忍者ブログ
天知る 地知る 汝知る
[1]  [2]  [3]  [4]  [5]  [6]  [7]  [8
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。



2008/6/19

ニューヨークにビジネスで来る人のパターンで、ここで仕事を終えてからボストンへ行くと言うのが多い。
この間の僕のお客さんたちも3日間ニューヨークにいて、その後ボストンだった。
車の中でその人たちがボストンの話をしているのを聞きながら、「そう言えばボストンには未だ行った事ないな~...。」などと思い、未だ観ぬその街に思いをはせていた。
全米でも超が付くほどの有名大学が軒を連ねるボストン。
ハーバード大学を筆頭に、タフツ大学、マサチューセッツ工科大学、ボストン大学、ボストン・カレッジ、ノースイースタン大学、ラドクリフカレッジ、そして音楽の名門 バークリー音楽大学...。
う~ん、学生の街って良いな~...でも自分とは明らかに格が違うな~...などと思いながらも、そう言えばエアロスミスはボストン出身のバンドだったな~なんて相変わらず何でもかんでもロックに結びつける親爺のクセが出てしまった。
しかし、ボストンと言えばやっぱりバンド名がそのままの「Boston」でしょう。

と言う事でBostonの1976年のデビュー・アルバム「Boston」を聴いていた。

1. More than a Feeling
2. Peace of Mind
3. Foreplay/Long Time
4. Rock and Roll Band
5. Smokin'
6. Hitch a Ride
7. Something About You
8. Let Me Take You Home Tonight

う~ん、美しい旋律を歌う伸びやかなBrad Delpの声。
彼のヴォーカルはドゥービー・ブラザースに代表されるアメリカン・ロックのヴォーカル・スタイルの系統ではあるけど、あまり黒さを感じさせないのが特徴。
そしてがそれを包むようにして一体化していくオーケストラルなTom Scholzギター・サウンド。
彼のギターにクイーンのブライアン・メイに通じるものを感じるのは僕だけだろうか?
このバンドの2本柱がこの後のアメリカン・ロックに及ぼした影響と言うのは計り知れないんではないだろうか?

いや~、それにしても名曲の連発ですな~。

「More than a Feeling」

フィーリング以上のもの...。

Its more than a feeling,
when I hear that old song they used to play (more than a feeling)
I begin dreaming (more than a feeling)
till I see marianne walk away

音楽によってもたらされる想いって、たまにフィーリング以上の何か現実的な実感が伴ってくる時が僕にはある。
何かそんな事が歌われてるのかな~なんて、爽快な青空の下で車の運転をしながら思っていた。

そして僕のフェイヴァリット「Peace of Mind」。

I understand about indecision
But I dont care if I get behind
People livin in competition
All I want is to have my peace of mind.

人類はお互いの競争によってこうやって文明を発展させてきた。
「競争」無しにはここまでの発展は有り得なかったかもしれないとさせ思う。しかし物質的な豊かさを得ると同時に失っていくものも多くあるのに気付かされる。
それは現在の自分自身もそうなのだけど、競争社会における日々の生活に身を削っていく事で失われる「心の平静」と言う事なのだろうか。
世の常ではあるけど、一方を立てればもう一方は立たなくなる..。

映画「第三の男」の有名なセリフで、

「イタリアはボルジア家の時代、戦争と流血が続いたが、ダ・ヴィンチやミケランジェロを生んだ。しかしスイスの500年の平和で残ったのは、...鳩時計だとさ。」

と言うのがあるが、
もうこう考えるとこれは個人一人一人のチョイスでしかないとしか言えなくなって来る。

「peace of mind」と言う言葉にある想い。

「心の平静」と歌ってきたBrad Delpが自らの命を絶ってしまったのはあまりにも皮肉で残念としか言いようがない...。

PR


4/11/2008

もうすっかり春ですね~。
昨日なんかは夏の気温だったのではないでしょうか。
ニューヨークの長い冬もやっと終わるかと思うと、やれやれと何かが一段楽したような安心した気持ちになります。

今日はそんな穏やかな気持ちをあざ笑うかのような「No Dice」というアルバム・タイトルのバドフィンガー1970年の作品を聴いていました。

 01 . I Can't Take It
 02 . I Don't Mind
 03 . Love Me Do
 04 . Midnight Caller
 05 . No Matter What
 06 . Without You   
 07 . Blodwyn
 08 . Better Days
 09 . It Had to Be
 10 . Watford John
 11 . Believe Me
 12 . We're for the Dark
 
 bonus track
 13 . Get Down
 14 . Friends Are Hard to Find
 15 . Mean Mean Jemima
 16 . Loving You
 17 . I'll Be the One

 サンプル

このアルバムは頻繁に聴いています。
怪しげなお姉さんの挑発的なポーズのジャケットを見てると「無駄な抵抗はやめてロックンロールに屈しなさい」と言われているようで、いつも気持ちをはだけて更にファスナーを開けて音に向かい合っています。(半分嘘)
前作のファースト・アルバム「Magic Christian Music」も可也良いんですが、何処かバンドが役を演じてるような作られた不自然さを感じるんですね。
しかしながらこのセカンド・アルバムからバリバリのバドフィンガー節が炸裂して、生のバンドの姿を見せているように思うんです。
1曲目の「I Can't Take It」などは、音もモコモコして抜けが悪いんですが、「細け~事言ってんなよ、これがロックンロールだぜベイベー!」
と頭をガツンとやられた気分になります。
う~ん、気持ち良いです。
「Love Me Do」のドラムのフィル・インは最高ですね~。
テクニック的には大した事はないのかもしれませんが、この曲のこの瞬間に絶大な効果をもって存在しうる名演中の名演だと思います。
こう言うカタルシスを感じさせるドラムのフィル・インと言うのは意外にシンプルなものが多いと思います。
例えば直ぐに思いつくのがツェッペリンの「天国への階段」のボンゾのフィル・インですね。
そして4曲目の「Midnight Caller」から「No Matter What」、「Without You」の3曲の連なりは可也ヤバイです。
手に汗握り、涙チョチョ切れ、いや~もう昇天です。

「Midnight Caller」は良いですね~。

nobody's gonna help you now.

と見捨てたような言葉で締めくくられるんですが、哀愁漂うメロディの中何故か優しい目がず~っと見ているようで...。
ピート・ハムのソング・ライティング、彼のヴォーカル、ピアノ、とピート・ハム尽くしの1品です。

そしてバドフィンガーの代表曲と言って良い「No Matter What」のイントロが鳴ると、
うがッ~!鳥肌ゾ~ッ!で、脳みその回路がショート!
いや~凄い。
ギターの音、曲の構成、ヴォーカル、曲のメロディ、肯定的で寛大な歌詞...。
もう難癖のつけようがないです。

そしてこの3曲を締めくくる「Without You」はバドフィンガーの曲と言うより、ニルソンやマライヤ・キャリーのカヴァーの方がお馴染みになりつつありますね。
しか~し、僕はこのオリジナル・ヴァージョンは捨てがたいのです。
あまりドラマティックになり過ぎず、実にストレートに感情を表現しているようで心臓をブスりと衝かれます。

でも、なんでこんなにも強力な3曲を繋げてしまったんですかね~?
この強烈3連曲がこのアルバムを決定付けているんですが、逆に言うとこの3曲が強すぎてアルバムのバランスを崩しているようにも思えるんです。
この3曲を通り過ぎると、残りの曲がどうしても色あせて聴こえるんですね。それがちょっと残念です。

アルバム「Magic Christian Music」では随分と気を吐いて頑張っていたトム・エヴァンスですがこのアルバムではペース・ダウンしてるようで「Believe Me」が唯一彼のみの曲なんですね。(共作はありますが。)
この曲はビートルズの「オー・ダーリン」に良く似てるんですが、これってもしかしたらポールがパクッたなんて事はないですよね?
え?似てない?

それにしても、こんなにも素晴らしい作品を残した最高のバンドにも関わらず、評価のあまりパッとしないバドフィンガー。

世間の言う事なんて当てになりませんね。

No Dice!


2008/2/9

物事が思うように運ばないのは世の常だとは思いますが、実際事態に直面するとやはりイライラしてしまいます。
先週某有名家具屋Iに配達を頼んだんですが...来やしない...。
電話で押し問答した結果、結局自分でトラックを用意して明日取りに行く事になりました。
NYではお客さんの意向が優先にはならず、店の利益が第一優先なんですね。
「酷い」の一言です。
もうこういう時には自分の好きな事をして気を紛らわすのが一番。
僕には音楽がありますので、簡単っす。

と言う事で、昨晩就寝前何気にピックしたジャック・ブルースのこの1970年発表のアルバム聴いていました。

1 . Over the Cliff
2 . Statues
3 . Sam Enchanted Dick
   Medley: Sam's Sack/Rill's Thrills
4 . Born to Be Blue
5 . HCKHH Blues
6 . Ballad for Arthur
7 . Things We Like

   Sample ♪

いや~、昨晩聴いて以来結構ハマッてしまいました。
(その昔、最初に聴いた時は好きじゃなかったんですけどね...。)
子供を学校へ送っていく時も、車の中でず~っと聴いていました。(これ書いてる今も聴いてます。)

このアルバムは発表の2年前(クリーム解散前の1968年10月)にジョン・マクラフリン(ギター)、ディック・ヘックストール・スミス(サックス)、ジョン・ハイズマン(ドラム)と共に録音されたジャズ・アルバムです。

何で「ジャズ」?

と言う気になってしまいますが、当時のジャックの微妙な精神的葛藤の賜物なんだと思います。
クリームでエリック・クラプトンはブルースを演奏している心算でいたのに対し、残りの2人ジャックとジンジャー・ベイカーはジャズを演奏していたと言うズレ...。
更にジャックはジンジャーとのジャズに対する考え方相違を発言していました。
物事が自分の思うように行かないのは世の常ですが、ジャックは当時可也フラストレーションが溜まっていた事だろうと想像できます。(クリームの成功と共に発生した雑多な問題もあったでしょうし...。)
「よし!じゃあ、本当のジャズってもんを見せてやろうじゃん!」って言ったかどうかは知りませんが、そんな意気込みでこのセッションをしていたのじゃないでしょうか。
ここにはEB-3でブリブリとロックしていたジャックのベース・サウンドはありませんが、ウッド・ベースをアグレッシブに演奏するジャックの姿を捉えることが出来ます。
クリームのようにメンバー間に緊張感はあるものの、演奏しながらお互い目が合った時にニカッと笑みがこぼれるような、どこかリラックスし雰囲気もあります。
それはつまりアルバム・タイトルの Things We Like と言う事なんだと...。
「これ、好きなんだよね~。」ってニコニコしながらジャックが演奏しているのが目に浮かぶようなんですよね。

このアルバムは縦から聴いても横から聴いても「ジャズ」なんですが、ロック畑の人達の演奏のせいか多分にロック的だと思います。
特にジョン・ハイズマンのドラムに僕はそれを感じます。

良い悪い、好き嫌い、は別にして、ジャック・ブルースの精神的変遷を垣間見れるようで非常に意義深い作品だったのではないかと思います。


2007/1/26

もう先週の話になりますが、うちの7歳の娘とラジオを聞いていたらNatasha Bedingfield と言うアーティストの「Unwritten」と言う曲がかかりまして、それに娘が大いにハマリました。
元々近所に住んでいたSちゃんと言う年上の女の子のi-podか何かにこの曲が入っていて、それを聴いたのが最初だったらしいんですが、これを機会に就寝時に連夜聴かされる羽目に陥りました。
実は僕自身この2005年の彼女のデビュー?アルバムを持っていたんです...。

1 . These Words (I Love You, I Love You)
2 . Single
3 . Unwritten
4 . Silent Movie
5 . Stumble
6 . Peace of Me
7 . If You're Gonna...
8 . Drop Me in the Middle
9 . We're All Mad
10 . I Bruise Easily
11 . The One That Got Away
12 . Size Matters
13 . Wild Horses

以前の仕事をしている頃出張でモーテルに泊まる時はVH1とかMTVをいつもチェックしてたんですね。(自宅にケーブル・テレビを入れていないので...。)
そのころ頻繁に「These Words (I Love You, I Love You)」がオンエアされていて、サビの部分がとても印象深かったんです。
僕はヒップ・ホップとかR&Bとかは苦手なんですが、彼女の曲にはそこら辺の泥臭さがあまり感じられなかった。
実際の所、ヒップ・ホップ系のアレンジが施されヴォーカルのスタイルもそれっぽいんですが、彼女の基本はシンガー・ソング・ライターなんですね。
それは最後の曲「Wild Horses」やその後に入ってるジョニ・ミッチェルみたいな曲を聴けば明白です。
だから僕も比較的躊躇なく入っていけたんでしょう。
それにしても最後の曲「Wild Horses」が終わってから数分間空白があってアンコールの追加曲があるのって...以前クーラー・シェイカーの記事のところにも書きましたが...好きじゃないな~。
最近のアーティストの流行なんですかね、これは...。

アルバムタイトル曲「Unwritten」は良いですね。
「白紙」の状態を意味するんでしょうが、未来への可能性が無限に広がっていると言う事を示唆しているんでしょう。
もう僕の人生半分くらい書かれちゃってますけど、これからの未来は間違いなく「Unwritten」な訳で...。

No one else can feel it for you
Only you can let it in
No one else, no one else
Can speak the words on your lips

至極当然のことなのですが、こう言う当たり前な言葉こそ音とともに耳に届く時心に響くんですよね。

「誰もあなたの唇で言葉を発することは出来ないんだから...。」

眼前に広がる「白紙」を自分の言葉でどんどんうめて行きましょう。


2007/12/30

今年もいよいよ終わりですね~。
相変わらず「時」は物凄いスピードで、振り返りもせずに通り過ぎて行きましたね~。
いや~、でもこの「1年」と言う時間は誰にも平等にあるわけですからね、良くするも悪くするも自分次第だったわけで...。

う~ん、ちょっと、反省...。

そんな事を、ぼやっと思いながらゾンビーズのリード・シンガーだったコリン・ブランストーンの「1年」と題された1971年のファースト・ソロを聴いていた。
まず一言で言って、このアルバムは「名盤」です。
聴いた事がない方は是非聴いてみてください。
基本的にポップな作品ですが、決してライトではなく、もちろんへヴィでもない。
肩の力は抜けるけど、聞き流す種類の音楽ではない。
超極上のポップですね。

素晴らしい。

元ゾンビーズのロッド・アージェントとクリス・ホワイトの作品やティム・ハーディン、デニー・レーンのカヴァー、そしてコリン自身の作品が収録されていますが、どの曲もメロディが良く、美しいストリングスのアレンジとコリンの甘いヴォーカルがそれを一段と引き立たせています。

いや~、楽しいな~。

ただ僕個人としてはもう少しバンド演奏の曲を増やして欲しかったと言うのはありますけど...。
でも、良いです。

2007年という「1年」を締めくくるのに、持って来いのアルバムだったように思います。


今年も当ブログにお付き合い頂きまして有難うございました。
また来年も引き続き好き勝手な事を書いていきますので、宜しくお願いいたします。

では皆さん良いお年を!


2007/12/22

クリスマスも間近。そして今年ももう数日で終わり、相変わらず月日の経つのが早いと感じる今日この頃です。

僕自身現在の仕事に変ってからもう早1年半。
精神的にも時間的にも以前に比べ余裕が出来てきたので、今年はいろんな本を読む機会に恵まれたのが何より嬉かことです。
先日読み終わった本の中に村上春樹氏の「海辺のカフカ」と言う小説がありました。
何気なく手にとって読み始めたら、どんどんと本の中に吸い込まれていき一気に読み終わってしまったほど面白い本でした。
村上春樹氏の作品には音楽が多々登場し、あたかも作品のBGMとして機能する事がありますが、この小説にもご多分に漏れずいくつかの音楽が効果的に使われています。
主人公の少年が聴いていたMDウォークマンにはプリンスの「グレイテスト・ヒッツ」やレイディオヘッドの「キッドA」そしてジョン・コルトレーンのこの1961年のアルバム「My Favorite Things」が入っていました。
特に小説のクライマックス近くで少年の頭の中で鳴り続ける「My Favorite Things」はとても印象に残るものでしたので、僕自身も久々にこのアルバムを引っ張り出して聴いてみました。
そしてレッド・ツェッペリンと平行して車の中で何度も聴いているうちに、どんどんと深みへ導かれてしまい今や麻薬のように中毒化して、これを聴かないと禁断症状が出て危ない行動に走ってしまうほどになってしまいました。(嘘)

このアルバムのパーソネルは

John Coltrane — soprano saxophone , tenor saxophone
McCoy Tyner — piano
Steve Davis — bass
Elvin Jones — drums

う~ん、皆さん素晴らしい演奏を聴かせてくれますが、僕は特にMcCoy Tyner のピアノにしびれています。(と言うか、ジャズ・ピアノって好きなんですね....。)

1曲目はアルバムのタイトル・トラック、「My Favorite Things」
Rodgers and Hammerstein による、スタンダード・ナンバーです。
もともとブロードウェイのミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」での曲だったようですが、僕はジュリー・アンドリュース主演の映画で聴いたのが初めてでした。「ドレミの歌」や「エーデルワイス」に並ぶくらい印象に残った曲ですが、このコルトレーンの演奏は同じ曲とは思えないほど、暗く、悲しく、重い、印象を得ます。
「何でかな~?」って考えていたんですが、良く聴くとこの曲のメロディ自体マイナー系で決して明るいものじゃないんですね。
そしてよくよくこの曲の歌詞を見てみると、

When I'm feeling sad,
I simply remember my favorite things,
And then I don't feel so bad.

とあるように、「悲しい時に自分の好きな事を思い出し自分を慰める」歌だったんですね。
自分を慰めざるを得ない状況と言うのはつまり決してハッピーな状況にないと言う事なんですね。そしてそういう時に歌われるメロディは自然とマイナー系になって当然なんでしょう。
映画では雷を怖がる子供達にジュリー・アンドリュースが慰めるように歌ってあげてるので、何だか可愛い陽気な歌のようになっていますが、ジョン・コルトレーンはこれをもっと自分の深い部分に持って行ったんじゃないかと思います。
後半の演奏で彼のサックスはもがき苦しむ人の悲痛な叫びのようにも聴こえます。
この曲の McCoy Tyner のピアノは和音を執拗に繰り返し、その後に渓流の流れのような軽やかに美しい早弾きを見せてくれます。
う~ん、素晴らしい。
こう言うの好きなんです。
2曲目「Every Time We Say Goodbye 」はスローでメロディアスな美しいナンバー。
心和みます。
3曲目はガーシュインの「Summertime」。
ここでは一般的なスローのアレンジとは裏腹にアップ・テンポで比較的激しいアレンジになっています。
後半の Steve Davis のベース・ソロと Elvin Jones のドラム・ソロが聴き所なのでしょうか。
しかしながら僕としてはElvinさんのドラム・ソロはもっとフリーにやらしてあげれば、より一層良かったんじゃないかと思うんですが、如何でしょう?
4曲目「But Not for Me」もガーシュインの曲。
最後にこの曲で明るさを取り返した感じです。
人間、苦労の末には光が射してくるもんじゃ、見たいな感じでアルバムを締めくくってくれるのは助かるものです。

以上、久々にジャズを聴いています Euge でした。


2007/12/18

このところ寒くなりましたな~。
この冬も暖冬っぽい兆しがあったんだけどね...。

しかしながらこの寒さの中でも、この間のツェッペリン熱は僕の中ではまだ冷めていないようですな~。
未だにツェッペリン関係聴いてます。
ということで引っ張り出してきたのが、1993年のツェッペリンのジミー・ペイジとホワイト・スネイクのデヴィッド・カヴァーデイルのコラボ。
う~ん、ちょっと忘れ去られた感のある作品ですが(えっ、そんな事ない?)僕は1曲目の「Shake My Tree」のギターのリフ聴いた時、高らかにVサインして「ウォー!」と叫んでしまいました(嘘)
擬似ツェッペリンと言う印象は払拭できないんですが、正直ファンはそれをきっと望んでいたんでしょうから、それはそれで良かったんではないかと...。
デヴィッド・カヴァーデイルは自分のスタイルを保ちながらも明らかにロバート・プラントのヴォーカルに似せて歌ってる部分がありますもんね。
きっとこのプロジェクトはデヴィッド・カヴァーデイルによる彼のツエッペリン観を本物のツエッペリンのギタリストを使って作品にしたものなんでしょう...。
後にロバート・プラントが「デヴィッドは俺のヴォーカル・スタイルを云々...。」ってインタヴューで文句言ってたみたいですが、恐らくは
デヴィッド・カヴァーデイル自身憧れただろうツエッペリンをその擬似バンドで心置きなく演じた結果だっただけなんでしょう。
僕なんかはここでのデヴィッド・カヴァーデイルのヴォーカリストとしての器用さ、上手さ、と同時に、彼の心意気にとても感心してしまいましたけどね...。
ジミー・ペイジも気持ち良さそうにギター弾いてるような気がしますし。
まあロバート・プラントもそれは分かっててちょっとジェラっただけなんでしょう。
それ程ファンには久々に嬉しかった作品だったんですが(う~ん、とは言えもう10年以上前の事か~。)スタジオ・ミュージシャンをバックにではなく、ちゃんとしたメンバーを決めて続けてもらいたかったプロジェクトだったんです。
でもこういう企画モンって長続きしないもんなんですかね?
知らなかったんですけど、この人達日本へツアーも行ってたんですね。
ちょっとビートルズっぽいフレーズが散りばめられてるナンバー「Don't Leave Me This Way」のライブ映像などありました。



2007/9/24

あ~、激忙でしたよ、先週。
早朝から夜中まで働いて更に1週間休み無し。
やっと今日休みが取れたんですけど、明日からまた忙しそう...。
マンハッタンでは国連のミーティングのせいで、交通渋滞が凄そうだし。

と言う事で、久々のブログ更新ですが...。
本当はこの記事先週にアップする心算だったんですよね~。
いや~、参った参った。

先々週の日曜日に家の何軒か先でガレージ・セールをしていたみたいで、子供を公園に連れて行った帰りにのぞいたんだけどその時はもう時間切れで終わっていた。
しかしながら売れ残りが「持ってけ、泥棒!」状態で置かれていたので物色してるとラッキーにもCDが結構残っていた。
殆どがヒップ・ホップ系(多分...。実際は知らない。)のようだったので「う~ん、あまり興味ないな~。」などと思っていたんだけど、その中に紛れてトリ・エイモスのこの作品が...。
「お~っ、これはまだ聴いていないな~。ではこれを頂いていきましょう。」と自宅に持参。
翌日仕事へ行く時に携帯し、車中で早速拝聴いたしました。
タイトル曲「Crucify」とそれに続く「Winter」 。
ケイト・ブッシュのイミテイターと見られがちなトリですが、ここら辺を聴いている限りはケイトほど女性の持つヒステリックな部分を露骨に表現はしていないと言う印象を受けますな。
どちらかと言うと、内に秘めたヒステリーという感じでとてもミステリーです。
曲は両曲とも重くまた暗さを持ってるけど、ドラマティックに仕上がっていてとても聴きやすい。
曲作りにしても、オリエンタルなフレーズを挿入したりして引っ掛かりを持たせ、アレンジも大袈裟にならない程度に仕上げていますね。
とても聴き手の事を考慮しているようで、うまいっす。

ここまで聴いた時点で僕は既にトリの世界に浸かりつつあったんだけど、この彼女のオリジナル2曲の次に「An~gie ♪~、Angie~♪」の歌声が聞こえたときはもう本当にトリ肌もんで、ぞぞっ~としてしまいました。
ストーンズの超名曲の「Angie」のカヴァーっすね。
いや~、これは素晴らしい。
僕は運転しているのも忘れて聴き入ってしまいました。(相変わらず危ない運転手です...。)
その感動も覚めやらぬうちに再び聴きなれたメロディが...。
おおっ、これはまさかの「Smells Like Teen Spirit」
ニールヴァーナの激しい演奏とは正反対のピアノ弾き語り!
う~ん、これは「あり」ではないでしょうか。
アレンジがシンプルな分言葉がダイレクトに伝わってきますな~。
(トリのインタヴューもどうぞ。)
まさかカヴァーはこれで御終いだろう...などと思っている僕の頭をゴッツンとやってくれたのは、駄目押しの「Thank You」。
ここのところ再結成の話題で巷を賑わせているご存知レッド・ツェッペリンの超名曲ですな。
しかし、これに関してはトリさんちょっと考えすぎちゃったかな?っていう印象を少し受けました。
良いんですが、前2曲のカヴァーに比べると弱いかな?

アーティストって言うものは、画家にしろ、作家にしろ、映画監督にしろ、もちろんミュージシャンにしろ、常にオリジナリティつまり独創性とか斬新である事などに背中をつつかれているものなんですよね。
だからミュージシャンがカヴァーをやると言うのはその独創性から1歩後退してるって言うか...。
ジョン・レノンやボブ・ディランもカヴァー集みたいなアルバムがあるけど、両者ともそれはスランプの時に出してるんだよね。
創造力が少し減退した時にカヴァーでごまかすみたいな...(笑)
何もない白い紙に絵を書き始めるのではなくて、もう下書きがあるものにただ色を塗っていく作業に似ていると思うんです。カヴァーって...。
ただアーティストの中には色を塗る事に長けているいる人もいる訳で、そういう自分の才能を知ってる人達はあえてオリジナルをやらずに斬新なカヴァーでアーティスティックな部分を表現したりしている。
ヴァニラ・ファッジみたいに。
或いはそう言うアーティストの宿命に囚われずに、「だってこの曲好きなんだもん。」みたいな非常に素人っぽい発想でカヴァーをやっていく人達も一方では存在している。
トリ・エイモスのこのカヴァーは明らかに後者で、これらのカヴァーは恐らくは彼女がリスナーとして大好きだった曲だったんでしょう。
好きな曲を好きなように歌ってみたいというとても単純な願望からスタートしてるので、変な力みがない。
とても自然なんです。
だから聴衆の耳にも、す~っと入ってきてくれる。
カヴァーの大成功例の一つですね。


2007/8/9

昨日は早朝の嵐でNYCの中は酷い状況でしたね~。
電車は止まるし、交通渋滞はもう問題外、JFK空港のターミナルへの車の進入が不可能だったし...。
もろ過ぎるねNYCは。

しかしながら今日は昨日と一転して爽やかな日でした。
午前中ウエストチェスターでお客さんをピックアップだったので、木々の緑が美しいこの地域で待機中、バグルスの1979年のこの作品を聴いていた。

テクノ・ポップ。

う~ん、懐かしい響きですな~、この言葉...。
今じゃテクノって言うと全然違うモンね。
当時(中学生から高校生)の僕は、テクノの非人間的な演出をあまり良いと感じた事は無かった。
日本でも随分と色んなバンドが出てきて可也流行したけど、バンドの人達は大概無表情で演奏してたもんね。
でも今聴き直すと、あの当時とは大分違った印象を受けるよね。
意外に詩的だったり、音に暖かさがあったり...。
このバグルスのアルバムも、テクノという仮面は着けているものの実はアンチ・テクノロジーだったりするんだよね。
無機的な機械音とデジタルなイメージとは裏腹にね。

「The Living In The Plastic Age」と言う曲でアルバムはスタートするんだけど、明らかに彼らはこの「The Plastic Age」と言うものに違和感を覚えているモンね。

Every day my metal friend
Shakes my bed at 6am
Then the shiny serving clones
Run in with my telephones

Talking fast I make a deal
Buy the fake and sell what’s real
What’s this pain here in my chest?
Maybe I should take a rest

実のところバグルスは、日々テクノロジーの進歩に奔走している人類に警笛を鳴らしていたのではないでしょうか?
これは前に記事に書いたキンクスの「Percy」でのレイ・デイヴィスのメッセージと共通していますよね。

そして2曲目「Video Killed the Radio Star」で更にその事に確信を深めるんです。

Video killed the radio star.
Video killed the radio star.
In my mind and in my car, we can't rewind we've gone to far

文明の発展に伴う時代の流れには逆らえないものがあります。
新しいものが登場すれば、過去のものは消えざるを得ない....。
ただ、ふっと気付いた時に人はあまり遠くへきすぎた事を知る事になるんですね。

we can't rewind we've gone to far

バグルスの超名曲です。

僕は「Elstree」と言う曲が好きなんですが、これはロンドンにあった映画の撮影所 Elstree を歌ってるらしいんです。

elstree, remember me
I had a part in a B movie
I played a man from history
Elstree, I look at me
Now I work for the BBC
Life is not what it used to be

この曲でも失われ行く良きものへの想いが歌われているんですが、単なる回顧主義ではないところが聴いている人の胸をうちますよね~。
僕は何となく「ニューシネマパラダイス」と言う映画を思い出してしまいます。

...と、

テクノ・ポップは実の所、かなり人間的な匂いのする音楽だったとこの年になって気が付いたEugeでした。


2007/5/6

今の仕事になってから日曜日も働いている。
ただ自分で納得してやっているので、そのことに対して不満はない。
まあ、休みたければ休めるし...。
と言う事で、本日は朝から仕事をしてきました。
休みの日に働く事のメリットは、道がすいている事。
だから仕事がスムースにこなせるんだよね。
今日も朝の木漏れ日が降りしきるガラすきのハイウエイをキャメルの1973年のファースト・アルバムを聴きながら走っていた。

う~ん、キャメル。
何故にキャメルなのか?
このファースト・アルバムを聴くと彼らがバンド名をキャメルにした事を自然と納得してしまう。
1曲目の「Slow Yourself Down」からもういきなり!と言う感じである。サンタナをほうふつとさせるエキゾチックなこの曲を聴いていると、キャメル(駱駝)という動物の姿が自然に頭に浮かんでくる。
「駱駝のようにゆっくりと行こうぜ!」とでも言ってる様に聞えるのだ。(曲自体は別にスローな訳じゃないけど...。)
そう言えばこのファースト・アルバムの前年にリリースされたサンタナの「Caravanserai」ではオレンジ色の太陽の下を行くラクダの連隊が描かれている。
それと4人というバンド編成なので4本足の生き物は象徴的だし。(後にこのバンドはメンバーが増え、4本足でなくなってしまいますが...。)

このアルバム・ジャケットは個人的にはあまり好きではないけど、バンドの方向性を端的に表現しているようで面白い。
駱駝の流してる涙がキラキラ星(かーっ、古っ!)に変っている。そしてその駱駝はメタリックな汽車に乗せられている。(乗っていると言うよりのせられているような気がする。)
涙は勿論哀愁漂うメロディ、或いは泣きのギター。
駱駝はサンタナ的なエキゾチック・サウンド。そして、そのサウンドはメタリックなロック・ビートにのせられている....。
...と、こんな解釈です。

このアルバムには後々も彼らのレパートリーとして演奏し続けられる、「Never Let Go 」という超名曲が収録されている。

Crazy preachers of our doom
Telling us there is no room.
Not enough for all mankind
And the seas of time are running dry.
Don't they know it's a lie...

Man is born with the will to survive,
He'll not take no for an answer.
He will get by, somehow he'll try,
He won't take no, never let go, no...

I hear them talk about Kingdom Come,
I hear them discuss Armageddon...
They say the hour is getting late,
But I can still hear someone say,
This is not the way...

う~ん、歌詞を全部載せてしまいましたが....。
生きる事への非常に肯定的なメッセージ・ソングとでも言いましょうか?
いや~、素晴らしい~。

特に

Man is born with the will to survive

の部分ですかね。

そして、

never let go

と、「生きる事を諦めるな」とでも言っているような...。

いや~、涙チョチョ切れです。

しかし、この曲はこんなにも完璧なアレンジで収録されているにも拘らず、ライブでは色々いじくられちゃうのが僕には少し不満な点です。
アコギだけのヴァージョンなんてのもあるし...。

プロフィール
HN:
Euge
性別:
男性
趣味:
夢想、妄想、ナチュラル・ハイ
自己紹介:
ジョン・レノンから影響を受けた、
自称、シンガー・ソングライター...。
今日もニューヨークのアストリアで白昼夢。
カレンダー
08 2024/09 10
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30
アクセス解析
カウンター
最新コメント
(05/13)
無題(返信済)
(11/10)
(09/18)
無題(返信済)
(09/15)
無題(返信済)
(09/13)
最新トラックバック
ブログ内検索
バーコード
フリーエリア
忍者ブログ [PR]