、そのショウでキースはすでにシルバーのスーツに身を包んでいたといいますから、ELPの予告編みたいなものですね。ただし、まだムーグは借り物だったそうですから、グレッグが"買え!”と言ったのかも知れません。そのグレッグも誘われた時は、せっかく苦労してクリムゾンがここまで成功してきたのだからとあまり乗り気ではなかったらしいですが、ツアー中にマクドナルドとジャイルスが脱退を表明したので、このバンドに残る意味がなくなったと感じ、キースのオファーを考え直したといいますから、まさに運命の導きですね。メデイアはナイスを褒めちぎりましたが、ELPにはその成功にも拘らず、酷評を続けたとか、Zepも叩かれ続けましたが、成功は”罪”なんですかね?
ミスターT 2008/11/16(Sun)13:09:14 編集
Re:She belongs to me.
そうだったんですか。
もうナイスにいた時点でムーグを使い始めていたんですね。
そうだとするとやはりエマーソンにとってELPはナイスの発展形バンドだったんでしょうね~。

それにしてもナイスって結構ディランの曲をやってますけど、あれって誰の趣味だったんですかね?
リー・ジャクソンかな...?

メデイアの言う事はあまり当てにならないですよね。
ゼップが酷評されてたって...。
じゃあ誰が一体絶賛されてたんでしょう?と言う事になります。
【2008/11/17 20:27】
こんにちは!
確かに当時オーケストラと共演するのって
ROCKの地位を上げるって言う意味合いは
あったと思いますね!
ナイスとかELPはクラシック畑出身のミュージシャンがいるから、インテリっぽいな~んて
けちな評価があったりしましたよ。
ナイスはELPとは全然違いますよね。
キースはナイスがとっても好きだった様に思います。ELPより居心地は良かったはず。
evergreen URL 2008/11/16(Sun)21:22:41 編集
Re:こんにちは!
ROCKの地位を上げると言う行為は、ある種の人たちにはアカデミックな人たちに諂っている様に見えたりしたんでしょうね。
それがパンクの出現と少なからずも関わりあっていたんじゃないかと思います。

キースがELPよりナイスの方が居心地は良かったと言うのは、僕もそうじゃないかと思います。
結構グレッグ・レイクって曲者で、音楽的才能は凄い人ですけどちょっと気難しい感じです。(昔レイクとパーマーにサインを貰った時そんな印象を受けました。パーマーはそれと正反対でしたけど...。)
インタヴューでもエマーソンはレイクのそれについては語っていますよね。
それに比べナイスは彼のキャリアのスタートだった訳ですし、多少センチかもしれないですけどそれなりの思い入れはあったはずですよね。
【2008/11/17 20:46】
はじめにナイスありき
デイランを好きだったのは、意外にもキースだったようです。上のアルバムのデイラン、バッハの融合!ですが、これはキースがCountry pieとBrandenburgの曲構成が類似していることを発見して、リーに説明してレパートリーに入れたのだそうです。キースが左手でデイランの曲、もう一方の手でバッハを弾いたのだとか。これぞプログレの技!

このバイオで一番感動的だった個所は、ナイスの三人が30年ぶりに集って、キースのお母さんのために誕生日にコンサートを催した。(キースのお母さんはELPより、断然ナイスが好きだったそう。)その演奏が終ったあとブライアンデイビドソンがキースがこうつぶやくのを聞いたそうです。”僕は今まで一体、何やって来たんだろう?”ナイスの連中の方が文字通り”ナイス”だったんでしょうね。
ミスターT 2008/11/18(Tue)12:34:35 編集
Re:はじめにナイスありき
キース・エマーソンだったんですか~、ディラン好きだったのは~...。
う~ん、意外な感じがしますけど、ディランとプログレって結構繋がってるんですよね。

左手でデイランの曲、もう一方の手でバッハを弾いたって言うのは如何にもって感じで面白かったです。

そうそう、ナイスの再結成って言うのがあったんですよね。
キースのお母さんのためとは知らなかったですけど。
しかしELPで過酷な経験をしたからこそ、ナイスがとってもナイスだったのが分かったんでしょうから、ELPは必然だったんじゃないかと思うんですけどね~...。
いずれにしろナイスではあれ以上の飛躍はなかったんじゃないかと思うんです。
【2008/11/19 03:59】
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