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2007/5/25

いや~、暑くなりましたな~。
もう今日は真夏日だね。
明日から世間一般(アメリカでの話し)はメモリアル・デイの3連休。
天気に恵まれて最高ですな。
しかし残念ながら僕は明日のみ休みで、日曜と月曜はフル出勤。
まあ僕のやってるような仕事は働ける時に働いとかないと...。

こういう暑い日には食欲が減退しサッパリしたも以外食べたくなくなるように、音楽もゴテゴテでへヴィーなものより爽やかでライトな感覚のものの方を聴きたくなってくる。
なので今日僕は仕事に軽音楽ものCDをずらりと持参して、待機時間に聴いていた。
しかしながらこの手のものはず最初は良いんだけど、僕の性格上ず~っとは聴いていられない。
他に何か持って来て無かったかな~?っとCDケースをパラパラとめくっていると...。

あった。
ありました。

ご存知ピンク・フロイド1970年の超名作。
ず~っと前の記述で、アルバムに漂う季節感と言うものに触れた事があったが、僕にとってこのアルバムは「夏」に他ならない。(お~っ、今日みたいな日にはピッタシじゃないっすか~。)
収録曲のタイトルからもアルバム全体に「夏」の空気が漂っている事は一目瞭然なのだが、僕にとってはこのアルバムの音そのものの中に「夏」が存在しているのである。
それは、エコーの効いたギルモアのスライド・ギターの音かもしれないし、気だるいビートをはじき出すメイソンのドラムかもしれない。
或いは独特の空間を作り出すライトのキーボードかもしれないし、オクターブ奏法を多用してばかりの割には意外にファンキーなウォ-ターズのベースかもしれない。
或いはフロイドと共同でこの作品を作り上げたロン・ギーシンのオーケストラ・アレンジかもしれない。
いや、それら全てがあってこそ、このヴァイブを発しているのかもしれない...。
ただまぎれも無くその音の中に、この蒸し暑い夏の日中に漂う陽炎のような幻影を見出せるのである。

よ~っし、こういう今日みたいな真夏日には大音量でこのCDをかけまくってやるぜ!
そして「むかつくばかりのこやし」になってやるんだ!
などと、訳の分からない事を思いながらじっくりと作品を聴き入った。

LPレコードでは片面を埋め尽くす組曲「Atom Heart Mother」で幕を開ける。これは邦題が「原子心母」という摩訶不思議なタイトルだが、まずはこの邦題のセンスには脱帽せざるを得ない。
何処の何方が考え出したのか知らないが、フロイドの日本でのイメージ作りに大いに貢献したに違いない。

今でこそフロイドのアルバムと言えば「狂気」が筆頭に上がるのだろうけど、この作品が発表された当時はフロイドの最高傑作と絶対に言われていた事だろうと今日聴きながら改めて感じた。
単にオーケストラとロックの融合と言う当時色んなバンドが果敢に挑戦したテーマが成功した形で具現化されているだけでなく、あくまでも美しく連なる音の塊と斬新でありながら普遍的な前衛が同居しているのがこの作品の素晴らしさだと思う。
当時イギリスでは、国歌をこの「原子心母」に変えようという運動が起こったとか....。
ジャケットも滅茶苦茶インパクトのある傑作だし、アルバム・タイトルも変だし、どんな風に録音されたのか未だに不思議な箇所が多々存在するし、全く驚くべき怪物的作品である。
こういう怪物的作品って言うのは、アーティストの意志や力量を超えて色んなことが次々に思いもよらぬ方へ好転して出来ていくもんなんだろうね...。

LPレコードのB面にはコンパクトでピンク・フロイドらしからぬポップな作品がずらりと並んでいるが、これらがまた可也良い。
ロジャー・ウォーターズの作品「If」はロック評論家?渋谷陽一氏も絶賛のフォーク調の名曲。
ここに歌われているウォーターズの苦悩は後々の「ザ・ウォール」まで引きずられていく。...というか、その次の「ファイナル・カット」では更なる苦しみが歌われている...。
リック・ライトの「Summer '68」はビートルズっぽいメロディアスでポップな曲。
中間のブラスのアレンジが、サイモン&ガーファンクルの「Keep the Customer Satisfied」っぽいな~と思うのは、僕だけだろうか?
個人的にお気に入りの作品。
デイブ・ギルモアの「Fat Old Sun」も組曲「Atom Heart Mother」同様に夏の倦怠が蒸気になってゆらゆらと揺れていると言った感じの名曲。
これを聴くと、う~ん、やはりフロイドのリード・ヴォーカリストはギルモアでないと~、などと思ってしまう。
「Alan's Psychedelic Breakfast」はインストの3部作。
ピアノ曲、アコギの曲、ピアノ主体(数台のピアノでやってる?)のバンド演奏、そしてそれらの合間合間に朝食を作って食べるまでのSEが入ってくる。
ここらへんって、アラン・パーソンズに負う所が大きかったのかな?
じゃなければわざわざタイトルに「アランの...」とは入れないもんね...。
しかし、まあ、全然関係なけど、このSE にも出てくる欧米の朝食って朝から脂っこいし、何か変化ないよね~。
ベーコン、ソーセージ、シリアル....。
それに比べ日本の朝食の何とヘルシーな事。
白飯に納豆、味噌汁...。
アメリカに来た当時はこの脂っこい朝食に中々慣れなかったけど、今ではコーヒーとドーナッツだけとなんていう朝食ですらОKになってしまっている自分が怖い...。
人なんて何処に行っても適応していくんだろうね...。
と言う事で今では上のように不満を言いながらも、朝食と言えばベーコン、ソーセージになっています。

このアルバム発表当時、日本の電気屋さんではステレオの音チェックにはこのレコードが使われていた事が多かったと聞いた事がある。
(電気屋でバイトしてた時に聞いた話。)
そんなフロイドの超名盤、「Atom Heart Mother」。
この夏「マザー牧場」辺りに行って、大音響でかけて白昼夢に陥るのも乙かも知れませんな~。
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おはよう
このアルバムを大音量でかける自信はちょっと無いかな?(笑)
何となく気恥ずかしさが・・・
前に真夏に大音量で聴いていた失敗談があり・・・?
お暇なときに読んでみていただけますか?
皆さん訪問者がなかなか音量では苦労されているようでおもしろかったです。

フロイドのヴォーカルはギルモアで・・・
ほんとそう思います。
FAT OLD SUN・・・名曲ですね^^
ぼやーとして現実に戻ってくるのに時間のかかる曲ですがあ~笑
evergreen URL 2007/06/05(Tue)08:25:44 編集
Re:おはよう
いや~、今、evergreenさんが以前に書かれた「原子心母」の事読んだんですけど、指摘してる部分が凄く似てるので驚いてしまいました。

爆音の部分はちょっと違いましたが...(笑)。

僕は車の中で聴く事が多いので爆音にしてても全然他人に聞かれる事がないんです。

>FAT OLD SUN・・・名曲ですね^^

こう言う曲ってフロイドでしか聴けないですもんね。
【2007/06/06 12:32】
フロイドの四季
懐かしいアルバムです。これが当時、日本でかなり売れました。品切れになったとの噂もあったほど。また日本での人気が英国に逆輸入され、本国でもバンドの足場が固まった記念碑的作品。”原子心母”なるキャッチーかつ、訳分からん大袈裟感たっぷりのタイトルに加えて、仲間内では「ウシ」で通じてしまう便利さも加速度に貢献。ピンフロの金字塔になったのでした。
確かに季節感は「夏」ですね。ウチワ片手に額に汗してストローでカルピスを飲みながら聴く一枚。
パイドパイパーが「春」”おせっかい”で秋空が拡がり始め、”狂気”は中秋の満月。アニマルズで吹雪いてきて、ウオールで暗く長い冬を迎え、ファイナルカットで凍結。
ミスターT 2007/06/11(Mon)13:13:37 編集
Re:フロイドの四季
このアルバムが、「売れた」と言うのが何とも羨ましい時代ですね。

>パイドパイパーが「春」”おせっかい”で秋空が拡がり始め、”狂気”は中秋の満月。アニマルズで吹雪いてきて、ウオールで暗く長い冬を迎え、ファイナルカットで凍結。

いや~、これ面白いですね。
「モア」は晩春から初夏と言う感じでしょうか。

そして「ファイナルカット」で凍結した後、再び解凍し始めたて芽を出したのがギルモア・フロイドだった訳ですね。
【2007/06/12 10:45】
無題
ピンクフロイドかー。
リチャード死んだと教えてくれても誰の不幸か解からなかった。
オルガンの上手い人はリックという人だと覚えこんでたから。
またシドと出会ってしまったら、やっぱりシドはえーカッコするのかな。
二人ともどこにもいなくなってしまっただけなのかな。
ただ私はひたすら申し訳ないけど、
合掌。
syd 2008/09/16(Tue)23:50:59 編集
Re:無題
sydさん、わざわざピンク・フロイドの所にコメント頂き有難うございます。


>またシドと出会ってしまったら、やっぱりシドはえーカッコするのかな。

するんでしょうね~(笑)
でも、シド抜きのピンク・フロイドは結果的にシド・フロイドを超えてしまいましたから、ライトの方が逆にえばったりしてるかも知れないですね。

>二人ともどこにもいなくなってしまっただけなのかな。

いえいえ、ありきたりな言い方かもしれませんが、彼らの魂は音という形で今でも残っていると思います。
結局彼らが生存している時ですら、僕等はその「音」で彼らに接していた訳ですし...。

そういうものを残せた人たちを羨ましく感じる今日この頃です。
【2008/09/20 02:06】
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ジョン・レノンから影響を受けた、
自称、シンガー・ソングライター...。
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