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2008/4/20

この間ひょんな事から陸上競技で使われる「フライング」と言う言葉を調べましたら、どうもあれは和製英語っぽいんですね。
実際には premature start とか breakaway が使われるようなんですね。

「breakaway」か~...。

で、ふっとアート・ガーファンクルのこの1975年のセカンド・アルバムを思い出しまして聴いていたら可也はまってしまいました。

1. I Believe (When I Fall In Love It Will Be Forever
2. Rag Doll
3. Break Away
4. Disney Girls
5. Waters Of March
6. My Little Town
7. I Only Have Eyes For You
8. Looking For The Right One
9. 99 Miles From L.A.
10. The Same Old Tears On A New Background

実際「breakaway」と言う言葉は、分離, 離脱, 逸脱といった意味がメインで、このアルバムのタイトルもこの意味で使われていると思います。
ポール・サイモンと共にサイモン&ガーファンクルとしてポップ・シーンに大きな足跡を残したわけですが、その成功は曲を書いていたポール・サイモンによるものが大きかったのは事実。
解散してポールはソロを出し成果を上げている中、アート・ガーファンクルは映画「愛の狩人」などに出演したり自分の道を模索していたんですね。
そしてサイモン&ガーファンクルの成功から「分離, 離脱, 逸脱」して自身の道を切り開いていったガーファンクルの意志が、このセカンド・ソロ・アルバムにはこめられているような気がします。
全体には所謂AORっぽいテイストの作品で、ファースト・アルバムのアコースティックな感覚から離れて、深いエコー・サウンドとエレクトリック・ピアノ(フェンダー・ローズ?)で都会に生きる人々を表現しているようです。
そしてアートの美しい声がそれら全ての音に覆いかぶり支配しています。
前作で名曲を提供していたジミー・ウエッブの作品が全くないのが残念ですが、どうしてどうして、素晴らしい曲の数々が収録されています。
1曲目はご存知スティーヴィー・ワンダーの名曲ですね。
ここでは「ゴスペル」から「賛美歌」への移行がなされているように感じます。
へヴィーな部分が取り除かれて、あくまでも「聴き易さ」が優先されているように思えますが、それが失敗になっていないのが素晴らしい。
そしてこのアルバムで一番光を放っているのが、ポール・サイモンとの共演「My Little Town」。
アルバム・タイトルで「breakaway」と言っておきながら、ポール・サイモンとは結局切れてないのね~と突っ込みたくなりますが、逆に言うとS&Gの幻影が吹っ切れたのかもしれませんね。
だから単に友人としてまた一緒にやれたのでしょう。
この曲はポール・サイモンの名作「Still Crazy After All These Years」 にも収録されているんですね。
超名曲です。

退廃的なジャケットとは裏腹に休日の朝に聴くとピッタリくるアルバムです。
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2007/11/12

今日は昨日のヴェテランズ・デイの振り替え休日。
と言いつつ、会社によっては全く知らん顔で営業する所もあるそうな。
う~ん、アメリカはこういう中途半端な休みか休みじゃないか分からない休日が多いよね~。
しかしながら自主的に休みの取れる僕のような人にはあまり影響のないことだけど...。
でも、まあ、僕の場合、自分にまわって来た仕事はなるだけしていかないといけないのが辛い所です。

と言う事で、今日の仕事は夜からなので朝目覚め一番にこのアルバムを聴いていた。
ディープ・パープルの黄金期と言われた第2期のベーシスト、ロジャー・グローヴァーによる1974年のファースト・ソロ・アルバム。
同名の絵本の音楽化。
同じように本を題材にして音楽化した作品にキャメルの「スノー・グース」があるけど、この2作間には大きな違いが存在する。
キャメルの場合、アーティスト自身が小説に感動して自発的に作品が制作されたのに対し、この作品は絵本の音楽化という企画が持ち上がり、それがロジャー・グローヴァーに持ち込まれ制作されたという過程がそれ。
ロジャーの前にピンク・フロイドにも話が行ったとか...。
しかし、そう言う「職業的」な過程は経たとは言え、自分にまわって来た仕事に全力で取り組んだと言う印象を与える素晴らしい仕事をロジャーはしています。
そうなんだよね~、貰った仕事は文句言わずに一生懸命やらないとね~。
自分にも良く分かります。
ある意味、自発的でない分作品を客観的に捕らえられると言う利点もある様に思える。
ここら辺はプロデューサーとしても才を発したロジャーの持ち味だろうか。

ハード・ロック・バンドのベーシストだった人のソロ作品なので、ど・ハード・ロックが展開されると思ったら大違い。
ビートルズっぽい、ポップでちょっぴりサイケな音が散りばめられております。
ただ参加ミュージシャンがへヴィー畑の人達が多いので、そういうニュアンスは多分にあるけど...。
「Get Ready」と言う曲ではグレン・ヒューズが、「Behind the Smile」ではデヴィッド・カヴァーデイルが、そして「Sitting in a Dream」、「Love Is All」、「Homeward」と3曲でロニー・ジェイムス・ディオがそれぞれヴォーカルを取っている所からも想像できるでしょう。
いや~しかしビートルズの「All You Need Is Love」をもじった「Love Is All」はポップながらもロニーのへヴィーな歌声が心地よく響く名曲ですな~。
う~ん、何だか嬉しくなります。
「Sitting in a Dream」や「Homeward」もロニーの異常な歌唱力が炸裂していて、改めてこの人のヴォーカリストとしての資質に驚嘆させられました。
素晴らしい。
その他、エディ・ジョブソンがヴァイオリンでマイケル・ジャイルズでドラムで参加しているのもプログレ・ファンの僕には嬉しい所です。

僕の持っているCDにはマルチメディア・トラックとして「Love Is All」のプロモ映像が最後に収録されている上に、歌詞カードもCDのファイルに入っていてCDと言うメディアの可能性を思い知らされました。

う~ん、しかしながらこのCDも過去の遺物になり始めているようですが...。


2007/10/21

いや~、先週も忙しかったな~。
フィラデルフィアまで日帰りで往復したり(まあ片道2時間なのでそんなに大した事ないけど...。)アップステイトへいったり....。
昨日少し落ち着いたので、夜寝る前にヘッドフォンをして音楽を聴く事にした。
で、ピックしたのがスティーブ・ハケットの1979年のこのアルバム。
う~ん、スティーブ・ハケットと言うとどうしても元ジェネシスのギタリストと言う肩書きが最初に来てしまうんだよね~。
これはインストルメンタリストとしての悲しい性か...。
いやいや単に彼の知名度の問題だけかな?
彼がジェネシスを抜けてからのバンドの成功とは裏腹に、地味にプログレ路線をまっしぐらだモンね。この1979年と言えばパンク・ニューウエイブの余韻が続いてる時代なのに...。
う~ん、しかしながらそういう自分を取り巻く環境に左右される事なく、頑なに自分なりの音を発し続けると言うのは逆に賞賛に値するかも知れない...。

1曲目の「Every Day」。
イントロを聴いただけで、あ~、ジェネシスだね~、プログレだね~、と微笑ましくなってしまう。
ジェネシスの持っていた叙情的で淡白色な世界観はスティーブ・ハケットに担う部分が大きかったのかな~と改めて感じさせられる。
しかし難を言ってしまうと、そういった部分が全開しているだけで音に毒気がない。
僕のような偏見的リスナーには物足りなさを感じさせてしまう所である...。
ただとてもドラマティックに曲は構成されているし、彼の奏でるギターのメロディは涙腺を刺激する美しさを持っている。
う~ん、一番美味しい所を自分が持って行っているようだけど(笑)、自分のソロアルバムなんだから当然と言えば当然。
昔NYCのボトムラインで彼のソロ・ライブを観たんだけど、この曲は演奏していたように記憶してる。
2曲目の「The Virgin and the Gypsy」を聴くと、彼の音楽的ルーツを感じさせられる。
トラッドっぽい作品なんだけど、意図的に作られたんではなくて自分の体臭をそのまま出している感じ...。
無理がないというか、自然と言うか....。
う~ん、なかなか良いじゃないですか~スティーブさん、と妙に納得させられてしまうのも束の間...。
3曲目の「The Red Flower of Tachai Blooms Everywhere」で、ちょっとガクッ...。
東洋志向の作品なんだけど、前曲とは裏腹に非常に意図的な感じ。
イエスのスティーブ・ハウのソロなんか聴いても同じ印象を持ったんだけど、色んな事をやろうとし過ぎてるって言うか、発想が貧弱って言うか、どうしてそうなるの?っていう場面に出くわす事が多いな~、プログレ・ギタリストのソロ・アルバムは...。
別に無理に自分が持ってる色んな音楽的側面をいっぺんに見せようとしなくても良いのにね。
ただ4曲目の「Clocks-The Angel of Mons」に繋がる部分の流れが良いので、もしやこの4曲目のイントロ部分として3曲目は存在していたのかななどとも考えてみたり...。
「Clocks-The Angel of Mons」はこのアルバム中出色のナンバー。
時計のクリックの音をこんな風に出していたなんて....。

普段だったらCDが終わる前に撃沈して深い眠りについてしまっているのに、このアルバムを聴いていた昨日はスティーブ・ハケットのギターの音を最後まで堪能する事が出来た。

何だかんだ言って、お気に入りのアルバムなんです....。


2007/10/16

もうすっかり秋っぽくなりましたね~。
最近は夜も10時頃になると眠くて眠くて...。
ブログをアップする気力などなくなってしまっていました。
今日は仕事が夜なので、今のうちにチャチャっとアップしておこうかな?って思いまして...。

ここ数日聴いているのが、インクレディブル・ストリング・バンドの1974年のこの作品。
このバンドはウッドストックにも出演していて、音的には所謂アシッド・フォーク?系で、ちょっとすっ飛んでるんですよね。
正直言うと、僕は結構苦手な音でした。
でもこのアルバムは比較的普通のシンガーソングライター系の曲が多く、聴きやすいです。
特にアルバム1曲目の「Maker of Islands」はジャケットからも少し想像が出来るような、ピート・シンフィールドの「スティル」やランディ・ニューマンの「セイル・アウエイ」の世界に通ずる、こう、淡く物静かなたたずまいを見せる僕のお気に入りです。
ただ2曲目の「Cold February」ではいきなりライブでの音源が収録されていて、僕はちょっとガッカリ...。
ちょっと昔にもこのブログで触れた事があるんだけど、スタジオ録音とライブ録音がごちゃ混ぜになってるアルバムって僕の性格上受け入れることが出来ないんだよね。
ジャニスの「チープ・スリル」しかりイエスのサード・アルバムしかり...。
いや実際音源がライブのを使っていたとしても、それとは分からなければ問題ないんだけど...。
あの拍手とかMCとかが聞こえると急に興ざめしてしまうんだよね。
音楽の聴き方として、僕は音を聴きながらその世界に没頭するのが好きなんだけど、ライブ盤ってどうしても演奏者の姿が頭にちらついて音の世界に入りにくくなっちゃうんだよな~。
だから僕にはライブだったらライブの聴き方があるので、出来ればスタジオ盤とミックスして欲しくないんです。
ただこの2曲目の曲自体や演奏に関しては何の文句も無し。
ケルト系の笛の音をフィーチャーした良いパフォーマンスだよね。
このアルバムの最後を締めくくる「Ithkos」は19分23秒の大作。
時代的にもプログレッシブ・ロックの影響か?と思われるんだけど、どっちかと言うと短い曲が沢山メドレー的に繋げてあるという印象なので、ビートルズの「アビー・ロード」のB面の作り方に近いんじゃないかな...。

たまにこの手の音も良いですね。


2007/6/23

ここのところ過ごし易い日の続いているニューヨークです。
今日なんかも本当に「It's a Beautiful Day」と叫びたくなるような良い天気でしたが、そんな時に限って仕事が入るんです....。
ガックリ。
何処か景色の良い所にでも行きたかったな~。

まあこんな時は音楽で気分転換。
そして僕の選択は1969年発表 It's a Beautiful Day のファースト・アルバム「It's a Beautiful Day」。
う~ん、まさにこんな日にはうってつけ。
この美しいジャケットのイメージ通り、青い空の下でハイな気分にさせてくれるアート・ロック。
このバンドの特徴はフロントが男女のヴォーカルで、ヴァイオリンがメインのリード楽器である事。
1曲目の「White Bird」のイントロからいきなり、のどかな世界をヴァイオリンの爪弾きで表現してる所からも分かる。

う~ん、美しい...。

White bird,
in a golden cage,
on a winter's day,
in the rain.

White bird,
in a golden cage,
alone.


籠の中に囚われている白い鳥...。

「白い鳥」とは愛と平和の象徴であり、「籠」とはベトナム戦争という時代的背景と考えていいと思う。
Love & Peace を全面的にアピールしたヒッピー・ソングと言っても差し支えないと思うけど、やっぱりこう言う象徴的な曲からスタートしている所に、バンドの意識とか意図が汲み取れるよね。
ヴァイオリンの音は比較的乾いた印象を受ける音で、クラッシック的なニュアンスとカントリー的なニュアンスの両方を持っている様に感じる。
ここら辺にアメリカのバンドらしさがあるかも。

曲は今の時期にぴったり?の「Hot Summer Day」へ続き、へヴィーなナンバー「Wasted Union Blues」では引き続きこの時代の苦悩が歌われ、物悲しいメロディの「Girl With No eyes 」
そして問題のインスト「Bombay Calling」
ディープ・パープルの「Child In Time」の下曲なんですが、...いや、パクリと言った方が正しいんでしょうか?
このイントロ部分だけだったらそのまま拝借しなくても...って思うんですけど。
原曲の方も中々炸裂してます。
後半の2曲「Bulgaria」から「Time Is」は、やはりこのアルバムで一番の山場でしょうか。
僕はここまで到達すると、涙を流し、こぶしを振り上げながら汗を流し、そして小便をちびってしまうと言う、体液マル流し状態になってしまいます。

素晴らしい。

この最後の2曲はピンク・フロイドのアルバム「狂気」の最後の2曲に相通じるものがありますよね。


2007/4/1

う~ん、4月か~。
時間は全く容赦なく過ぎていきますな~。相変わらず....。
こう時間が過ぎるのが早いと、自分の死ぬまでの時間と言うのが本当に大切になってくる。
そしてこんな事を考えていると、僕の中で時間的な部分と経済的な部分の狭間でくすぶる葛藤が不安を伴って命題として首をもたげてくるのである。

それは...

「死ぬまでに今まで聴き損ねているアーティストやアルバムにどれだけお目にかかることが出来るか...。」

という命題....。

何じゃそりゃ?

...。

でもさ、自分が病院のベットで死を待っている瞬間に「あ~、そう言えばあのアルバム聴いた事無かったな~、う~ん、死ぬ前に聴きたいよ~。」なんて思いを出来るだけしたくないもんね。
だから実際それは僕の人生の課題のひとつかもしれない...。

...、やっぱ大袈裟かな。

まあ、でもそういう課題を今回ひとつ早速クリアしたというお話を..。

そう、このスティーヴ・ヒレッジは今まで僕には全く縁の無かったアーティストのひとりだったが、今回ひょんなことから旧友の勧めもあって聴く事が出来た。
思えば学生時代、新宿や下北沢の中古レコード屋巡りを先輩や後輩と良くしたものだが、時たま見かけたこのスティーヴ・ヒレッジの1976年のアルバムを先輩からも後輩からも「結構良い。」と勧められたのだが何故か今まで手にすることは無かった。
そして何十年も経った今こうして聴いてみる事が出来た。

いや~、良いっすね~。これ...。

なるほど、確かに先輩や後輩及び旧友の言ってる事は良く分かる。
聴き易いけど、聴衆に媚びてはいない。
プログレ=難解、というステレオ・タイプに見事に対峙していながら、プログレ→売れない→ポップ、という路線に流されているわけではない。
とても良い感じでそこら辺のバランスを取っている印象を受ける。

タイトルの「L」とは、「LOVE」とも「LIFE」とも取れるけど、ここでは単純に「LSD」の事を示唆していると考えて良いと思う。
それほど、音が総天然カラーでキラキラと立体的に響き渡ってくるのだ。そして聴いてる僕を宇宙の彼方へ連れて行ってくれる。

う~ん、これはもはやプログレというよりサイケデリックと言った方が近いかもしれない。

この作品はトッド・ラングレンのプロデュースで、ユートピアの連中がバックを勤めている。
そうか..なるほど、このアルバムの聴きやすさはトッドによるものだったのかな~?
う~ん、となるとトッドがプロデュースしていないスティーヴ・ヒレッジの他の作品もチェックする必要があるな...。

...。

え~っ、お金がいくらあっても足りないよ~。

トホホ(泣)

この作品はドノヴァンのカヴァー「Hurdy Gurdy Man」で幕を開ける。
そして「Hurdy Gurdy Glissando」というオリジナル曲に続く流れに、僕はこのアルバム製作のきっかけを感じた。
2曲目はどう考えてもドノヴァンの曲を受けているからね。
「Hurdy Gurdy Man」の持つ一種不思議な世界を「Hurdy Gurdy Glissando」で宇宙へまで導いていくと言う流れ、そして更に奥深くへ...。
聴き進めながら僕は何となくどこかで聴いたことのあるような感じだよな~、何て思い始めてくる。
う~ん、スティーヴ・ヒレッジのちょっとコミカルな印象を受けるヴォーカル。
そしてインド的なアプローチ...。
そうか、最近のバンドのクーラーシェイカーってまるっきりこんなじゃない。
彼らのアルバム・タイトルも「K」だった....。
う~ん、スティーブ・ヒレッジの魂ははこんな形で引き継がれていたのか~...。

このアルバムのクレジットを見て驚いたのは、ジャズ界から何とドン・チェリーが登場して「Lunar Musick Suite」の中間部でトランペットを吹きまくっているのだ。
一体どういう繋がりだったんでしょうか?
アルバムの最後を飾るビートルズのカヴァー「It's All Too Much」は、ビートルズ好きのトッドのアイデアじゃなかったんだろうか?
比較的原曲に忠実に演っている。
元々ビートルズの曲の中でもサイケ色の可也強い作品だったからね。


2006/12/4

おお、今年もついに12月に突入しましたな~。
ここに来てニューヨークも寒くなり始めてやっと冬らしくなったかな。
日中雪もちらついたし...。

今日は朝6時にEastchesterでお客さんをピックアップ。
この位の時間だとまだ辺りは真っ暗なんだよね~。
車内で待機中に空を見たら何とも美しい月の景色。
風が少し強かったのか、雲が勢いよく枯れ木の森の背後に流れていたんだけど、それを月が照らしていて何とも神秘的な世界が広がっていた。

美しか~!

まさに「早起きは三文の得」
そしてそのBGMは、ちょっと前に再結成で話題に上っていたジェネシスの、1978年のこのアルバムだった。
この作品は高校時代友人のGОちゃんが聴かせてくれたのが最初だったが、その時既にクリムゾンやフロイド、イエス、ELP、と聴きこなしていてプログレとは何たるものか自分の中では出来上がっていた僕は何かこれに物足りなさを感じていたのは事実だった。
いや物足りなさと言うより、何だか違うな~と言うのが本当の感想だったかな。
プログレの持つある意味難解で暗い部分や長いインストのパートが極力排除されていて、意識的にポップに作られているのが僕にそう感じさせた理由なんだろうね。
でもこの作品においては、ポップ=金儲け、という方程式ではなく、ポップ=所謂プログレというレッテルからの脱皮、という意識があったという方があたってると思う。
このアルバム・タイトルが示すように、メンバーが5人だったジェネシスが3人になってスタートした最初のアルバムなんだね。
中心人物だったピーター・ガブリエルが脱退した直後のバンドは、新たなバンドの方向性とかって考えると言うより、彼の穴をどう埋めるかという事に躍起になっていたようで、その当時に残してる作品は所謂プログレ・ファンを満足させえる出来に仕上がっていた。
言わばピーターはバンドの顔だったわけで、バンドがした行為は顔を失った人間が自分のアイデンティティを躍起になって取り返すようにする行為と同じだよね。
まさか安部公房の「他人の顔」とか犬神家のスケキヨみたく、別人になろうなんて考えは速には思いつかないだろうからね。
ところがバンドはそんな時に今度は利き腕を亡くしちゃうんだよね。
ギターのスティーブ・ハケットの脱退がそれ。
ここでバンドは、やっとと言うかとうとう、じゃあ仕方ない、俺達ここで今まで使ってたIDカード捨てて、これから別人になっちゃおうよ、って考えに及んだんだろうね。
だからアルバム・タイトルも何だか開き直ったような印象を与えるものになってるのかな。
こう考えるとジェネシスの歴史のなかでは意外にピーター・ガブリエルの脱退より、スティーブ・ハケットの脱退の方が、バンドに変化を与えたって言う意味では重要だったかもね。
そう、だからこのアルバムが事実上ポップ・バンド・ジェネシスのスタートになるのかな?
ただ別人に成りすましても知らない間に昔の癖が出てしまうように、ポップになってもまだプログレ風味が滲み出ているのがこの作品の特徴かもしれない。
1曲目の「Down and Out」なんて凄い変なドラムのリズムで、レコード借りて聴いた時音飛びしちゃったのかな~なんて心配になってしまったもんね。
ここら辺ってプログレ的なんだよな~。

そして2曲目の「Undertow」。

If this were the last day of your life, my friend
Tell me, what do you think you would do then?

こういう歌詞を聴くと、いつも自分を反省させられるんだよね~。
人生を全力疾走するのって誰にでも出来る事じゃないけど( だってマラソンだったらある程度ペースを考えて走るじゃない? )、でも実際自分はどれだけ一生懸命人生を走ってるのかな~って、思わされる。
今日が自分の人生の最後の日だって心算で生きていたら、毎日が充実していくんだろうな~。
ただし持久力がないと、直ぐに意気が上がっちゃうんだろうけど...。



2006/6/24

雨がシトシト1日中...。
結局1ッ歩も外に出ることなく、1日を過ごした。
息子は日本語学校へ行っているので良いが、娘が1人で遊ぶのに飽きてきて大分持て余していたので、「じゃあ一緒に音楽でも聴こうっ」と言ってかけたCDがこれ...。

アイアン・バタフライ...。

う~ん、何ちゅ~父親でしょうか?
5歳の子供相手に...。
しかしながら最初じっと音楽を聴いていた娘は、最後の曲「In-A-Gadda-Da-Vida」の時には踊りまくってました。
この親にして、この子在りという所でしょうか...。

所謂サイケデリック・ロックの決定盤。
リッキー・マーティンの「Livin' La Vida Loca」やラッシュの「 La Villa Strangiato」を思い出してしまいそうなこのアルバム・タイトル「 In-A-Gadda-Da-Vida」とは、"in the garden of Eden" 或いは "in the garden of life."の意味だったそうです..。

...知らなんだ...。

ジャケットとこのアルバム・タイトルから可也えげつないサイケデリック・ロックを想像すると、ちょっと肩透かしを食うかもしれない。
ソング・ライティングと言う点に関して言えばごく普通だからね~。
アレンジの面で、オルガンがギーコギーコ鳴ってるのと長いインプロビゼイションがあるという点がサイケっぽいだけだからな。
だから逆に家の娘なんかも普通に聴いていられたのかも知れない。
いい意味でポップなへヴィー・サイケだね。

ところでこのアルバムでギターを弾いていたErik Braunn って言う人...。
この当時17歳だったんだってね~。
う~ん、かなり早熟ですな~。
これって17歳の出すギターの音じゃないよね。
それともこの当時の17歳は一般的に皆こんなギターの音出してたのかな?



2006/5/14

世間一般では今日は「母の日」なんですな~。って家でも勿論世間一般同様なんですけど...。
その「母の日」にちなんでとか、特別な意味合いがあったわけでないんだけど、昨日から原由子のこの2枚組みのアルバムを聴いていた。
家内がブックオフへ行った時、このアルバムがセール・コーナーで$1で売ってたから買ってきていたんだよね。
家内は1回聴いて、「面白くないから売りに行こうかな?」なんて言っていたけど、「ちょっと待て待て俺にも聴かせてみろ」と言う事で聴いてみたら、家内の意見とは逆に結構良くて、聴き続けている。
アルバム・タイトルから、もっと家庭の事とか子供の事を扱った曲ばかりかと思ったけど、明らかにそう言ったテーマを持ったのは「かいじゅうのうた」ぐらいなんじゃないかな?
全体には恋愛の曲とかが多く、違った角度からの「母親像」と言うのが浮き彫りにされているような気がする。
つまり「母親」も「女性」だって言う事。
「女性」と「母親」は全く別もんじゃなくて、同一線上にあるものなんだというメッセージがあるのかな?
そんな事を思いながら聴いていました。
曲は桑田桂祐によるものと、原由子の書いたものに1曲ピンク・レディのカヴァーを含んで構成されている。
「花咲く旅路」とか「想い出のリボン」と言う桑田節炸裂の名曲が多々含まれているけど、注目すべきはやっぱり「 イロイロのパー 」。
相変わらず凄いね桑田さんは...。
自分の奥さんにこんなスケベーな曲歌わせるんだから、彼はよっぽどの変人だろうねなんて思っていたけど、実際どうなんだろうか?
この作品の詳しい事については知らないんだけど、2枚組みの作品を作ろうと思ったら、僕なんかだったら絶対ビートルズの「ホワイト・アルバム」の事が念頭にたっちゃう。
ビートルズ・ファンの桑田さんにも、多少なりともそんな事があったんではないかな?
あの滅茶苦茶ヴァラエティに富んだ「ホワイト・アルバム」の事を考えると、全体に乙女チックに陥り、1本調子になりがちな原由子の作品群に、どうしてもインパクトの違う曲が必要になってくるので、このエロエロの曲を挿入する事によってアルバムの幅を広げようと考えた結果だったんじゃないかな?
まあ、本当の所は知りません。
聴いてて僕が感じた事に過ぎないです。

ああ、それにしても「母の日」か~。
「父の日」に比べると、扱いがよくないか~?
...と僻みの父親でした。



2006/3/3

ロチェスターからイサカへ向う途中、久々に聴きたくなって持参したロリー・ギャラガーのこのアルバムをかけた。
大分日がのびたので、5時半を回っていたがまだ辺りはそんなに暗くなっていない。
雪でおおわれた原野の向こうに落ちて行く夕日が眩しいほど紅かった...。

そして、変に加工されていない生のドラムのリズムに導かれて始まる「Do You Read Me」...。
く~っ、枯れているけど、活き活きとしたロリーのギター!!
理屈ではなく、魂を揺すぶられる音だね~。
素晴らしい!!

Well, I've been waiting, seems like forever,
While I've been waiting,
My situation ain't got much better,

と歌われるこのブルース...。
「待ち続ける...。」と言うのは、「忍耐」でもあるんだろうけど、もっとこう人生を達観できてるんじゃないかな~って感じさせられるんだよね。
これは、ロリーのこの曲に限らずなんだけど、マディ・ウォーターズをはじめとするブルース全般に言えると思う。
いわば、「Let It Be」の「なすがまま」状態..。
決して「どうでもいいや~」って人生を諦めているんではなくて、「なるようになるのさ」っていう懐深さ。
苦しくなって変にもがいたりすると、余計に状態を悪くしたりする場合があるじゃない?
そういう時に、沈着冷静に状況を見極められるような人間の大きさ、余裕、...。
どん底状態を強いられた黒人達の奏でたブルースには、地位が高かったり、金を持っていたりする人達よりも、冷静に人生を見据える事の出来る魂の大きさがあるんだよね。
その音楽に傾倒したアイリッシュのロリーにも、ブルースを演奏するうちに無意識にもそういう魂が宿ってきていたんではないかな?
そんな事を感じさせられました...。
「 Moonchild 」や「 I'll Admit You're Gone 」には、ブルースだけではない、ロリーのメロディのセンスを感じさせられる。
もともと僕はこの「 Moonchild 」を聴きたくてこのアルバム買ったんだけどね...。
トリオではなく、キーボード・プレイヤーが参加してるけど、嫌味にはなっていない。
そこら辺はロジャー・グローバーのプロデュースの腕前と言う事だたのかな?

あるブログで読んだんだけど、元スミスのジョニー・マーはロリーのファンだったらしい..。
全然違った所で、ロリーの魂は受け継がれていたんだね....。

プロフィール
HN:
Euge
性別:
男性
趣味:
夢想、妄想、ナチュラル・ハイ
自己紹介:
ジョン・レノンから影響を受けた、
自称、シンガー・ソングライター...。
今日もニューヨークのアストリアで白昼夢。
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