忍者ブログ
天知る 地知る 汝知る
[1]  [2]  [3]  [4]  [5
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


5/7/2011


日本で原発の事故があって以来、放射線に関して不安が拭い切れないものがあります。
僕の両親や兄などは良いとして(...って、良くはないですが)甥っ子が心配なんですね。
子供は放射線に敏感であるし、もし癌になったら進行も大人に比べて断然早い。
至極当たり前ですが、やはり大人が子供を守ってあげないといけない訳です。
僕の友人なんかも、自分はどうでも良いから子供たちはどうにかしてあげたい...と僕に言っていました。

こう言う感情と言うのはごく自然に出て来る、言わば当たり前の親心な訳ですが、実はこれが人間という生物の存在理由のひとつなんだとも思います。
僕らは親からDNAを受け継いできているんですが、これは自分の祖父、更にはその祖父、そして辿っていけば江戸時代、平安時代、飛鳥時代はたまた原始人の時代へとも遡って行く訳です。
(最後はアダムとイブまで行くのでしょうか(笑)
となると、今これを読んでくれているあなたと僕は同じ起源を持つ遠い遠い親戚なのかもしれないですね(笑))
このように自分の全然知らない人から受け継いで来たこのDNAというバトンを貰って今こうして走り続けている僕らは、今度はそれを自分の子供に託して引き継いで行って貰おうと日々悪戦苦闘してるんですね。
実際人間の存在理由なんてこんなもんかもしれないですが、このDNAというどれだけの意味や価値があるのか分からないものを伝えていく行為そのものが意義のあることなのでしょう。
そういえば運動会のリレーで前の走者からバトンを託された時の「ヨッシャ、まかせろ!」と言う気持ちと次の走者へ自分がバトンを渡すときの「たのむぞ!!」という気持ち、あの不思議な満足感と期待感、それと同じなのかもしれないですね。

ということで、今日はムーディ・ブルースの1969年のこの作品を紹介します。
このタイトルは「From Our Mother's Mother's Mother」とも言い換えることが出来るんでしょうね。


1."Higher and Higher" (Graeme Edge) - 4:07
2."Eyes of a Child I" (John Lodge) - 3:24
3."Floating" (Ray Thomas) - 2:59
4."Eyes of a Child II" (Lodge) - 1:24
5."I Never Thought I'd Live to be a Hundred" (Justin Hayward) -
6."Beyond" (Edge) - 2:59
7."Out and In" (Mike Pinder, Lodge) - 3:50
8."Gypsy (Of a Strange and Distant Time)" (Hayward) - 3:33+


9."Eternity Road" (Thomas) - 4:19
10."Candle of Life" (Lodge) - 4:15


11."Sun is Still Shining" (Pinder) - 3:40
12."I Never Thought I'd Live to be a Million (Hayward) - 0:34
13."Watching and Waiting" (Hayward, Thomas) - 4:16

ムーディ・ブルースの作品中僕はこのアルバムが可也のお気に入りです。
彼らの優しいサウンドがこのアルバムのタイトルが示す意味合いに非常にマッチしているように感じられます。
PR


4/11/2011

NYではやっと春の訪れを感じられる天候になってまいりました。
何とも嬉しい事です。
しかしながら日本では原発の問題等々、先行きが見えてこない状況が続いているようで、NYに住んでいる僕ですら不安を覚えます。
なるだけ早く安定的な状態になるよう願うばかりですが、何も出来ないあまりに無力な自分を切実に思わされます。

さて、話題がコロッと変わりますが...、先日久しぶりにアマゾンにてCDを購入いたしました。
そのうちの1枚がこのポール・マッカートニーがクラッシクに挑戦した1997年の作品。

Movement I - After heavy light years
1."Fire/Rain" Allegro energico – 4:30
2."Cell Growth" Semplice – 8:30
3."'Human' Theme" Maestoso – 3:36

Movement II - He awoke startled
1."Meditation" Contemplativo – 3:57
2."Crystal Ship" Con moto scherzando – 2:02
3."Sea Voyage" Pulsating, with cool jazz feel – 3:39
4."Lost At Sea" Sognando – 4:37
5."Release" Allegro con spirito – 1:54

Movement III - Subtle colours merged soft contours
1."Safe Haven/Standing Stone" Pastorale con moto – 4:11
2."Peaceful moment" Andante tranquillo – 2:09
3."Messenger" Energico – 3:35
4."Lament" Lamentoso – 2:26
5."Trance" Misterioso – 5:32
6."Eclipse" Eroico – 4:57

Movement IV - Strings pluck, horns blow, drums beat
1."Glory Tales" Trionfale – 2:40
2."Fugal Celebration" L'istesso tempo. Fresco – 4:25
3."Rustic Dance" Rustico – 2:00
4."Love Duet" Andante intimo – 3:43
5."Celebration" Andante – 6:15


まだ聞き込んでいないので、あまり作品を語る事が出来ないんですが、最後の曲はメロディ・メーカーのサー・ポールの名に羞じることない素晴しく美しいメロディで、久々に涙がチョチョギレました。
流石!!ポール!!
ちょっと"Hope Of Deliverance"のメロディっぽい部分があるように僕には思えますけど...(笑)。


ロック・ミュージシャンの中にはクラッシックに対して妙な劣等感を抱いてる人達がいるように思われますけど、ポールもそんな中のひとりだったんでしょうか?
やはり、こう何て言いますか、音楽的な人ですからね。
またテクノロジーの進歩というものが、それを手伝ったようですね。
              ↓


ジョン・レノンやボブ・ディランなんて絶対にやりそうもない事ですものね。

しかしながら、この作品の動機や是非、好き嫌いは別にして、あのビートルズのポールマッカートニーの挑戦の記録として非常に意義のある作品である事は間違いないと思います。
どんな形であろうと恒に前を向き闘いを挑んでいるポールの姿には好感が持てます。
そこには揺ぎ無い強い意志が、正にStanding Stoneのように聳えています。

そう、「強い意志」が今の僕等には大切な事かも知れないですね。



3/4/2011

前回CDの価格高騰に関して情けない記事を書いたので、それを読んだ大学時代の先輩が不憫に思って、僕にこのCDを送ってくれました。
何ともはや、優しい先輩です。

有難うございました~!!

マイク・オールドフィールドの1984年の作品です。

All tracks by Mike Oldfield

1."To France" – 4:37


2."Poison Arrows" – 3:57


3."Crystal Gazing" – 3:02 4."Tricks of the Light" – 3:52


5."Discovery" – 4:35


6."Talk About Your Life" – 4:24


7."Saved by a Bell" – 4:39


8."The Lake" – 12:10


マイク・オールドフィールドと言うと、映画「エクソシスト」で使われた「チューブラ・ベルズ」が有名ですが、あの作品に象徴されている様に、彼は当時のアナログ・レコードで言う所の片面に1曲という約20分前後の超大作ばかり作っていたんですね。
それが段々と小品を作る様になって行って、ここでは精々エンディングの曲、「The Lake」で過去の片鱗を見せているに留まっているんですね。
これはおそらく前作「クライシス」で、「ムーンライト・シャドウ」がヒットしたのを受けたものよるのだと思います。
まあ、この「ムーンライト・シャドウ」、以前(大昔)にも書きましたが、当時僕のルームメイトだったイタリア人とチェコ人が「そう言えば、昔”ムーンライト・シャドウ”って流行ったよね~。」なんて会話していた位ヨーロッパでは大ヒットだった訳です。
ちなみにその当時日本では、シブがき隊の「ZOKKON 命」なんていう歌がもてはやされていたのですから、何とも羨ましい限りでした。
このヒットにマイクが気を良くしたんでしょうね。
以前と違い全体にこじんまりとした聴き易いアルバムにしようとする意識を感じます。
しかしながら単なるヒット狙いと言うよりも時代の変化を直接的に感じて、マイクの中で意識変革が起こったという気がします。
僕がこのアルバムを聴いて強く感じたのが、”如何にインパクトのある短いフレーズを刻む事が出来るのか?”と言う事に重きを置いているのでは?と言う事でした。
昔は前記の通りプログレ超大作ばかり作っていて、フレーズひとつのインパクトより曲の構成やアレンジに重きが置かれていた様に感じます。
と言うか、これは所謂プログレ全般に言える事だと思うんですが、聴かせたいフレーズというかパート、言わば聴かせ所はひとつあって、そこまでどう言う経路で辿って行かせるかというのがプログレ超大作の醍醐味だったわけです。
それを、もうややっこしい事は止めて、聴かせたいフレーズをシンプルにバーンッと出せば良いじゃん!と目覚めたんでしょうね。
まあ、スイカを塩をかけて食うか?そのまま食うか?の違いではないでしょうか?(何のこっちゃ?)
1曲目の「To France」でいきなり強烈な泣きのメロディーが炸裂します!!
ここに全てが在ります!
再びマギー・ライリーと組んで「ムーンライト・シャドウ」を超えると言っても過言ではない、素晴しい作品になっていますが、もしかしたらフランスの観光局に頼まれて作ったのかな~なんて邪推をしてしまった僕自身を恥じます。
素晴しい作品です。
この後も各曲で短い印象的なギター・フレーズが飛び出して来ます。

アルバム・タイトルが示してる通り、これはマイクにとって正しく「発見」だったのではないでしょうか?

プログレの世界での価値観。

超絶テクニック。
超大作主義。
等々..

だけが、良い音楽ではないのだ、と。


2009/4/2

去年から「プログレを大いに語る会」(正式名称は未定。)なるものが発足しまして、プログレ好きのおやじ達が季節毎に集まって、徹底的にプログレについて語り合うと言うとても有意義な時を過ごしております。
今月にまた定例会の予定があるのですが、それに先立って(と言うか、たまたまなんですが...。)その会の会長にニュークリアスのCDを借りまして、ここ数日間聴き狂って居ります。

借りたどのアルバムも良いんですが、この1971年のセカンド・アルバムは可也ビビ~ン!と響いてきました。

1. Song For The Bearded Lady
2. Sun Child
3. Lullaby For A Lonely Child
4. We'll Talk About It Later
5. Oasis
6. Ballad Of Joe Pimp
7. Easter 1916

プログレッシブ・ロックと言う文脈で語られる事の多いバンドですが、どちらかと言うとこれはジャズですね。
ジャズと言ってもモダン・ジャズではなく、マイルスがエレクトリックな楽器を大いに取り入れロックに向って行った頃の所謂「エレクトリック・マイルス」に非常に近いです。
僕は今回初めて彼等の音を耳にしたのですが、「プログレ」と言う先入観を持って聴いていたら恐らく受け付けなかったでしょう。
たまたま気分的にこう言う音にもオープンな状態だったので、内角低めギリギリのストライクだったんですね。
しかしながら、キャッチャーとしては「おおっ、このコースをストライクで取ってくれるのか~!」と妙に気持ちのいい状態になってしまって、「じゃあ次も同じコースで!」とピッチャーにサインを出してしまうと言うのに似てると思います。(何じゃそれ?)
彼等が当時どんなスタンスで活動していたのかはあまりよく知りませんが、ロック側からは「これはロックじゃないぜ!」と言われ、ジャズ側からは「こんなのジャズと呼べないよ。」と拒否され、非常に難しい立場に置かれていたのではないかと想像します。
そう言う微妙な状況で聴衆から「お前達の音楽は一体どっちなんだ?ロックかジャズか?」と訊かれ、それに答えたのがこのアルバム・タイトル「We'll Talk about It Later」(そんな事、後で話してやるよ!)ではないかと思うんです。
「音」を限定してしまう前に、兎に角その「音」を聴いてみてくれ!そしてその後でいくらでも話をしようぜ!と言っている様に感じました。(或いは話をする気など全くなかったかも知れませんね。ただ単に「音」を提示していただけかも...。)
いや~、僕はそんな中でクリス・スペディングのギターに感じるものがありまして、流石ロック野郎だな~と感心してしまいました。
彼の演奏はジャック・ブルースの一連のソロ・アルバムでしか知らなかったので、地味ながらも評価の高い彼のギター・プレイの真髄を目の当たりにしたような気がしました。
う~ん、1曲目のギター・リフから「おおっ!これは~、もしや~」と思ってしまったのですが、そうです、ソフト・マシーンが後にこのリフを再利用していますね。
「Song For The Bearded Lady 」...。
「あごひげの女」ですか~...。
確かにヒゲの濃い女性っていますけど、「あごひげの女」って...。
...、う~ん、と言う事は、これは「おかま」の人の為の曲なんですかね。
なんかユーモアがあって良いです。
「Ballad Of Joe Pimp 」って言う曲のタイトルは、ザッパのアルバム「ホット・ラッツ」収録の「Willie the Pimp」に対抗したものでしょうか?そうじゃないにしても何らかのインスピレーションは与えていたかも知れませんね。

いや~、暫くはニュークリアスから抜け出せそうにない今日この頃です。


2008/11/10

大統領選も無事終わり、新大統領の言う「Change」を期待したい今日この頃ですが、皆さん如何お過ごしでしょうか。
そんなこんなでニューヨークでは現市長のブルームバーグ氏が任期を過ぎたにも拘らず再び来期出馬する為に法律を改正した事で賛否両論を呼んでおります。
この市長さんはお金儲けが上手いと言うか、なんと言うか...。
今日もラジオでニュースを聞いていて驚いたのはイーストリバーに架かる橋全てが有料になるかも知れないということ。
ご存知のようにマンハッタンは島なので、橋ないしトンネルを通らないと車で入っていく事は出来ない。
現在イーストリバー側からマンハッタンへ入っていくのには有料のトンネルが2つと有料の橋が1つそして無料の橋が4つある。
今回その無料で利用できる4つの橋すべてにトールをつけて有料化を図ると言うのだから、クイーンズやブルックリンに住んでいたり働いていたりする人たちには大きな打撃になる。
う~ん、「5つの橋」が全部有料ですか~!
我々のような小市民には、堪りませんよそんなの!
畜生!それならこっちにも考えがある。
腹いせにナイスの「Five Bridges」を聴きまくってやるぜぃ!

...っと、毎度の事ながら無理やりの展開。
いや~しかしながら実際の話、私このニュースを聴く1週間くらい前からナイスの1970年のこのアルバムを聴き続けておりました。

1. The Five Bridges Suite (Emerson/Jackson) - 18:06
a ) Fantasia 1st Bridge
b ) 2nd Bridge
c ) Chorale 3rd Bridge
d ) High Level Fugue 4th Bridge
e ) Finale 5th Bridge
2. Intermezzo 'Karelia Suite' (Sibelius) (9:01)
3. Pathetique (Symphony No. 6, 3rd Movement) (Tchaikovsky, Arr. Emerson/Joseph Eger) (9:23)
4. Country Pie/Brandenburg Concerto No. 6 (Bob Dylan/Johann Sebastian Bach) (5:40)
5. One Of Those People (Emerson/Jackson) (3:08)

勿論、このアルバムの指す「5つの橋」と言うのはニューヨークのイーストリバーに架かる5つの橋を意味しておりまへん。
イギリスのニューキャッスルにある5つの橋の事だとか...。
そしてそれは音楽におけるクロスオーヴァーの意味あいをかけたタイトルらしいっす。

今はロック音楽産業の発展に伴いロックと言う音楽の地位が可也向上しておりますが、この当時はまだ、ロック=反逆精神=不良=低い音楽性、見たいな偏見があって、世間一般ではロックは市民権を十分に得ていなかったんだろうと想像してます。(なにせ僕は当時はまだ幼稚園に通っていたもんで...。)
その為か、或いは単に音楽的嗜好からか、当時色んなバンドがオーケストラとの共演を果たしロックの地位向上に貢献しておりました。
このアルバムもそんなロックの時代を記録した1枚であります。

ナイスの中心人物でもあり、後のエマーソン・レイク&パーマーで一世風靡したキーボードのキース・エマーソン。
先月になるのかな?来日して、日本のテレビに生出演。
僕も観ましたが、簡素な演奏にも拘らず相変わらずアグレッシブでした。
番組の司会者もファンだったらしく、伝説のエマーソン・レイク&パーマー後楽園球場ライブを観にいったと語っていました。
しかしながらこの方、エマーソンに「エマーソン・レイク&パーマーのアルバムもその後のソロのアルバムも全部持っています。」と一生懸命ファンである事を主張しておりましたが、ひねくれものの僕などは「えっ、じゃあ、ナイスは...?」などと思ってしまうのでした。
かく言う僕自身もナイスはエマーソン・レイク&パーマーを聴いてから遡った人間ではありますが...。(なにしろ、当時は普通のレコード屋さんにはナイスのレコードは廃盤なので「ないっす」って言われていましたからね...。)
そう、キース・エマーソンの出発は紛れなくこのナイスであり、このアルバムを聴けば彼のキーボードのテクニックや音楽性は確立されていたのが分かります。
フレーズひとつ取っても、「う~ん、どっかで聴いた事があるぞ~、あれこれってエマーソン・レイク&パーマーでやってるじゃん。」みたいなことが数多くあるし(笑)、オルガン壊し?鍵盤へのナイフ刺し?のパーフォーマンスもやってるようだし、ただエマーソン自身の変化と言うのは、エマーソン・レイク&パーマーになってからムーグ・シンセサイザーと言う強力な武器を得たことくらいじゃないだろうか?
じゃあナイスとエマーソン・レイク&パーマーの違いって、ムーグの在る無し?って考えちゃうけど、そうじゃなくて、明らかに残りのメンバーの力量の違いなんだと思っちゃうわけです。
残念ながらナイスのメンバー、ベースとヴォーカルのリー・ジャクソン、ドラムのブライアン・デイヴィスンと比べグレッグ・レイクとカール・パーマーはテクニック的にも音楽的にも洗練されていてキース・エマーソンのアグレッシブなキーボード・ワークを受け止めるに十分な器を持っていたように感じます。

ただ今回このアルバムを聴き続けていて、リー・ジャクソンの下手糞なヴォーカルやモコモコした音色の変なベース、そしてジャズっぽい演奏になると何だかぎこちないオカズを叩くブライアン・デイヴィスンのドラムにも妙に愛着を感じてしまい、ナイスは良くも悪くもこの2人がやってる事で味を出していたのかな~と、決してキース・エマーソンの足を引っ張っていただけじゃないんだろうと、感じました。

ナイスは決してエマーソン・レイク&パーマーじゃ、ないっす。

追記
このアルバムはライブ録音(最後の曲「One Of Those People」はスタジオ録音)で、後半のフィルモアー・イーストでの録音のエンジニアがキッスのプロデュースでも知られている エディ・クレイマーのようでした。
う~ん、キッスとプログレ。
繋がらないようで、繋がってるんだな~。


2007/6/30

晴天ですな~。
素晴らしい。
湿度が無く、カラッとしてるから気持ち良い。
僕は行った事が無いので想像でしかないのだけど、きっとサンフランシスコ辺りって一年中こんなに良い気候なんだろうね。

そして今朝子供を学校へ連れて行くとき、サンフランシスコのロック・バンド、Steve Miller Band の1976年のこの名盤を聴いていた。
ジャケットを見ると、左利き用のギターを髪を振り乱しながら弾いているスティーブ・ミラーの姿から、「おおっ、ジミヘンと逆のギターだな。これはへヴィでハードなロックか。」なんて最初思ったけど、全体にスペイシーでムーディ、メロディアスでライトなロックのオンパレードです。
きっとサンフランシスコの気持ちよい気候に準じた音楽性なのかもね。(...って、想像でしか物を言っていないけど...。)
いや~、でもこれが可也ハマルんですな~。
ことにこんな快晴の日には最高です。

「Space Intro」のキーボードによるSEはプログレの影響も感じるんですが、彼らは60年代からアルバムの冒頭にサイケっぽい SEを使う事が多かったのを考えると、ただ単にスタイルが少し変化しただけなのかもしれないとも言えますかね。
そしてイントロから流れるようにアルバム・タイトルの「Fly Like an Eagle」はクラッシック・ロックのラジオ曲でも定番になっているメドレーですわな。

素晴らしい。

家の子供から聞いた話なんですが、「Eagle」と言うのはアメリカの象徴のひとつで、だから郵便局のスタンプなどに「Eagle」の絵があしらわれているとの事。
う~ん、では「EagleS」と言うロック・バンドはそのネーミングから、俺達はアメリカのロック・バンドなんだ!と言う強い意識の表れと考えられる。

そして「Fly Like an Eagle」。

Feed the babies
Who dont have enough to eat
Shoe the children
With no shoes on their feet
House the people
Livin in the street
Oh, oh, theres a solution

I want to fly like an eagle
To the sea
Fly like an eagle
Let my spirit carry me
I want to fly like an eagle
Till Im free
Fly through the revolution

う~ん、「Eagle」をアメリカの象徴として捉えているとも思えるし、単に力強く飛翔する鳥のイメージでしかないとも思えるし...。

どちらでも良いのでしょう。

僕のお気に入りの「Serenade」などのようなポップ・チューンの狭間に数曲ブルース・ナンバーが入っているが、これらのブルースもあまり重たくない聴きやすい作品になっている。
「Mercury Blues」を車の中で聴いていたら、長男が「この曲聴いた事ある。」などと言うので、おいおいそんな事ないだろう何て思いながらも「何処で聴いた?」って訊いたら、「学校で音楽の先生が聴かせてくれた。」って....。
へ~っ、学校でもロックン・ロールが聴ける時代になったんですな~と妙に感心してしまった。
僕等が子供の頃は中学の文化祭ではエレキ(ひゃ~っ、これって死語?)とドラムは禁止だったからね。
バンド=不良っていうステレオ・タイプが横行してたから。
それが今じゃ先生が授業でロックン・ロール聴かせるんだからね~。
...って、これは時代の違いじゃなく、日本とアメリカの違いなのかな~?
で、僕はこの Mercury って惑星の事を歌ってるのかと漠然と思っていたのですが、実は車の Mercury の事らしいですね。息子が言ってました。

Had my money
I tell you what Id do
I would go downtown
Buy a mercury or two

歌詞をちゃんと聴けば明らかですな~。
お恥ずかしい....。

と言う事で、息子に色々教えてもらった1日の始まりでした。


2007/4/28

いや~、今週は何だか忙しかったな~。
天気の方も1日単位で真夏みたいに暑くなったり急に冷え込んだりと、何だか忙しい感じだったしね~。
疲れたな~。ふ~っ。

この間観光でニューヨークに来ているお客さんを彼方此方連れて行った。僕はもう16年も住んでるのでマンハッタンの景色は見慣れてしまったんだけど、些細な事にも感動しているお客さんを見ていたら何だか嬉しくなってしまった。
そう言えば初めて来た頃の自分も同じように感動していたのに、いつの日からその感動がなくなってしまったのだろう...?

誰でも夢を見てそれを現実にしようと努力する。
僕にとってはアメリカで生活する事がそのひとつであった。
が、いざそれが実現し生活と言う手垢にまみれると、夢であったはずのものがどんどん色褪せてしまって感動を失ってしまう。
う~ん、可也贅沢な話である。こんな事でよいのでしょうか?

よ~っし、こうなったら仕事を忘れて自分もお客さんと観光している気分になろう。
そうしたら初心に帰って、改めて自分が此処にいる意味を見つめる機会が得られるかもしれない。

と言う事で、BGMをポール・モーリアにして気分転換を図った...。
(う~ん、この持って行き方...無理があるかな~?
でも実際これを聴きながらメトロポリタン美術館の所で待機していたんだけど、ちょっとリゾート地にでも来ている様な錯覚に陥ったんだよね。)

1968年にリリースされたポール・モーリアのこのアルバム...。
単なるイージー・リスニングと言って片付けてしまうには勿体無い、音楽の玉手箱。
選曲もシナトラからビートルズ、はたまたチャップリンシェールの曲までと幅広く、それぞれの曲がポール・モーリア流にアレンジされて新たな息吹を吹き込まれ蘇生しているのが凄い。

兎に角僕の頭の中で手垢にまみれた現実の世界をリゾート地に変えてしまったのである。
これぞミュージック・マジックに他ならない!

この作品の中では皆さんご存知の「L' Amour Est Bleu (Love Is Blue) 」が圧倒的な輝きを放っている。特筆すべき点は多々あるだろうけども、やはりポール・モーリアによるアレンジがその最たる事だろう。
この曲では、繰り返されるメロディ・ラインに変化を持たせるべく1番、2番、3番の主旋律を奏でる楽器が変えられている。
まあ、今となれば(昔から?)こんな事はアレンジの常套手段ではあるだろうけど、僕はこの曲でこの手段を学び、自分のいたバンドのアレンジに活用していた。
また、これ以上シンプルになりえないくらいのフィル・インで入ってくるドラム。
ドラマーだったら絶対にしたくないだろうけどけどね~。
でもこのフィル・インは実に的確で無駄がなく、印象深く聴いている者の知覚の扉を叩いてくれる。
テクニックではないんだよね。
...って言うか、これがテクニックなんだろうけど...。

いや~、いつも愚だ々々音楽なんぞ語っちゃっていますが、理屈ぬきで音楽って素晴らしいと思えました。

初心わするるべからず   宮本武蔵


2007/4/21

ここの所ポール・マッカートニーがこのブログで話題にする事が多かったので、昨日仕事のお供にポールのアルバムをどれか持参して行こうと思った。
そしてCDの棚の前で自然に手が伸びたのがこのPaul&Linda McCartney名義での1971年のアルバム。
ビートルズ解散以降ポール名義(ウイングス含む)は数多くあるけど、1枚だけ選ぶとしたら迷うことなく僕はこのアルバムを選ぶ。
特別なヒット曲があるわけでもないし、どちらかと言うと地味な作品なんだけどね。
ポールのソング・ライターとしての才能は今更言うまでもないし、それについて全く反論はないんだけど、唯一彼の優等生的と言うか、あまりに良い子になっちゃっている彼のアティテュードが作品に反映されると僕はその甘さにうんざりする時がある。
ところがこの作品は甘いどころか、辛くもあり、苦くもあり、すっぱくもある、もしかしたらポールの全作品中唯一の刺激的作品かもしれない。
と言うのも、皆さんご存知かもしれないが、これはジョン・レノンと言う怪物にポールが真っ向から挑んでいる作品だからである。
オープニング・ナンバーの「Too Many People」の歌い出しから可也挑発的!

a piece of cake ( 朝飯前さ)

なのである。
人を食ってると言うか、茶化してると言うか...。

この曲を聴いたジョン・レノンが激怒して、アルバム「イマジン」でポールに反撃しているのは有名な話である。



「3 Legs」と言う曲はビートルズ解散時のポールvs他の三人と言うシチュエーションを歌ってるようだけど、可也皮肉っぽい。ここら辺もジョン・レノンの癇に障ったのは間違いないだろうね。
思えばタイトルの「Ram」(雄羊)はビートルズを象徴しているような気がするし、ジャケットの写真ではポールがそれを押さえ込んでるもんね。
ここら辺の意気込みって言うか、気合って言うか、ポールの闘争心或いは自負心があからさまに外に向けられていて強力なヴァイブが放たれている。
そしてこのヴァイブこそがこの作品に緊張感をもたらしているんだろうと思うな~。

その一方で「Uncle Albert」のようなポールらしいメロディアスで聴きやすい作品もあり、改めてポール自身のライフ・スタイルを吐露したようたような「Heart of the Country」みたいな作品もありといったヴァラエティに富んだ(このフレーズ多用してますな~Eugeさん)アルバムになっているから全く飽きさせない。

う~ん、素晴らしい。

やはりアーティストは緊張感を強いられて気合を入れてこそ、ガッツんと能力を発揮できるんだろうね。


2007/4/6

ドイツからのお客さんを空港からマンハッタンまで送る仕事が先日あった。色々話し掛けて来る可也気さくなお客さんだったので僕もそれなりに対応していた。
聞く所によるとニューヨークには10数年前に2年間だけ住んでいたとの事。
へ~、その割には英語が随分と流暢だな~と可也感心したが、その事は別にお客さんには言わなかった。
そして僕はドイツの人だからと思って「ドイツ車って凄く良いですよね~。」とかって言って思いっきりドイツをヨイショし続けたが、お客さんの反応は「う~ん、そうだね~。」と何か煮え切らない感じ...。
するとお客さんの方で何となく気が付いたのか、「僕はイギリス生まれのイギリス人なんだよね。家内がドイツ人だからドイツに住んでるけど。」と優しく知らせてくれた....。

あちゃ~!

道理で英語が流暢なはず....。
ドイツから来たからと言って、ドイツ人とは限らないのは当然と言えば当然。
先入観とか思い込みとかがあると物事を間違った形で捕らえてしまう事が度々起こるけど、今回は見事に思い込みによって起こった誤解。
しかしながら僕は「あ~、そうなんですか~。僕はビートルズが大好きでイギリスにはいつか絶対行きたいと思ってるんですよ~。」と見事にイギリスをヨイショする方向転換を果たした....。

何ちゅう調子良い親爺なんでしょうか?

いや~、そんなこんながあった仕事の帰り道、Mommyheadsなるサンフランシスコのバンドの1997年の最初で最後のメジャーでのアルバムを聴いていた。
友人のヤスGさんが「ポール・マッカートニーっぽい」と勧めてくれたので、早速アマゾンで購入して数日前に届いたのだ。
「ポール・マッカートニーっぽい」と言う先入観を持たないように注意して聴いていたが....。

う~ん、これは紛れも無く「ポール・マッカートニー」でしょう...。

それもジョン・レノンと言う「毒」と共存していた頃のポールではなく、「毒」がすっかり抜けた後の本当の意味での?ポール・マッカートニー。
更に言うとポールの1989年の「Flowers in the Dirt」と言うアルバムの雰囲気にとても似通っている。



ジャケットの色合いも何だか似てるしね...。
ではどこが一体ポールなのかと言うと...(僕は音楽理論で説明するのは出来ないので抽象的な事しか言えないけど...。)、曲を作るうえで、もちろんアレンジも含め、彼らは「きっとポールだったらこの曲はこう展開していただろう。」とか「こういうアレンジにしていただろう。」って言うのを常に念頭において作品を制作していた事だと思う。

いえいえ、これは単に僕の想像でしかないです...。

しかしながらただアルバム最後の「Screwed」と言う曲の歌い出しが

Someone's playing tug-of-war

なんだよね。
tug-of-war(綱引き)?
今(と言ってもこのアルバムは10年前だけど)「綱引き」って言う言葉は死語に近いでしょう?
だから歌詞に使うってあんまり普通じゃ考えられないんじゃない?
これってやっぱりポールのアルバム「tug-of-war」にインスパイアされて出て来た言葉なんじゃないかな?って僕は単純に想像する。
こんな事からもこの人たちの意識の中にも無意識の中にもポール・マッカートニーが大きく存在しているのは間違いないと思うな。

アルバムは「Jaded」と言うナンバーで幕を開ける。
メロディがキャッチーなのにも拘らずこの曲は、疲れきった人たちの人生に対する虚しさを歌っているようだ。

You say my love's a marketing tool
That preys on innocent victims like you
No one wants you, but no one has tried
To open the door and look inside

Jaded, I'm not jaded
I'm just sleeping with my eyes open
Baby, can you hear me?
Are you just jaded?

現代人はインターネットとか携帯電話とか常に誰かとコミュニケートを欲しているんだよね。しかしながら本当の意味でのコミュニケーション(仕事、学校、近所付き合い、...その他もろもろ)に疲れきっている。
この矛盾はず~っと平行線をたどってるまんまなんだよね。
そんな虚しさをこの曲から感じました。

この曲のタイトルの「Jaded」ですが、この英語の意味を僕は知りませんでした。(お~い、アメリカに何年住んでるんだよ~!)

で辞書で調べたら

[形]疲れきった;〈食欲などが〉減退した, うんざりした, あきあきした

だそうです。
「疲れた」と言う言葉には「tired」と「exhausted」があるが「Jaded」とはニュアンス的にどう違うんだろう?

今度友達に聞いてみよう。

(...って、お~い、答えてくれるのかと思ったよ~!)


2007/2/24

最近ニューヨークの街中でフロリダ・ナンバーの車を見かける事が多いんだけど、何でだろう?
この寒い冬ニューヨークから暖かいフロリダへ行くのが増えるのは分かる、でもその逆はよく理解できない。
ただ職業運転手の僕としてはあまりこのように他州の車が街中に増えるのは嬉しくない。
道に不慣れな車が多いと事故につながる要因が増えるし、またどういう訳か見てるとこのフロリダ・ナンバーの車って運転が荒いの多いんだよね。
出来るだけ運転中に感情的にならないように努力しているけど、ついカッとなってしまう事もしばしばある。
ただそんな僕にとって非常に手助けになる精神安定剤が、音楽なのである。

そしてこの数日間清涼剤のようなヴァイヴを車内一杯に満たしてくれているのが、イアン・マクドナルドの1999年の初ソロ・アルバム、そのタイトルもずばり「Driver's Eyes」。
う~ん、イアン・マクドナルド。
説明するまでも無いだろうが、彼はキング・クリムゾンのオリジナル・メンバーとして、あのロック史に燦然と輝く「クリムゾンキングの宮殿」にて最重要な役割を果たし、ロックの可能性を一気に高めた超天才ミュージシャンである。
彼がクリムゾンを脱退する時、あのロバート・フリップが「僕が辞めるから、君はバンドに残ってくれ。」とまで言って説得したとか...。
う~ん、あの当時誰もがイアン・マクドナルドの才能を認めていたのだろう。
そして彼は、マクドナルド&ジャイルズ、フォリナー、と音楽の活動を続けていったが、何故に今になって(ってもう10年近く前だね。)初のソロ・アルバムの発表に至ったのだろう?
僕としては彼にはもっと多くの作品を制作していって貰いたかったけど、インタビューで彼はこう答えていた
...。
う~ん、制作費か...。
本人が言ってるんだからそうなんだろうけど、それだけが理由なのだろうか?
そして、そんなマクドナルド・ファンへ長い年月を経て届いたのが、このファースト・ソロ・アルバムという事になる。
オープンイング・ナンバー「Overture」のイントロのフルートが鳴ったとたん「来た~!来た~っ!!、こりゃ~凄いぞ~!」と心の中で僕は叫び狂喜乱舞してしまったが、展開していきなり爽やかなライト・ミュージックに変化したのでガクっとぎっくり腰になりそうな位腰が砕けてしまった。
う~ん、何か違うぞ....。
その後も80年代風のポップスが次々に鳴り響き、永遠の恋が冷めてしまったかのように僕は残念な気持ちで一杯になってしまった。
思えば僕の中でイアン・マクドナルドはキング・クリムゾン、マクドナルド&ジャイルズで終わってしまっていて、アシッド・フォーク、或いはビートルズ的な部分を持った彼の音楽性だけを僕は追っていたのかも知れない。でも実際彼はその後フォリナーというヒット・レコードを作るバンドにも在籍していたわけで、音楽性はどんどん変化していたのは事実だった。
しかしガッカリしながらも、「またちょっと聴いてみるか...。」と思わせるようなひっかかる物がこの作品には存在していた。
そして聴いていくうちに、...ちょっと待てよ...、う~ん、意外に悪くないかも....、いや、結構良いよ....、う~ん、何か好きだな~、...、え~、....この作品傑作だよ~。
と僕の印象もどんどん変化していったのだった。
今ではオープンイング・ナンバー「Overture」なんて、頭の中でず~っとなり続けている。
このアルバムでは、GARY BROOKER、LOU GRAMM、STEVE HACKETT,JOHN WAITE,PETER FRAMPTON,MIKE GILES,JOHN WETTON,PETE SINFIELD,
G.E SMITH と言った豪華なミュージシャン達が参加しているのも楽しみの一つである。
特に「Demimonde」ではマクドナルド&ジャイルズが再結成されているのである。ジャイルズがリズム・キープに徹している姿は僕の期待していたものから掛け離れてしまっていたが、逆に言うと妙であり変であるので面白い。
そして最後を飾る「 Let There Be Light」ではピート・シンフィールドとの競演。ピートの詩はクリムゾン時代のそれとは違いかなりシンプルになっているがゲーリー・ブルッカーのヴォーカルと相まって重さを感じさせる曲になっている。

このアルバムの雰囲気はサンプルを聴けば少しは伝わるかもしれない。
でも晴れた日に運転しながらこのアルバムをフルで聴いてみると、普通に聴いていた時とは違ったものが見えてくる。
それが 「Driver's Eyes」なのかも知れない。
プロフィール
HN:
Euge
性別:
男性
趣味:
夢想、妄想、ナチュラル・ハイ
自己紹介:
ジョン・レノンから影響を受けた、
自称、シンガー・ソングライター...。
今日もニューヨークのアストリアで白昼夢。
カレンダー
08 2024/09 10
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30
アクセス解析
カウンター
最新コメント
(05/13)
無題(返信済)
(11/10)
(09/18)
無題(返信済)
(09/15)
無題(返信済)
(09/13)
最新トラックバック
ブログ内検索
バーコード
フリーエリア
忍者ブログ [PR]