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2008/9/20

世間一般の方はもうそろそろピンク・フロイドのキーボーディスト、リック・ライトの追悼儀式は終えているんではないかと思うんですが、そういう世間の波に乗れず僕は未だに追悼モードです。

う~ん、それにしても無念の一言。
ロック界には数々の超名キーボーディストがいるけど、リック・ライトのような個性を持っている人は他にいないのではないか。
そして、その個性がこの超ビック・バンド、ピンク・フロイドにどれだけ重要な位置を占めていたかは、彼らのこの1969年の2枚組アルバムを聴けば明白である。

Disc one: live album

1. Astronomy Domine (Syd Barrett) – 8:29
2. Careful with That Axe, Eugene (Waters/Wright/Gilmour/Mason) 8:50
3. Set the Controls for the Heart of the Sun" (Waters) – 9:15
4. A Saucerful of Secrets (Gilmour/Waters/Mason/Wright) – 12:48
   Something Else
   Syncopated Pandemonium
   Storm Signal
   Celestial Voices

Disc two: studio album

1. Sysyphus (Wright) – 13:26
   Part 1 1:08
   Part 2 3:30
   Part 3 1:49
   
Part 4
6:59
2. Grantchester Meadows (Waters) – 7:26
3. Several Species of Small Furry Animals Gathered Together in a Cave and Grooving with a Pict (Waters) – 4:59
3. The Narrow Way (Gilmour) – 12:17
   Part 1 – 3:27
   Part 2 – 2:53
  
   Part 3
– 5:57
4. The Grand Vizier's Garden Party (Mason) – 8:44
   Part 1: "Entrance" – 1:00
   Part 2: "Entertainment" – 7:06
   Part 3: "Exit" – 0:38

アルバムは1枚目がライブ音源、2枚目がスタジオ録音、と言う変則的な構成になっているが、特にライブ音源においてライトのキーボードがどれだけフロイドに必要不可欠であったかを如実に語っている。
個人的にはこのアルバムのライブ音源が他のどのアルバムより一番ピンク・フロイドらしい姿ではないかと思っているんだけど、この怪しげで危ない雰囲気を作り上げているのがライトのキーボードなのである。
そう、極端に言ってしまえば、ライトのキーボードこそピンク・フロイドなのだ。(繰り返し断りますが、「極端に言ってしまえば」と言う事です。)
このバンドの初期はシド・バレットと言う天才によってその狂気の世界を表現してきた。そして彼の脱退後、ロジャー・ウォーターズによってそれは引き継がれ形を変えて作り上げてきた。
しかし、その違った世界観の橋渡しはニック・メイソンの大海のようなうねりのあるドラムとライトの霧が霞むようなキーボード・サウンドによってなされたのは間違いのない事で、特にライトの存在が大きな鍵を握っていたように思う。
それは、このアルバムのライブ音源の構成にシド・バレット・フロイドの頃の曲「Astronomy Domine 」の演奏が収録されてる事によって良く聞き取る事が出来る。
これってシド・フロイドに決別を告げながらもそれを引きずっているバンドの姿が浮き彫りになってくるんだけど、ここでの音世界を牛耳ってるのは明らかにライトのキーボードだし、それはその後の3曲でも変ることなく世界を包み込んでいるのだ。
「A Saucerful of Secrets 」は「宇宙の創生を表現している。」と友人の友人が語っていたが、一歩踏み込んでこれは「地球創生から人類の誕生まで。」を表現しているのではないかと考えるんだけど、(或いは単に「生命の誕生」かもしれない)一番感動的な部分はライトのハモンド・オルガンなのだ。(ギルモアのスキャットだ!という説もある。)
兎に角、ライトの存在がどれだけピンク・フロイドにとって重要であったのかという事を理解していただけたのではないかと思います。

スタジオ録音の方はメンバー各自のソロの作品集的な趣きがあるんだけど、ここでもライトの作品「Sysyphus」は異彩を放っている。(う~ん、...、これはどうかな...。各自可也個性的で実験的な事をやってるからな~...。)
ピンク・フロイドの持つ現代音楽的なアヴァン’ギャルドな部分を請け負っていたのは、実はライトだったんじゃないかと思ってしまうんですな~、この作品を聴くと...。


...もうそろそろ時間だな...。(出かけなくてはいけないので。)
では、急ぎでもう少し...。

今回はリック・ライトにスポットをあててこのアルバムを聴いてみたけど、もちろん他の3人も凄い仕事をしていて、やはりこの4人がいてこそピンク・フロイドなのだな~と痛感した次第でして...。

いや~、実に素晴らしい。

あと...蛇足なんですが、メイソンの「The Grand Vizier's Garden Party 」のパート2の冒頭のパーカッションの部分が、ブルース・リーの映画「ドラゴン危機一髪」のサントラでパクられていたって知ってました?
どうでもいい話...。

ところで、このアルバムの日本語タイトルは「馬熊」もとい!「ウマグマ」だけど、アメリカ人に「ウマグマ」って言っても通じませんよ。
昔バンドの友達とフロイドの話をしていて、一生懸命「ウマグマ」って言ったんだけど通じず、結局最後に「あ~、アマガマか~。」って言われた事があるんっす。
アルファベットの「U」が最初に来ると大概「ウ」とは発音しないでしょ。
「Us」は「ウス」とは言わないし「Under」を「産んだー!」もとい!「ウンダー」とは読まないように...。
じゃなんで、「ウマグマ」なんてつけたのか?
これ、実は本当は冒頭に言った「馬熊」なんじゃないかな~?なんて思っている 今日この頃なんです。
いや~、またどうでも良い話をしてしまった...。




では最後に...。

心よりリック・ライト氏の冥福をお祈りいたします。
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Wright is Pink
リックライトを偲んで、ファーストアルバムから聴いています。いつ頃からライトが活躍しだしたのかをテーマにするつもりでしたが、なんとファーストから大活躍。今回、ゆっくり聴きながら、これサージェントよりいいなあ。ポールがビビッたのも無理ない。などと思ってしまいました。のちのピンクフロイドを決定ずけたのはA面とB面の一曲目。シドはここでしっかりとピンクの種を植え付けました。他の曲ももちろん、素晴らしいのですが、サウンドの方向ずけはここにあったように思います。よくプロデユースされたアルバムです。例によって日本とアメリカは当初、曲目が違っていましたが、英国オリジナルが本当の作品といえるでしょう。二枚目のa saucerful of secretsは危なくなってきたシドを見てロジャーが一曲目に"Let there be more light(Wright)"ははは。”もっとライトを”と歌ったのかどうか知りませんが、それを受けてライトは"Remember a day""See-saw"の二曲を提供、これが冗談抜きでいい曲なのだから、伝説になるべきバンドはやはり違います。もちろんキーボードでも大活躍。プロの世界では楽器のテクニックより、センスが物を言うのだという事実を実践して見せてくれてます。おとなしい性格の人だったようですが、音楽の幅はかなり広かったみたいで、Making of Dark side...での一こまで”オレはダークコードが大好きなんだ。”と言ってマイルスのカインドオブブルーを例にあげていたのがとても印象的でした。20世紀のクラシックにも造詣が深かったみたいでまさに静かでアブナイ音楽家の見本。全部、独学というのもその個性の源泉でしょうね。ライトにライトを当てて聴くピンクフロイドはまた特別な光りかたをしてオツなものです。まさに、Let there be more Wright!
僕はこれから、ウマグマに進みます。
ミスターT 2008/09/22(Mon)05:16:02 編集
Re:Wright is Pink
おっ、ミスターTさんもまだリック・ライト追悼の最中ですか。

ピンク・フロイドのファーストでシド・バレットに注目してしまうのは当然なのでしょうが、ちょっと視線をずらしてみると違う光(ライト)も見えてくるんですよね。
特にキラキラしているのがリック・ライトの光(ライト)だったりするんです。
セカンド・アルバムでも、何と言うか、内臓の奥に触れてくるとでも言う感じの不思議な暗さを持った曲をライトは書いていますね。
これはシド・バレットにはない別の世界観を持った曲で、ある意味ピンク・フロイドはシド・バレットが狂気に走って脱退した事がラッキーだったんではないかとも思わされますね。
実に素晴らしい曲です。

>プロの世界では楽器のテクニックより、センスが物を言うのだという事実を実践して見せてくれてます。

そうですね。
僕もライトのキーボードを聴いていると本当にそう思います。

>僕はこれから、ウマグマに進みます。

僕は今回「ウマグマ」に入ってから長かったです。
これがまた良いんですね~。実に...。
【2008/09/23 09:20】
ザッツ ライト!
「ウマグマ」の言葉の響きが一番ぴったりくるような気がします。このジャケットからしてプログレ感がみなぎっていますね。表の入れ子のトリックに目を奪われたかと思うと、裏ジャケのスケールの大きな現実感。滑走路に機材をシンメトリーに並べたのはニックメイソンのアイデアだそう。時間帯は夕暮れときかな?影がながく伸びています。
それにしても、この二枚組。よく出してくれました。ライブ プラス スタジオ録音は「クリームの素晴らしき世界」と同じ構成ですが、ピンクのそれは、はるかにラジカルな内容。特にライブは構成を持った長大曲の連続。ライトのオルガンがまたしても絶大の効果を生んでいる。曲の導入部と終焉部に入っていて後半のソロが素晴らしい。彼のキーボードが英国特有の雲を呼び、メイソンの打楽器が雷のように炸裂する。二人は雷神(メイソン)、風神(ライト)か?どの曲もシネマスコープを観ているような気分にさせられます。ドラマチックですね。スタジオのほうは、各自がひとりで音楽担当をやっているようですが、これホワイトアルバムの影響?でもここまでコマーシャル性を無視した音作りは過激としか言いようがない。ギルモアは一心にこのグループに合わせたプレーを模索しているよう。シドのギターより粘っこい、液体性とでも言ったらよいのか、それが新生フロイドによく溶け込んでいくんですね。今回、聴いてみて、あらためてこのライブの素晴らしさを認識しました。確かに彼らが残した最良の音源かも知れませんね。
最新刊のUNCUTでロバート ワイアットがライトの"SEE-SAW"を好きな曲として解説していて、この曲を聴いてから僕の作品を聴けば如何に影響されているか分るだろう。ライトは過小評価されていると発言しているのを見つけてとても嬉しかったです。
ミスターT 2008/09/28(Sun)13:43:25 編集
Re:ザッツ ライト!
>「ウマグマ」の言葉の響きが一番ぴったりくるような気がします。

そうなんですよね。もう慣れてしまったせいもあるかも知れないですが、「尼釜」もとい、「アマガマ」じゃあ~ね。
「馬熊」ですよね。

>ライブ プラス スタジオ録音は「クリームの素晴らしき世界」と同じ構成ですが、ピンクのそれは、はるかにラジカルな内容。

クリームの場合はバンドの持つ2面性(パフォーマーとしての姿とクリエイターとしての姿)を示す意味あいをもっていましたが、このアルバムではその意味あいとは違った所に彼らの主張があるように思えます。

>でもここまでコマーシャル性を無視した音作りは過激としか言いようがない。

まさにその通りだと思います。
これを初めて聴いた中学生の頃は流石についていけませんでした。
特にライトの「シシファス組曲」。
これは当時の僕等には可也えぐかったです。

>確かに彼らが残した最良の音源かも知れませんね。

ある意味、僕は「狂気」よりフロイドらしいとさえ思います。

>でロバート ワイアットがライトの"SEE-SAW"を好きな曲として解説していて、...

いや~、そうだったんですか。
これは嬉しいですね。
ソフツとフロイドは同期生みたいなもんでしょうから、お互い影響しあったんでしょうね~。
【2008/09/29 11:51】
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自称、シンガー・ソングライター...。
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