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1/6/2011

皆さん、明けましておめでとう御座います。
今年も当ブログを宜しくお願いいたします。

今年は例年と違い新年から気持ちが充実した状態のスタートとなりました。
久しぶりに音楽活動を再開する事が出来た事がその理由だと思いますが、今年はこの充実感を更にヒートアップさせたいと考えております。
期待していて下さい。

しかしその一方で今年は残念な事に新年早々ロック界では訃報が続きました。
Japan のベーシストだった Mick Karn。
Stealers Wheelの中心人物だった Gerry Rafferty。

ご冥福をお祈りいたします。



さて今年の僕の聴き初めは、ボブ・ディランの1970年のこの作品でした。


All songs written by Bob Dylan.

1."If Not for You" – 2:39

2."Day of the Locusts" – 3:57
3."Time Passes Slowly" – 2:33
4."Went to See the Gypsy" – 2:49
5."Winterlude" – 2:21
6."If Dogs Run Free" – 3:37
7."New Morning" – 3:56
8."Sign on the Window" – 3:39
9."One More Weekend" – 3:09
10."The Man in Me" – 3:07
11."Three Angels" – 2:07
12."Father of Night" – 1:27

アルバムを通して聴きたい方は
     ↓
 グルーヴシャーク

如何にも新年っぽいタイトルのアルバムです。(笑)
いや~、でも実際、半分はそういう意識が働いてのチョイスでした。
何か新しい事が始まる事への予感と期待に充ちた気分だったんだと思います。
この作品は所謂低迷期のディランのものではあるんですが、いや~実に素晴しいです。
ディランが何を意味してこのタイトルをつけたかは知りませんが、とても肯定的なパワーや新鮮な気分を感じさせてくれるものです。
ジャケットのディランの顔も挑戦的な意志が固い表情をしていてカッコ良いですね~。◎( ← 二重丸)
オープニング・ナンバーはジョージ・ハリソンやオリビア・ニュートン・ジョンのカヴァーでおなじみですが、ディランのオリジナル・ヴァージョンを知らないという人は結構多いのでは?(笑)
実際僕もジョージのヴァージョンの方がメロディアスで好きです。(笑)
ところでこのアルバムの特徴のひとつに、2曲目の「 Day of the Locusts 」(名曲ですね~これは...。)に象徴されるように、ピアノの多様化があると僕は思っています。
いや単に多様化というのではなく、ピアノがスタート地点であったと言うべきでしょうか。
つまり平たく言えば、ディランがピアノで作っただろう曲が多かったと言う事です。
基本的にディランはギターで曲を作っていると思われますが、このようにピアノ主体のものは数多いディランの作品の中でも、このアルバムくらいのものだと思います。
ここら辺にも彼の意識変化があって「 New Morning 」と言うタイトルに結びついてると言うのは...単純に考えすぎですかね?...。

今回この機会に色々このアルバムの事を調べたら、いくつか面白い話が見つかりました。
「Day of the Locusts」はプリンストン大学でディランが表彰された時の事を歌ったものだとか。(ディラン自身はとても嫌だったらしいですが...。)
「Went to See the Gypsy」は、エルビスの事を歌ってるという説とジミヘンのことを歌ってると言う2つの説があると言う事とか。

エルビス説は

He did it in Las Vegas

と言う部分から来ていて(ベガスと言えばエルビスでしたからね、当時は...。)、

ジミヘン説は、ジミヘンのバンド Band of Gypsiesからですね。

いや~、何も知らないで聴いてる時、

Went to see the gypsy
Staying in a big hotel

と言う歌いだしを聴いて、「何でジプシーが大きなホテルにステイしてるの?」とは不思議に思っていたんですが。。。こういうカラクリが分かると、な~るほどザワールド!と合点が行きます。
僕としては、エルビスよりジミヘンという印象が強いですね。

それにしても、最後の曲「Father of Night」とその前の曲「Three Angels」は入れ替えた方が良かったんではないか?と考えるのは僕だけでしょうか?
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2009/12/8

いや~、すっかり月刊と化している当ブログです。
当人は前回の記事からそんなに経った気はしていなかったんですけどね...。
最近益々時間の流れが加速してるように思われます。
そんなこんなで、ハッと気が付くと、何と!今日はもうジョン・レノンの命日ではないですか!
う~ん、Viva La Vida!
今夜もセントラル・パークには彼の死を悼む多くの人たちが集う事でしょうが、何を隠そうその昔は僕もそんな一人だったんです。(...って、別に隠す必要は無いでしょうけど。..と、毎回ひとりツッコミ。)
でも今はそんな時代を懐かしむただの親爺です。

そう、懐かしいと言えば、最近殆どCDを買っていなかったんですが、この間某日系の古本屋にて懐かしいCDを発見しまして思わず買ってしまいました。
そうなんです、フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドの1984年のこのデビュー・アルバム(アナログは2枚組)なんですね。


1. The World Is My Oyster – 1:57 (incorporates "Well...")
2. Welcome to the Pleasuredome –13:38(incorporates "Snatch of Fury (Stay))
3. Relax (Come Fighting) – 3:56
4. War (...and Hide) – 6:12
5. Two Tribes (For the Victims of Ravishment) including The Last Voice – 10:22 (Two Tribes version is actually Annihilation)
6. Born to Run – 4:13
7. Happy Hi! – 4:12
8. Wish (The Lads Were Here) including The Ballad of 32 – 7:35
9. Krisco Kisses – 2:57
10.Black Night White Light – 4:05
11.The Only Star in Heaven – 4:16
12.The Power of Love – 5:28
13.Bang – 1:08

懐かしく思うって事は、つまり、当たり前なんですけど、継続的でないって事なんですよね。
フランキーと同じ時期に活躍していたバンドにU2がありますけど、U2を懐かしいって思う人があまりいないわけです。
それってU2が未だにバリバリの現役として継続してるからなんですよね。
逆に、フランキーは?と言うと、もうバンドは解散してるし、僕自身彼等のこのCDは持っていなかったので、音楽を聴く事が無く、継続を断たれていたわけです。世間的にも個人的にも...。

で、懐かしさに誘われて久々に聴いたんですが...。

いや、今聴いても、結構良いです。

所謂ダンス・ミュージックという要素を基盤にはしていますが、これは決して踊る為だけの音楽ではなく、聴く為の音楽だと言って良いのではないでしょうか。
と言うのは、明快なメロディを持った楽曲のわりに音は暗いし、取り上げてるテーマが、セックス、同性愛、戦争、という重い物ばかりで、イエー!イエー!と両手Vサインだしながら踊る代物じゃないですから。
当時は彼等のスキャンダラスなイメージが先行していて、音楽性というものが真剣に取り扱われていなかったのではないかと思います。
このアルバムのプロデュースはあの「ラジオ・スターの悲劇」で有名なテクノ・ポップ・バンド、バグルスのトレイヴァー・ホーンなので、バリバリにシンセのアレンジが施されていて、プログレ的なフレイヴァーを醸し出しています。
曲も結構長いものが多く色々な展開を見せ、楽器バトル的なインプロを繰り広げるプログレの要素は無いとは言え、なんともプログレ的。当時のダンス・ポップとは一線を画していました。
プログレこそ最上級の音楽とさえ思い込んでいたプログレ信者の僕の興味をそそるのには十分な要素が揃っていたんですね。
それに、驚いた事に最初の曲のアコースティック・ギターはイエスのスティーブ・ハウが弾いているらしいです。
道理で「う~ん、このアコギ、プログレ的で良いな~。」なんて思わされていたわけです。
なるへそ~。
その一方ではベース・ギターはず~っとチョッパーでビンビンと低音を走らせると言う、時代に沿った音作りもされていた所が良かったんでしょうね。

 ”The World Is My Oyster”゜「世界は俺の思いのまま」と言う挑発的な言葉でアルバムは始まり、重いテーマを持った各曲を通り抜け、”Frankie Say, Nomore" と言う人間の愚行に対する バンドの言葉で終わると言う、コンセプト・アルバム的な作りにもなっています。
ここら辺は、やはりプロデューサーの負う部分が大きかったのかもしれませんね。

ところで、今回このCDを手にして何だかちょっとした違和感があったんですが、これジャケット違っていますよね。
オリジナルはこんなでしたね↓



更に収録されていない曲があったりして、
何でこうなるの?って思ってしまいました。  


一昨日仕事でデラウエアー州のウィルミングトンと言う所まで行って来ました。
ニューヨークから2時間から3時間と言った所でしょうか。
ニュージャージー・ターンパイクというハイウエイをず~っと最後まで行き、そこから橋を渡るとデラウエアー州になります。
デラウェアーの車のナンバー・プレートには誇らしく「First State」と州のニックネームが掲げられているのですが、どうもここはアメリカで最初に出来た州らしいです。
とても小さい州ですし、我々のような一般の日本人にとっては殆ど馴染みがないですが、小さい州は小さい州なりに誇りをもって存在してるんだな~と感心する次第です。...。何じゃそりゃ?

先日サイモンとガーファンクルのグレイテスト・ヒッツで昔の事を思い出し少しセンチになっていたので、そのセンチついでにこのディープ・パープルのうち立てたハード・ロックの金字塔「Made in Japan」を大音量で聴きながらデラウエアーからニューヨークに戻ってきました。

1. Highway Star - 6:43
2. Child in Time - 12:17
3. Smoke on the Water - 7:36
4. The Mule - 9:28
5. Strange Kind of Woman - 9:52
6. Lazy - 10:27
7. Space Truckin' - 19:54

これは1972年にリリースなんですね。
元々日本のパープル・ファンのために日本のみで「ライブ・イン・ジャパン」としてリリースされるはずだったのが、出来があまりに良かったのでその後全世界で発売される事になったと言う話を聞いた事があります。
日本は洋楽のアーティスト達にとって、いろんな意味でライブのしやすい環境だったんでしょうかね?
その後もチープ・トリックの「ライブ・アット・ブドーカン」しかり、ロックの名ライブ・アルバムが日本で録音されたものが結構多いんじゃないかな~と...。
小さい国、日本も世界中のロック・ファンに胸を張って誇れる事かもしれませんね。

で、このディープ・パープルのアルバムですが、これは僕の世代のハードロック親爺達にとってはバイブルと言っていい存在ですよね。
このアルバムがどれだけの影響力を持っていたかは想像を超えています。
かく言う私も、ビートルズやサイモンとガーファンクルしか聴いていなかった中学生時代、無限に広がる他のロック・フィールドへ導いてくれたのが、何を隠そうこのアルバムなんですね。
ハード・ロックと言う言葉に、単にうるさいだけの音楽というイメージしか持ち合わせていなかった少年に、一撃を加えて目覚めさせてくれたと言う感じでしょうか。
兎に角、何もかも新鮮でした。
スピード感溢れるハードな音。
激しく重いビート。
リッチー・ブラックモアの信じがたかった「Highway Star 」でのギターの早弾き。
イアン・ギランの「Child in Time 」における、驚異的な声量とその圧倒的なシャウト。
ジョン・ロードの摩訶不思議なオルガン・サウンド。
ロジャー・グローバーのドライヴ感あふれる低音。
イアン・ペイスの「The Mule」での 何じゃこの長いドラム・ソロは?なドラム。
「Strange Kind of Woman 」のギターとヴォーカルの掛け合い。
圧倒的な印象を刻み付けられた「Smoke on the Water 」のギター・リフ。
どれひとつをとっても、驚きで一杯でしたね~...。
中学生の時からず~っと聴き続けてきましたので、もう今では聴く前から音が頭の中で鳴ってしまって、何と言いますか...こう、冷静な批評を下せない状態ではあるんですが、先日久しぶりにアルバムと通しで聴きまして改めてこのライブ・アルバムの偉大さをつくづく感じました。
本当に、素晴らしい。
特に普段あんまり最後まで聴く事のなかった(笑)「Space Truckin' 」の後半のインスト・パートは凄まじく感激しました。
「宇宙のトラック野郎」などと直訳されて嘲笑のネタにもなりがちですが、まさに宇宙のトラック野郎大戦争的な音の総攻撃には圧倒されました~。
そしてジョン・ロードのサイケ色が消え去らないオルガンには改めて魅了されてしまいました。

これは自分のロック史における最重要アルバムのひとつとして残る作品であります。


2009/1/12

うげぇ~っ、今年初の駐車禁止のチケットを切られてしまいました。
いや~、またこれが凄い嫌なオマワリだったので思いっきりムカついてしまいました。まだまだ自分は悟りの境地には達していないな~と反省しながら、このフラワー・トラヴェリン・バンド、1971年このアルバムを聴きながら今帰ってきました。

1.  Satori, Pt. 1 5:25
2.  Satori, Pt. 2 7:06
3.  Satori, Pt. 3 10:44
4.  Satori, Pt. 4 11:01
5.  Satori, Pt. 5 7:58


Joe Yamanaka – vocals, harmonica
Hideki Ishima – guitar
Jun Kowzuki – bass guitar, guitar
Joji "George" Wada – drums

日本のロック・ヒストリーに燦然と輝く超名盤ですね。
メロディやリズムに日本人にしか出せない「和」の香りのブレンドを試みて、欧米にはない全くオリジナルな作品になっています。
僕は学生の頃先輩に聴かせて貰ったのが最初でした。
アメリカに来る時、このアルバムは絶対に手に入らないだろうと思い、カセット・テープにレコードを録音して持って来ましたが、今になって、ここアメリカでもあちらこちらでこのアルバムを見かけることがあります(イースト・ヴィレッジのCD屋に大々的にディスプレイしてありましたし、アマゾンでも買えます...。)
しかしながら彼らをジャパニーズ・ブラックサバスと紹介しているのは、僕はちょっと違うんではないかな~と思うんですね。(影響は勿論あったんでしょうけど...。)。
う~ん、まあ、言いたい事分かるんですけど~、

この当時、ロックを英語でやるべきか日本語でやるべきかと言う論争が日本であったようですね。
英語でやるバンドの代表格がこの「フラワー・トラヴェリン・バンド」で、日本語でやるバンドの代表格が「はっぴいえんど」だったのでしょうか?
僕はその昔、ロックは英語でやるべき派に属していたと思います。
ロックはアメリカで生まれた(そしてイギリスで育った)音楽なので、その国の言語で(つまり英語)でやるのが当たり前だと単純に考えていたんですね。
またその方がカッコいいような気もしていました。
今日本でも演歌を歌うアメリカ人歌手がもてはやされているようですが、彼は当然日本語で歌っている訳です。
演歌は日本のものですからね。
もし彼が英語で歌っていたら、あんまりレコードも売れないでしょう。
ただもし彼が祖国アメリカへ帰ってこの歌を売り込もうと思ったら、当然英語に変えて歌わないと相手にしてもらえないので録音しなおす事になるでしょう。
つまりこれって言うのは、単にどっちの国の聴衆を対象にして歌うかで変るだけの話で、ロックは英語で歌わなければロックじゃないと言うようなロック哲学の話とは違っているんじゃないかと思うわけです。
今現在の僕の考えは...日本語でも英語でもどっちでも良いんじゃない...というのが正直な感想です。

自分のやりたいようにやる。
これがロックの基本姿勢ですから...。

結果的にフラワー・トラヴェリン・バンドもはっぴぃえんども自分たちのやりたいようにやって、素晴らしい作品を世に送り出し、こうやって日本のロックの歴史を築いていったわけです。

「Satori, Pt. 2」でジョーが

There is no up or down
Your truth is the only master

とまさしく歌っているように
上とか下とか、良いとか悪いとか、売れるとか売れない、じゃなくて、自分の中の真実に従ってやって行きましょうよ、と言う事なんだと思います。

ただ僕個人的には、英語と日本語のミックスでやっている歌謡曲的ロックなノリは好きになれませんので、是非やめてもらいたいと思っています。

ところで、全然知らなかったんですが、先月再結成したフラワー・トラヴェリン・バンドがニューヨークのニッティング・ファクトリーでライブを敢行していたんですね~..。

知らなかった~...見逃した~...。

あ~あ、残念。


2008/10/11

いや~、もうすっかり秋ですな~。
朝晩と大分寒くなりやした。

昨日仕事から帰ってきたら7年生(日本で言えば小学六年)の長男がコンピューターに向って宿題をしていた。
どうもこの間からやっている社会のレポートのようだった。
このレポートと言うのが中々凄くて、今回大変に盛り上がっている大統領選における両候補の討論会を観て、そこから各候補の政策をリポートにするというもの。
各生徒にそれぞれ設題がされていて、うちのは環境問題について2氏が討論をしている事をまとめる事になっていた。
う~ん、こんな子供の時から政治に関心を持たせる教育を行っていれば、政治と言うものが別世界のものでなくなっていくんでしょうな~。
さすがアメリカです。

そんな子供を横目で見ながら、大変なんだな~、なんて言いながらその父親は、「さあ今晩は何聴いて寝よう?」ってCDの棚を覗き込んでいるだけ...。

...、いやいや、親はあんまり立派じゃない方が良いんですって、それの方が子供がしっかりするから。

う~ん、それにしても大統領選ももう最後の角に差し掛かっている感じっすね~。
僕自身は選挙権はないので投票は出来ないけど、僕だったらどっちに投票するかな~?
中には投票用紙に変なこと書く奴もいるんだろうね。
「マイルスに1票!」とかね...。

と、無理やり話をこっちに持って来ましたが、昨日はマイルス・デイヴィスの1972年のこのアルバムを聴きながら寝ました。

All songs written by Miles Davis.

1. On the Corner
  New York Girl
  Thinkin' One Thing and Doin' Another
  Vote for Miles (19:55)

2. Black Satin (5:16)

3. One and One (6:09)

4. Helen Butte / Mr. Freedom X (23:18)

ファンクでもロックでもジャズでもあるアルバム....。
って、言うか、ファンクでもロックでもジャズでもない、エレクトリック・マイルス・ミュージックなんでしょうな~。
何者にも囚われない実に自由な感覚。
素晴らしい。
各楽器のミュージシャン達も他のプレイヤーの演奏を聴きつつ自分の演奏に没頭しているという空気が伝わってくる。
うん、多分そういう態度が音の中に都会的なカオスをクリエイトしているんだろうな~。
そう、僕は都会に起こるエゴとエゴのぶつかり合いのエネルギー的なものを強く感じるんだな~。
これは断じて宇宙的でもないし、大自然的でもないんだよね。
そこにはある法則が存在していて、ベクトルの方向が四方八方に分かれていて衝突は起こるものの、何かがそれを円く治めている。
都会においてそれは、法律かもしれないし、宗教かもしれない、はたまた良心かもしれない...。
このアルバムにおいてそれは、マイルスなんだよね。
1曲目(って言うか、最初に収録されたセッション?)の最後のタイトルが「Vote for Miles」ってなってるのも、半ばジョークじゃないんだろうね。



そうだな~、マイルスに1票入れても良いかもね。


2008/4/4

此処のところ平均的に気温も暖かくなり春の予感を感じています。
ワシントンDCでは今週末に桜が満開になるそうですね。
一度DCの桜は観に行ってみたいんですが、中々機会に恵まれません。

ここ数日ディランの1973年のこのアルバムを聴いていました。
これはサム・ペキンパー監督による同名映画のサントラ盤です。

1. Main Title Theme (Billy)
2. Cantina Theme (Workin' for the Law)
3. Billy 1
4. Bunkhouse Theme
5. River Theme
6. Turkey Chase
7. Knockin' on Heaven's Door
8. Final Theme
9. Billy 4
10. Billy 7

サンプル♪

ご存知かもしれませんが、この映画にはディランも出演しております。
僕は小学生か中学生の頃テレビでこの映画を観たのですが、脇役で出演していたディランがカッコ良くとても印象に残っていました。(恥ずかしながら、つい今まで主演がジェームス・コバーンだったのを忘れていました...。クリス・クリストファーソンは覚えてましたけど。)

さてサントラですが。
当時は批評家から結構な辛口の評価を得ていたようですが、「いやいや皆さん何をおっしゃるの?」と僕はつっこみたくなるくらいこのアルバムは好作品だと思います。
ボブ・ディランと言えばフォーク時代、ロックンロール時代、カントリー時代と変遷を重ねていった訳ですが、どの時代にも言えるのは、彼は常に偉大なシンガー・ソング・ライターであった事です。
そして今でもディランは、唯一ジョン・レノンと肩を並べる事の出来るソング・ライターであると思います。
しかしながらこのサントラのアルバムではディランはソングラーターと言うより「音楽家」としての側面を見せており、そしてそれは恐らく彼の歴史の中でも殆ど見ることのない部分だと思います。
まあ、つまり簡単に言ってしまえば、ディランの中で最も大きな比重を占める言葉(歌詞)が圧倒的に少なく、アルバム全10曲のうち4曲しか歌がないのはこのアルバム以外にないと言う事ですね。
映画に出演し、また音楽家としての可能性も試した、ディランにとっては自身の探求時代であり、結果的に最も異彩を放った作品として残った訳です。
基本的にディランがアコースティック・ギターをプレイして他の楽器とジャムってる感じですが、いやいや、これが良いんです。
1曲目のギター・サウンドの美しいこと!(タンバリンがまた良いんですね~これが。)
荒野の赤茶けた砂埃のなかにキラキラと落ちてくる太陽の光のような、そんな印象を受けます。
アコースティックでリードを取ってるのはBruce Langhorneさんのようですね。
素晴らしい!
そしてブッカーTがベースを担当してるようです。

3曲目にして、初めてディランの声を聞くことが出来ます。

There's guns across the river aimin' at ya
Lawman on your trail, he'd like to catch ya
Bounty hunters, too, they'd like to get ya
Billy, they don't like you to be so free.

う~ん、映画を基に作られたとは言え、この皮肉っぽい歌詞はやはりディランならではでしょう。
そう、「自由」とは何ぞや?と...。
人々は何かと言うと「自由」と言う言葉を口にするけど、実際に「自由」な人間が出てくるとそれを潰しにかかる。
映画「イージー・ライダー」も似たテーマを持っていましたね。
それをビリー・ザ・キッドに投影させて歌ってるんですね。

う~ん、しびれます。

そしてこのアルバムの価値を、ググ~ん、と上げてるのが皆さんご存知の「Knockin' on Heaven's Door」ですね。
今更この曲に言及する必要は無いでしょう。
ジム・ケルトナーがドラムを叩いているんですが、彼はあまりの感動に涙を流しながらドラムを叩いていたらしいです。(多少の誇張はあるかもしれないですが、本人談です。)

いや~、久しぶりにこの映画見たくなってきました。


2008/3/13

今日は久しぶりに英米人混合の産業ロック・グループ、フォリナーの1978年のセカンド・アルバムを聴いていました。

01 . Hot Blooded
02 . Blue Morning, Blue Day
03 . You're All I Am
04 . Back Where You Belong
05 . Love Has Taken Its Toll
06 . Double Vision
07 . Tramontane
08 . I Have Waited So Long
09 . Lonely Children
10 . Spellbinder


たまには良いですな、こう言うのも。
ストレートでポップで。
でもいきなり1曲目の「hot blooded」から理屈っぽい僕はちょっと思うことがありました。

Well, I'm hot blooded, check it and see
I got a fever of a hundred and three
Come on baby, do you do more than dance?
I'm hot blooded, I'm hot blooded

2行目なんですが...、
「103度の熱がある。」って歌ってる訳です。
今でこそ米国で暮らしている僕はこれを聴いて、妙~に現実的な103という数値に思わず笑ってしまったんですね。
おそらくは韻を踏む為に hundred and three という半端な数字を当て込んだんでしょうが、これがね~、何だかつぼにはまってしまって...。
でも温度に華氏を使ってる人はその数値の現実性を実感できるでしょうが、摂氏を使ってる人達にすれば現実離れした数値になってしまうわけです。
摂氏103度の熱なんて人間出る訳がないんですから。
となると聴いてる人はロック特有の「誇張」だろうと考えるでしょう。
こうなると聴いてる2者の間(或いは表現者とそれを受け止める側の間)には隔たりが出来てしまうんですね。
僕はこのフォリナーが英国人と米国人の混合バンドなので、リハーサルをしながらでも英国人側からこの歌詞に指摘はなかったのかな~なんて思っていましたが、実は、エゲレスも温度に華氏を使っていたんですね。(最近は摂氏も使っているようですが...。)
いや~知らなかった。
ロックを聴いていると少しは勉強になります(笑)

それにしても僕はこのバンドでイアン・マクドナルドが一体何をしたかったのか、はなはだ疑問が残る所なんですが、ミック・ジョーンズの作品「I Have Waited So Long」に新生キング・クリムゾン(ってかなり古い表現かな?)の「待ってください」とかのオリエンタルっぽい雰囲気を感じて妙に納得してしまいました。

我ながら、単純だな~...。


2008/1/30

今日は仕事が午後からなので、午前中家でのんびりしながらブログをアップしているEugeです。

う~ん、自由気ままな生活...。

そして今回取り上げたるはこの「自由な」とタイトルされた、「自由な」という名のバンドの1969年のセカンド・アルバム。

「自由」。

最近僕は「自由」って言うのは幻想なんじゃないかと思っているんですが...、それはそれとして置いといて。
人間、自由だったら何をしたいか....。
この間村上春樹氏の本を読んでいたら、彼は全裸になってビーチで寝そべりたいと書いていて...実際無人島で実行したみたいですけど...人によって様々な欲求があるんだな~と感心していました。(笑)
すると中には、「一日中マリワナ吸ってラリっていたいぜ~!」って思う人も絶対いると思うんですが、このフリーのアルバムを聴いているとそんな事を強く感じます。

1 . I'll Be Creepin'
2 . Songs of Yesterday
3 . Lying in the Sunshine
4 . Trouble on Double Time
5 . Mouthfull of Grass
6 . Woman
7 . Free Me
8 . Broad Daylight
9 . Mourning Sad Morning

もう1曲目からマリワナの匂いがプンプンするような雰囲気が立ち込めてます。
リズム隊のはじき出す気だるいグルーブ。
そしてそれにかぶさってくるワウのかかったギターサウンド。
ソウルフルではあるけどレイド・バックしたようなヴォーカル。
ブルースやソウルが基本にあるのは揺ぎ無いもんなんですが、それらを前面に押し出した彼らのファースト・アルバムと聴き比べると何か意識の変化みたいなものをこの作品には強く感じさせられます。
次作ではまたファースト・アルバムっぽくストレートなロック・アルバムになるのを見ると、この時期フリーに外的にしろ内的にしろバンドに変化をもたらす要因があったんじゃないかなと感じます。
もしかしたら、この時期に初めてマリワナを体験したとか...?
特にギターのポール・コゾフ。
このアルバムのギターの音、他のと随分違ってますよね。
おまけに4曲目はギター・インストで「Mouthfull of Grass」というタイトル。
「口いっぱいにほうばったマリワナ」とでも訳せばよいのでしょうか?
ポール・コゾフの願望がそのまま明からさまなっているようで凄い。
この過激な匂いはこのアルバムを支配しているように思えます。
紫色の煙がゆらゆらと陽だまりの中に解けて行く様を、ず~っと眺めていたくなる様な...。

いや~、素晴らしい。
浸っていたいですね~。

全体的に派手さのない作品ですが、マリワナの「だし」の効いた味わい深い僕好みのアルバムです。


2007/9/13

いや~、大分ご無沙汰してしまいました。
ニューヨークも9月になって随分と秋めいてきましたね。
皆さんお元気でしょうか?

このところ連日のように早朝に仕事が入っていたので、結構大変でした。

と言う事で、ここ数日このデキシー・ミッドナイト・ランナーズの1982年のアルバムを聴いていました。

う~ん、懐かしいですな~。

「Come on Eileen」 。

この曲は可也ヒットしたように思いますが、このバンドその後が続かなかったんですね。
数年前にVH1の「one-hit wonders」と言う番組でこの曲がエントリーされていたのを見ました。「one-hit wonders」...つまり「一発屋」と言う事ですな。
確かにアルバムを聴いているとこの曲は他の曲に比べ可也抜きん出ているけど、結構他にも「The Celtic Soul Brothers (More, Please, Thank You)」や「Old」、「Plan B」と言った良い曲が収録されているんです。
特に「Old」なんて好きだな~。
昨日仕事帰りにハイウエイを走っていて、沈んでいく夕日を前に見ながらこの曲を聴いていたら涙がチョチョ切れそうになりました。
ただ僕にはこの人達の歌詞がよく聞き取れないので、あまり何を歌ってるのか分かりません...。
この人達って、アイリッシュ?
そのせいかどうか、日本でもこんな風に勘違いされていましたけど(笑)...。


2007/7/17

もう先週の話になるんだけど、ドアーズのジム・モリソンの死亡について新説が発表されて可也話題になっていた。
その当時のパリのクラブのマネージャーが、ジム・モリソンはクラブのトイレでヘロインのオーヴァー・ドースの為死んでいたのをドラッグ・ディーラーがジムの自宅まで運んだと新事実を公開した。
オフィシャルでは、自宅のバスタブの中で心臓発作の為死亡と発表されていた。
このジム・モリソンの死因に関しては ジェリー・ホップキンスという作家(ロック・スターの伝記で有名?)の「No One Here Gets Out Alive」という本でも言及を避けて、単に「オフィシャルの発表では...」と書かれていたのが印象的だった。



未だに世間を賑わせているジム・モリソンと言う男。
何処まで人騒がせな男なんでしょうか?(笑)

と言う事で、ここのところず~っとドアーズを聴き続けている。
ブルースを基調にしながらもそこに止まらず、様々な音楽的実験を成功させてきたドアーズ。
素晴らしい。
彼らの凄い所は、その後コインの表裏のような関係になるプログレとパンクという進化したロックの形の両面を持ち合わせていた事だと思う。
実際こんなバンドは他にあまり見つからない。

そして今日は1967年発表のこのセカンド・アルバムを聴いていた。
彼らのデビュー・アルバムはロック史に残る衝撃的作品だったが、しかし作品的完成度はこのセカンドの方が上かも知れない。

まず何とも怪しげな雰囲気の漂うジャケット。
ドアーズの作品の中唯一このアルバムのジャケットだけがメンバーの写真を基調に構成されていない。
実は先日このアルバムの撮影されたNYCの36丁目へ行ったので(って言うか毎日のように通っている....。)写真など撮ってまいりました。
現在はこんな風です。



アルバムはタイトル・ナンバーの「Strange Days」で幕を開ける。
ここで歌われている Strange と言うのは、ドラッグによる幻覚とも取れるし、ベトナム戦争という時代背景の非日常性とも取れるし、或いはファースト・アルバムの成功にて変化した彼らの生活とも取れるような気がする。
怪しい中にも力強さを感じるナンバー。

「You're Lost Little Girl」はメランコリックながら美しい曲調を持つ。歌詞は可也シンプルなんだけど、逆に僕には何を言いたいのかが謎の曲。

You're lost, little girl,
You're lost, little girl,
You're lost.
Tell me, who are you?

Think that you know what to do.
Impossible, yes, but it's true.
I think that you know what to do, yeah.
Sure that you know what to do.

ロビー・クリーガーのギターが張り切っている。
僕はこの曲の彼のソロなんて可也良いと思う。
透明感があり、冷たい空気のようなものが、サラッと一瞬でで世界を包み込んでしまうようである。

「Love Me Two Times」
何故に Twice ではなく Two Times なのか?
実際歌詞の中では Twice とも歌ってるんだけど...。
昔日本で英語学校に通ってる時に、英作の文章中に Two Times と書いて先生に Twice と訂正された事があった。
この部分に寄せるジムの思いと言うのはどう言う事だったんだろう?

「Unhappy Girl」の中の

You are locked in a prison of your own device

と言う部分。
イーグルスの名曲「ホテル・カリフォリニア」の中の

We are all just prisoners here, of our own device

と言う部分に影響を及ぼしていないかな~?

ジムの詩の朗読にアヴァンギャルドな音のコラージュを加えた 「Horse Latitudes」~「Moonlight Drive」。「Moonlight Drive」はジムの処女作らしいが、何故にファーストに収められなかったのか?
ロビー・クリーガーのスライド・ギターの音が印象的。

「People Are Strange」はロック評論家の渋谷陽一氏も絶賛の名曲。

People are strange when you're a stranger,
Faces look ugly when you're alone.
Women seem wicked when you're unwanted,
Streets are uneven when you're down.

When you're strange
Faces come out of the rain.
When you're strange
No one remembers your name
When you're strange,

ジョン・レノンの「クリップルド・インサイド」と言う曲にも歌われている痛烈な自己批判がここにある。
「strange」と言うのは一体なんなのか?と...。
素晴らしい。

「My Eyes Have Seen You」は後のアルバム「モリソンホテル」に収録さた「ザ・スパイ」を思わせられる。

「I Can't See Your Face in My Mind」に続いて、大作「When the Music's Over」が炸裂する。
前作でアルバムの最後を飾った「The End」の姉妹曲?とでも言うべき作品。
曲のアイデアや、形態、フレーズなど前作から借用されている部分はあるが、聴き応えのある見事な一品に出来上がっているのは、流石ドアーズ!と言うべきだろう。

...。と全曲YOU TUBEで視聴できるので、アルバムを聴いた事の無い人はお試しください。

(この文章を書いている最中に事務所から電話が入り、明日の早朝の仕事が入ってしまったので、尻切れトンボのようですが此処で終わります。)








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Euge
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夢想、妄想、ナチュラル・ハイ
自己紹介:
ジョン・レノンから影響を受けた、
自称、シンガー・ソングライター...。
今日もニューヨークのアストリアで白昼夢。
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